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愛犬・愛猫と一緒に避難訓練にチャレンジ 第4回 非常階段を使って同行避難しよう!

今回ペット同行避難訓練を行ったのは、神奈川県・横浜市にあるマンション「BrilliaGrandeみなとみらい」さんです。「マンションで地震が起こり、ペットを連れて非常階段を使って一時避難場所へ逃げるまで」を参加者全員で訓練しました。

  • ▲ペットと一緒の避難訓練にご参加いただいた愛犬・愛猫と飼い主のみなさん

同行避難に欠かせない!マナーおむつデビュー

  • ▲マナーオムツを着用したわんちゃん。

  • こちらのマンションでは、住民のための防災マニュアルに加えて、ペット同行避難の場合の対応まで定められています。ペット専用出入口付近にある共用廊下が、ペットと一緒に待機できる「ペット一時避難待機場所」。

    災害時特別ルールとして、ペットにマナーおむつを着用させることで、マンション内の移動(避難)に限り、非常階段でペットを歩かせることができるように定められています。(共用廊下および敷地内は、ペットを抱きかかえるかケージなどに入れて移動)

マナーおむつデビューというわんちゃんも多く、まず飼い主さんがマナーおむつの装着方法を学ぶところからスタート。
着用したわんちゃんもマナーおむつを気にしていない様子なので、飼い主さんもホッとした表情です。
公共の避難所へ避難する場合にも、マナーおむつを着用していれば、おもらしなどのペットトラブル防止になります。ペットのための防災グッズに入れておきたいアイテムです。

高田さんのワンポイントアドバイス

高田さんのワンポイントアドバイス

クレートトレーニングと同様に、日頃からマナーおむつ着用に慣らしてあげてください。マナーおむつは、サイズも豊富でわんちゃんが動きやすい形状になっています。「マナーおむつを付けるとどんな動きをするのかわかって良かった」と言う飼い主さんの声もありました。

さあ、非常階段を降りて同行避難訓練です!

次に、飼い主さんがペットを連れて非常階段から避難します。
小さい犬は飼い主さんが抱いて、大きい犬はリードを付けて非常階段を降ります。階段を怖がるわんちゃんもいるので、マンションに住んでいる飼い主さんがぜひとも訓練しておきたいことのひとつです。

  • ? ベラちゃんの同行避難

    ベラちゃん

    「おかあさん、待って待って! ちょっと怖いよ?」という様子のベラちゃん。意を決して一段ずつ慎重に降りていきます。

  • ? ランちゃんの同行避難

    ランちゃん

    「がんばって!」と他の飼い主さんに応援してもらいながら降りるランちゃん。

  • ? ルルちゃんの同行避難

    ルルちゃん

    お父さんの足元にぴったりと寄り添うように階段を降りる甘えん坊のルルちゃん。

  • ? コアちゃんの同行避難

    コアちゃん

    コアちゃんはお父さんに抱かれて余裕の避難。怖がるわんちゃんは、抱くかクレートに入れて避難するとよいですね。

? めいちゃんの同行避難

  • めいちゃん1

    怖がりな猫のめいちゃんは、キャリーバッグで避難。
     

  • めいちゃん2

    ねこちゃんの中にはキャリーバッグが嫌いな子もいますから、日頃から慣れておきたいもの。

  • めいちゃん3

    布をキャリーに被せると、愛猫が落ち着きやすくなります。

高田さんのワンポイントアドバイス

高田さんのワンポイントアドバイス

単純に階段に慣れていない子もいれば、関節の痛みや老化による視力や筋力の低下で階段が怖いという子もいます。災害時はパニックに陥りやすいので、抱っこをしたり、キャリーバッグに入れて運ぶなど安全に非常階段から避難できるように気を付けてあげてください。
愛犬用ブーツを履けばガレキなどによるケガの対策になります。

「ペット一時避難待機場所」で待機

  • 非常階段の避難訓練を終えて、マンションの「ペット一時避難待機場所」に飼い主の皆さんとペットが一同に集まりました。
    他のわんちゃんと一緒でも、吠えたり喧嘩したりする子はいませんでしたが、知らない犬や人と接しても興奮しないように、ふだんのお散歩から社会化の訓練をしておきたいですね。

    猫の場合、抱っこでの避難だと、もしもの時に愛猫が逃げてしまう可能性があるので、避けましょう。

ペット同行防災訓練を終えて—参加者の皆さんの声

ペット同行避難訓練を体験した参加者の皆さんに、今日の感想を伺ってみました。

  • 13歳と1歳のねこちゃん2匹と暮らす自治会長の松本さん

    ふだんの備えが、ペットと飼い主のためになり、結果的に他の避難者のためにもなるんだとわかりました。

    13歳と1歳のねこちゃん2匹と暮らす
    自治会長の松本さん

  • ルルちゃんの飼い主さん

    今日は初めてマナーおむつデビューしました。
    最低限の防災知識が必要だと痛感しました。

    ルルちゃんの飼い主さん

  • 子猫めいちゃんの飼い主さん

    めいは、初めて犬を見たのでシャーシャー言っていました。まずは飼い主が落ち着く必要を感じました。

    子猫めいちゃんの飼い主さん

  • コアちゃんの飼い主さん

    日常からキャリーやケージ、おむつに慣れさせる必要があるなと思いました。

    コアちゃんの飼い主さん

  • 日ごろからペットフードの備蓄や避難訓練などの備えが大切だと感じました。

    ジャスミンちゃんの飼い主さん

ペット同行防災訓練を終えて—講師の声

  • ▲講師の高田由香さん(あんにんちゃんところねちゃん)と鈴木 光さん

  • ペットと飼い主さん同士の交流ができたようでよかったです。マンションに住んでいると、意外と住民同士でも交流のないことが多いですから。
    ペットの飼い主さん同士で知り合うことが、まずペット防災の第一歩だと思います。

  • 交流を通してペット防災について話し合い、災害への備えを身近に「自分ごと」にしてもらえたらいいですよね。
    実際のペット同行避難では、当面必要な飲料水、食料(人とペットの分)、ペットシーツなどをリュックで背負います。リュックの重さや持ち物の優先順位も、ある程度決めておいていただければよいですね。

  • 鈴木さんが「避難所で人を噛んじゃったわんちゃんがいた」とおっしゃっていましたが、いつもはそんなことをしない子でも、不安なときには人を噛む可能性があります。
    パニックになったらなおさらです。されると嫌がることを知っておく、非常時には人に触らせないようにすることをルール化していれば、事前にトラブルを避けられるはずです。

  • 今日のように、避難所ではマナーおむつを着用する・クレートに入れるなどのペット防災のルールが一般に浸透して、当然のことになれば理想です。避難所での共存は、ペットや飼い主さんのためだけでなく、被災者全体のためにもなりますから。
    ペットも人も、防災訓練から”楽しい”ことが大事ですね。楽しくないと続かないし、訓練でやっていないことは災害時もできないというところに共通点を感じました。
    本日はありがとうございました。

今回取材協力いただいたマンションでは、住民のための防災マニュアルに加えて、犬猫との避難の対応まで定められていました。
みなさんの地域やマンションでもどのような規定があるか、是非興味を持ってみてください。

鈴木光(すずき・ひかり)さん
一般社団法人減災ラボ 代表理事

減災アトリエ主宰、総務省消防庁防災図上訓練指導員、工学院大学客員研究員。建設コンサルタント退職後、フリーランスの減災ファシリテーターとして活動し、2015年5月に減災アトリエを設立。全国各地の自治体職員・地域住民・学校・企業等に、主に地図を使った防災ワークショップ(DIG)や防災講座、訓練企画などを実施。

https://www.gensai-lab.com

高田由香(たかだ・ゆか)さん
Parco del Caneカーネ保育園 園長

日本ドッグパーク普及協会認定ドッグアドバイザーA 級。日本ペットマッサージ協会認定ペットマッサージセラピスト。2006年、世田谷・用賀に「犬の保育園 Parco del Caneカーネ保育園」を開園。現在の愛犬は、パピヨン、パピヨンxマルチーズのミックス、双子のチワワの4匹。

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