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猫が鳴く理由とは?鳴き方別の気持ちや意図、鳴きやまない時の対策も解説

猫が鳴く理由とは?鳴き方別の気持ちや意図、鳴きやまない時の対策も解説

031:猫鳴き声

本来、成猫同士でのコミュニケーションは、耳やヒゲの向き、姿勢、尻尾の動き、視線の向きといったボディランゲージが主体のため、成猫同士が鳴き合う機会はそれほど多くはありません。 それなのに、人間と暮らしている猫たちは、色々な場面で様々な鳴き方をします。時に、「少しだけ静かにして」と願うくらいおしゃべりな猫も。

なぜ、人と暮らしている猫はよく鳴くのでしょうか? また、猫たちの鳴き声にはどんな気持ちがこもっているのでしょう?

今回は、猫たちがどんな時に鳴くのか、その理由について解説していきます。

目次

猫が鳴く理由とは?~猫はどんな時に鳴くのか?~

031:猫理由

猫は、どんな時にどのように鳴いているのでしょうか?一般的に、猫が鳴く理由には大きく3つあり、それぞれの理由に対して、複数の特徴的な鳴き方をします。代表的なものをいくつか紹介します。

1.母子間の交流・仲間同士の交流のため

鳴く理由の1つ目は、母子間・兄弟間の交流と、仲間同士の交流のためです。

基本的な鳴き方には2種類あり、1つは口を開けて発する声の「ミャ―/ニャー」や、「ミャオ/ニャオ」、「ミャッミャ/ニャッニャ」、「ミャッミャーオ/ニャッニャーオ」。この鳴き方は、鳴き終わりに口を閉じるのが特徴です。もう1つは、口を閉じて鳴らす「ゴロゴロ」、「クルル」、「ルルル」といった柔らかな声で、この2種が入り混じって、「クルルミャ―ッ/クルルニャ―ッ」、「ミャ―ンルル/ニャ―ンルル」、「ミャッ・クルル/ニャッ・クルル」「ルルルミャミャー/ルルルニャニャー」となることも。これらの鳴き声は、友好的な関係にある猫同士で何かを要求している時、あるいは、相手に挨拶する時や誰かを呼びよせる時に発せられます。

幼い子猫は自分の要求や状態、その時々の気持ちを母猫に伝えるために、とてもよく鳴き、子猫時代は生涯で最も鳴く回数が多いと言われています。ここからは、猫の鳴き方の基本となる子猫の鳴き方について少し紹介しましょう。

子猫は、朝目覚めると『お腹が減った』と「ミャ―」と鳴き、ひとりにされると『寂しい』、『寒い』とやや甲高い声で「ミャ―」と鳴き、何かイヤなことがあれば「ミィャァア」と鳴きます。 こんな理由で鳴いている時、鳴き声は次第に大きくなっていきますが、原因が解消された途端に鳴きやみます。 例えば、『お腹が減った』と鳴いていたのであれば、ミルクを飲み始めるとすぐに鳴きやみ、代わりに『満足』、『嬉しい』と伝えるように、「ゴロゴロ」と喉を鳴らし始めます。
※人工哺乳されている子猫が、ミルクを飲み終わって暖かく過ごしているのに鳴きやまない時は、尿意や便意を催していることもあります。こんな時は排泄を促してあげましょう。

少し成長し、歩いたり走ったりできるようになると、母猫に『お帰りなさい』というように、尻尾をピンとたて、挨拶の「ミャ―」が加わります。また、母猫は子猫に『ただいま』、『こっちにおいで』というように、短く「ミャミャーオ」、「ミャッミャ」と呼びかけたりします。「ミャミャーオ」、「ミャッミャ」は、兄弟同士で『遊ぼう』と誘う時に使われることも。

子猫の聴覚が十分に発達してくると、人間には聞こえない高い周波数で鳴き声を発する「サイレント・ニャー」を母猫への呼びかけに使い始めます。生後4か月を過ぎる頃には、「クルル」、「ルルル」といった柔らかな声が、ご機嫌な時や仲間に甘えたい時などに発せられるようになり、呼びかけの声に混じるようにもなります。

2.発情・繁殖のため

鳴く理由の2つ目は発情・繁殖のためです。 相手を求めて呼ぶ甘い鳴き声と、相手を得ようと雄同士で争う声の2種類が特徴的です。

相手を求めて呼ぶ声は、仲間同士の交流の鳴き方と同じで、基本は口を開けて鳴く「ミャア」や、口を閉じて鳴く「クルル」、「ルルル」が入り混じった鳴き方です。ただ、より鼻にかかったような、「ウナァンナァングルル」、「ミャァーンクルル」といった声になることも。誰も相手が見つからない時は、さらに声が大きく長めになっていきます。人が聞いていると、切なくなってくるような鳴き声かもしれません。

一方、雄同士で争う声は、口を開いたままわめくような鳴き声で、「ギャオギャオギャァ」、「ミャオウミャオウミャ―」、「ワオゥワオワオウー」と、やや耳障りに感じる鳴き声です。ケガを負った時などには、「ギャーッ」と明らかな悲鳴が混じることも。

ちなみに、発情時期であっても、気の合う相手が近くにいて争う必要がなければ、大きな声を出すことなく交配します。交配が成功すると、雌猫は「グルルル」と低い声で唸ったり、「ギャーッ」と悲鳴を上げたりした後、自分から離れた雄猫を攻撃し、その後に体をコロコロと床にこすりつけます。

3.警告・威嚇・攻撃に関連した行動のため

鳴く理由の3つ目は、警告・威嚇・攻撃に関連した行動のためです。この鳴き声は猫同士だけでなく、人間も含めた他の生き物相手にも発せられることがあります。

目をカッと見開き、口を大きく開け舌をUの字に丸めた状態で「シャー」、「シューッ」と発せられる声や、「フーッ」とやや低く発せられる声を聞いたことはないでしょうか? これは、猫が誰かに警戒している時、あるいは、怖がっている時に、『これ以上近づかないで、触らないで』と、相手に警告する鳴き声です。この鳴き方をしている時は、不用意に近づいたり触れたりすると、攻撃される可能性があります。 「シャー」や「シューッ」は驚いた時などに本能的に発せられることもあり、まだよちよち歩きの子猫が出すこともあります。

口を閉じるか、もしくは軽く開けた状態で「ウゥゥゥ」、「グルルルル」と、低く音調を変えながら唸る時は、仲間に危険が迫っていることを知らせる警告の意味と、相手を脅かして追い払おうとする威嚇の意味があります。このように唸っている猫に近づいたり触れようとしたりすると、基本的に猫は逃げ出そうとします。しかし、逃げ出せないような状況下では攻撃に転じてくることがあるため、猫を追い詰めないよう注意が必要です。

歯をむき出しにして唸っていたり、口を素早く開けて「カッ」、「ケッ」と鋭く唾を吐くような声を出している時は、とても攻撃的な気分の時で、声と同時に、爪を閃かせた猫パンチが飛んでくることがあります。

猫同士で警告や威嚇の声を発しても互いに身を引かない場合は、実際の争いに発展してしまうことがあります。争いになると、「2.発情・繁殖のため」で紹介した「雄同士で争う声」を、雌雄の区別なく発することに。人間相手では、争う声を出す間もなく、引っ掻いたり噛んだりと攻撃してくることもあるので、こんな声を出している時は、猫が落ち着くまで手を出さないようにしましょう。

特殊な状況での鳴き声

上記以外の状況でも鳴くことがあります。ここでは、その特殊な状況での鳴き声と理由について紹介します。

 

 

窓辺でカッカッカッ

窓辺にいる猫が突然、口を開け下顎を小刻みに動かしながら、合間に「カッカッカッ」、「ニャニャニャッ」、「ミャミャミャッ」と鳴くことがあります。

これは、網戸越しや窓越しなどで虫や小鳥を見つけた時特有の声です。初めて聞くと、何かあったのかと不安になるかもしれませんが、これは手の届かない獲物を見つけた際にでる本能的な鳴き声なのでご安心を。ただ、虫や鳥が飛び去った後、フラストレーションがたまっているようであれば、おもちゃで発散させてあげてください。

 

 

満足の意味だけじゃないゴロゴロ

満足している時やリラックスしている時に「ゴロゴロ」と喉を鳴らす、と紹介しましたが、このゴロゴロには別の意味もあると考えられています。母猫が子猫に近づき授乳する時にも、頻繁に喉を鳴らします。これは、子猫に自分の位置を知らせ、かつ、安心させるためと推測されています。

また、相手に敵意がないことを伝えるため喉を鳴らすこともあれば、病院の診察台の上で怖がっている時や、猫自身のケガや病気など、体調不良の時にも喉を鳴らすこともあります。喉を鳴らしているからリラックスしている、と決めつけず、その時々の状況から愛猫の気持ちを読み取ってあげましょう。

人と暮らしている猫が鳴く理由とは

人と暮らしている猫がよく鳴くのは、鳴き声が飼い主との大切なコミュニケーション・ツールの一つだからです。愛猫たちは、ボディランゲージを上手に読み取ることができない人間のために、自分の気持ちを声に出して伝えてくれています。

飼い主に向かって発せられる鳴き声は、母子間の交流に使われるものがほとんど。口を開けて発する声の「ミャ―/ニャー」、「ミャオ/ニャオ」、「ミャッミャ」、「ミャッミャーオ」や、口を閉じて鳴らす「ゴロゴロ」、「クルル」、「ルルル」といった柔らかな声、あるいは、この両者の入り混じった鳴き声になります。

愛猫たちは飼い主と一緒に暮らす時間が長くなればなるほど、どうしたら自分の気持ちがより伝わるかを学習し、状況に合わせて鳴き声の音調や音量を変えていくこともあります。

例えば、何かを要求している時に語尾が小さくなっていく、甘えた「ミャ―/ニャー」の方がすぐに対応してもらえたならその鳴き声を使い、逆に不満げな低音で「ミャーーオ/ニャーーオ」と鳴いた方がすぐに要求が通ったのなら、同じ状況でその鳴き声をよく使うようになります。 サイレント・ニャーで呼びかけた時に飼い主が気づいて喜んでくれたら、この鳴き方の頻度が増えることも。

困ったことに、いっぱい鳴けば要求が通ると覚えてしまった猫は、要求が通るまで次第に声量をあげながら鳴き続けるようになることもあります。

鳴きやまない時の対処法

031:猫鳴き止まない

飼い主の目をじっと見ながら、口を開けて「ミャ―/ニャー」と鳴いている時は、なにかして欲しいことがあるからです。

水が汚れていないか、トイレは綺麗か、爪とぎやベッドの位置は好みの場所にあるか、ご飯を与える時間が過ぎていないかなどを確認し、愛猫に快適な環境と栄養バランスの取れた食生活を整えてあげましょう。

理想は、愛猫が欲する前にすべてが整っていることなので、上記の基本的な部分はこまめにチェックしておきましょう。

要求鳴きでは生活習慣の見直しを

もし、愛猫が『鳴いたら美味しいおやつが降ってくる』、『鳴けば遊んでもらえる』、『鳴けば注目してもらえる』と、覚え、自分の要求が満たされるまで鳴き続けるようになっていた場合、飼い主がそれを苦痛に感じているのであれば、少しお互いの生活習慣を見直した方が良いかもしれません。

要求鳴きが酷いようなら、鳴いてもすぐには要求に応じず、鳴きやむのを待ってみましょう。鳴きやんで数秒から十数秒静かにしていたら、愛猫の要求をかなえてあげたり、特別なおやつをあげるなどをして、静かにしている方がもっと良いことがあると、徐々に教えていってみてください。

中々鳴きやまないようであれば、飼い主が別室に移動しましょう。3mほど離れると鳴きやむことがあります。鳴きやんだら部屋に戻って、鳴く前に声をかけたり、撫でたりして、要求をかなえてあげてください。

また、朝方に『お腹が減った』と、鳴きやまないのが辛い場合は、寝る前に、愛猫が夜間に少量ずつフードを食べられるような知育トイ(フィーディング・トイ)を与えたり、自動給餌機を使ってみるのもおすすめです。知育トイは、購入しても全く使ってもらえず涙を飲むことがあるので、まずはペットボトルやラップの芯などで手作りして、愛猫が空腹な時に与えて使ってもらえるかどうか試してみるのもお勧めです。

『遊んで』、『かまって』と鳴く場合は、朝晩に愛猫と触れ合う時間を設け、毎日たっぷり遊んであげると、その時間まで待ってくれるようになることがあります。待っている間、愛猫が退屈しないよう、窓辺に快適な場所を作り、外が見られるようにしておきましょう。窓辺の代わりに、TVやPCなどで猫が興味を持ちそうな動画を流してあげるのもお勧めです。

時には専門家に相談を

環境変化などでストレスが強くかかっているようであれば、愛猫が心地よく過ごせる環境を整えましょう。不安やストレスを軽減させてあげるため、適度に遊ばせたり、ブラッシングしたりと、スキンシップを増やしてあげるのも。

あまりにストレスが強い時には、お薬の手助けが必要なこともあるので、動物行動学を専門としている動物病院に相談してみましょう。

もし、発情期に鳴きやまなくて困っているのであれば、避妊・去勢手術を受けさせると、次第に鳴く頻度が少なくなってくることがあります。また、雌猫であればお薬で発情をコントロールできることもあります。手術やお薬のメリット・デメリットについては、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

鳴き声がおかしい時は?

031:鳴き声おかしい

同居動物や家族を失った時、逆に家族が増えた時や、引っ越しした時など、突然環境が変化した場合、そのストレスからよく鳴くことがあります。

[思い当たるストレスがなく、発情時期でも、子猫の声変わりでもないのに、鳴き声が急に変わったと感じた時は、愛猫の体に異常が起こっているのかもしれません。

鳴く状況によっては病気の可能性も

排泄時に唸ったり、呻いたり、悲鳴をあげたりするようであれば、便秘や下痢、膀胱炎、尿路結石などの疑いがあります。毎回、適切な排泄量か、色は正常かなど、排泄物の状態をチェックしましょう。

また、ご飯を食べている最中に短く悲鳴をあげるようであれば、口内炎や歯周病、口腔内腫瘍など、口の中に異常があるのかもしれません。悲鳴を上げていなくても、食欲がいつもより減っていたり、食べ方がいつもと違うようであれば、口の中の様子を見てあげてください。口を開けるのが難しい場合は、口臭がきつくなっていないか、よだれがでていないか、確認してみましょう。

目では確認できないところに異常があり、鳴き方がおかしくなっている可能性もあります。 突然、「ワオワオワオ」と呻いたり、お腹を丸めてじっとして小刻みに震えている場合、吐き気や腹痛があるのかもしれません。

また、「ギャーッ」と悲鳴をあげ、その後愛猫の動きがおかしい場合は、骨折や外傷、あるいは体内のどこかで出血や血栓症が起こっている恐れも。特に、中年齢から高年齢の猫では慢性腎臓病から高血圧を生じやすいので注意が必要です。

普段より頻繁に鳴くようになり、以上のような鳴く理由が見当たらない時は、甲状腺機能亢進症や認知機能障害、脳内腫瘍といった可能性もでてきます。これらも中年齢から高年齢の猫での罹患率が高いため、やはり注意が必要です。

鳴き声や鳴き方が普段と違うと思った時、また、なんらかの症状が少しでもある場合は、動物病院を受診しましょう。 愛猫の鳴き方や様子を動画で撮影し、動物病院を受診した際に担当獣医師に見てもらうと、診断の一助となることがあります。

鳴かずに耐える猫も

猫も人間と同じように、身体に不調がある際、声に出して訴えるタイプと声も出さずにじっと耐えるタイプがいます。鳴き方がおかしくなくても、何か普段と明らかに異なる様子があれば、早め早めに受診して異常がないかを調べてあげましょう。

まとめ

100種の音声を持つと言われているくらい、猫という種族はその時々で色々な声を出し、個体によって鳴き声はソプラノだったりアルトだったりと様々です。その多彩な声を使って、猫たちは人間とコミュニケーションを取ろうと日々学習しているようです。

私たち人間も、猫たちをよく観察し、「ミャ―/ニャー」がその時々、どんな気持ちを表しているのかを、しぐさや表情といったボディランゲージと合わせて理解を深めていきましょう。

 

 

お話を伺ったのは…
獣医師・鍼灸師 竹澤康子先生

以前、ペピイ動物看護専門学校の非常勤講師として、子猫・子犬の育て方の講義などを担当していたご縁から、
おタケ先生として「じゃれ猫ルーム」を執筆。
鍼灸・漢方をメインとする往診型動物病院を開業準備中。

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