秋元 理美さん

千葉県千葉市で愛猫5頭と暮らす。地域の犬・猫の保護活動や、自治会のペット問題に取り組んだ後、飼い主のいない猫を守る「TOKE猫プロジェクト」を立ち上げる。現在は、千葉市の動物保護指導センターと連携して、地域猫問題に積極的に取り組んでいる。

千葉県動物愛護推進員
「TOKE猫プロジェクト」代表
「(地元自治会)ペット問題委員会」代表

写真:浜田一男

「28年ほど前から犬や猫の保護活動に携わってましたが、捨てられる命は後を絶たず、救っても、救っても、きりがなかった。その結果、犬や猫の命を守る方法を、別の角度からも取り組むようになりました。」そう語ってくれたのは、千葉県千葉市在住で動物愛護推進員を務める秋元理美さん。その方法とは、地域住民たちに、もっと犬や猫のことを知ってもらおうという取り組みでした。

犬や猫を幸せにできる町づくり。
自治会発行の「ペットニュース」が町を変えた!

保護活動だけでは不幸な命はなくならない

千葉県に位置するのんびりした住宅地に秋元さんが愛犬・ボルフを連れて東京から引っ越してきたのは30年ほど前。ある日、近所の空き地で五頭の子犬を育てる捨て犬を見た秋元さんは、見過ごすことができず母犬と子犬を保護することに。「その後、気が付けば、飼い主のいない犬や猫を保護しては里親を探す日々が続き、その数は12年間で1200頭を超えるまでになっていました。」保護活動や里親探しに時間を取られた秋元さんは、仕事にも支障が出始めたと言います。「捨てられる命があるのは、捨てる人間がいるから。この悪循環を断ち切るためには、まず地域での啓発活動しかないと思いました。」本格的な啓発活動に取り組むため、秋元さんは町内会で動物愛護・福祉に前向きな人たちとともに自治会で「ペット問題委員会」を立ち上げることを決意したのです。

上山さんが最も共感できたのは、犬を更生プログラムの道具としてではなく、捨て犬たちも、プログラムを通して新しい飼い主のもとへ旅立ち、幸せになれるという点でした。その取り組みに深く感銘を受けた上山さんは、社会人になったのを機に、同じようなプログラムを日本で立ち上げたいと、同少年院を視察するために、アメリカへと向かいました。

「日本を離れ、アメリカの地でプログラムの担当者と話しているうちに、ふと日本独特の社会問題に気づきました。それは、社会に適応できない引きこもりやニートと呼ばれる若者たちのこと。そういった若者を支援する独自のドッグトレーニングプログラムを、自分の手でつくりたいと思ったのです。」

"ペットニュース"の発行で、 住民たちの理解を促す

▲ 保護した子猫と秋元さん

ペット問題委員会で、最初に取り組んだのは「ペットニュース」を季刊で発行することでした。
そこで、基本的なペットに対する知識・飼い方を具体的に掲載。よりよい犬や猫との暮らしや、ペットに関わるトラブルの解消法について紹介することにしたのです。「例えば犬は、庭で鎖に繋いで飼うのではなく、家族として散歩のとき以外は一緒に家の中で暮らすとか、猫は家と外を自由に出入りさせないで、キャットタワーなどでストレスがない環境を整え、完全室内飼育するなど、愛犬・愛猫家にとっては基本的で当たり前の内容です。 でも、それを知らない、やらない人が大勢いる。それこそが問題なんです。知らない人たちがペットの問題をペットのせいにする。すべては飼い主次第だとまずわかってもらうことが大切です。」



また、ペットニュースは回覧板ではなく、委員の手によってペットを飼っているいないに関わらず町内会840世帯のすべてに配布されました。「大変な作業ですが、回覧板では全く効果がないと判断しました。一軒一軒、ポスティングすることで、こちらの思いも伝わる。より多くの方に読んでもらえる。」と秋元さん。最初は、これらのペットニュースに対して「犬を家で飼うなんて臭くてたまらん」「猫を家の中だけで飼うのなんて無理だ」などの反対意見もありましたが、秋元さんは、それらの意見に対し、直接住民と面会して、相手が納得するまで丁寧に説明を繰り返しました。

飼い主がまず、ペットについて 勉強し、
知識を得ることがペットの幸せにつながる

秋元さんらが住民たちに理解と改善を丁寧に時間をかけて促した結果、ペットニュース刊行から7年後には町内会840世帯中、犬を庭で飼っている家はわずか一世帯まで減少。猫の完全室内飼育もほぼ徹底されるようになりました。秋元さんは当時を振り返りこう言います。「この活動で、なにより幸せを手に入れたのは、飼われているペットたちです。今まで庭で飼われていた犬は、家族として室内で飼われるようになり、猫たちも交通事故や感染症の心配もなくなり、部屋で安心して過ごせるようになったからです。」飼い主のマナーもモラルも大きく改善され、ペットの飼育問題は町内会ではほとんどなくなりました。同時にペットにまつわる近所同士のトラブルも解決に至ったのです。

ペットの次の問題は、
"飼い主のいない野良猫問題"をどう解決するか

ペットのトラブルが解決すると、次に目立つようになったのが「野良猫問題」でした。飼い猫の完全室内飼育が徹底されたため、外にいる猫=野良猫となり、飼い主がいない猫の苦情が、秋元さんに集中したのです。残念なことに、野良猫に対する苦情は猫を飼っている猫好きの住民からも挙がりました。秋元さんは町内会の猫を「地域猫」として見守ってくれるよう再びペットニュースで呼びかけ、自分たちで野良猫を保護して不妊手術をし、もとの場所に戻す「TOKE猫プロジェクト」を開始することに。 「手術を徹底すれば、これ以上、野良猫が増えることはありません。一代限りの命を、地域の猫としてみんなで見守ってほしい。」秋元さんは再び根気よく住民たちに説明を繰り返しながら理解を求めます。同時に野良猫の排泄物で住宅の外壁が汚れたと聞けば、自ら住民の家の掃除に出かけていきました。そんな秋元さんの姿に住民たちは次第に協力的になり、苦情を言う住民たちも減少。その6年後には町内会を歩く野良猫は、みな寿命を全うして一匹もいなくなりました。 現在、秋元さんは再び町内会に住みはじめた野良猫たちの給餌や不妊手術、糞尿の掃除に加え、千葉市内の地域猫に関する相談を受けるなどの地域猫活動を積極的に継続しています。「自分とはちがうものをねじ伏せたり排除するのではなく、想像力を働かせて相手の立場に立ち、相手の考えや違いを受け入れることが大切です。それが他人であれ、身近にいる動物であれ、同じこと。」 まずは、相手の存在を受け入れ、理解しようと寄り添う。それこそが、人と動物との共生となり、私たち人間の幸せな日常に繋がっていくのだと、秋元さんは笑顔で語ってくれました。

▲ 「TOKE猫プロジェクト」の様子
町内の野良猫たちの給餌や不妊手術など地域猫活動に積極的に取り組んでいる。

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