犬の歯磨きは毎日必要?
最適な頻度や歯磨きの方法について解説
愛犬への歯磨き。大切なのはわかっているけれど、なかなか上手にできない…
そんな飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
しかしせっかくトライするのであれば、飼い主さんにも負担なく、愛犬と楽しみながらケアしていきたいものですよね。
そこで今回は、歯磨きの上手なトレーニング方法や、おすすめのデンタルケアグッズなどをご紹介します。
愛犬への歯磨き。大切なのはわかっているけれど、なかなか上手にできない…
そんな飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
しかしせっかくトライするのであれば、飼い主さんにも負担なく、愛犬と楽しみながらケアしていきたいものですよね。
そこで今回は、歯磨きの上手なトレーニング方法や、おすすめのデンタルケアグッズなどをご紹介します。
さまざまな病気の引き金ともなる歯周病を予防するためにも、犬の歯磨きはとても大切です。では、その頻度はどのくらいが理想的なのでしょうか。
犬の歯磨きは、可能であれば毎日行うのが理想的ですが、少なくとも週に2回程度はできると良いでしょう。犬は歯垢の石灰化がとても早く、その日数は3~5日ほど。石灰化して歯石になってしまうと飼い主さんでは除去ができないため、それまでにしっかりとおうちで磨き落としておきたいところです。
犬の歯磨きには、前述の歯石防止の他にもさまざまなメリットがあります。
歯周病の発症率が非常に高く、心臓病や腎臓病の原因にもなりかねない犬の歯周病。
そんな口腔トラブルを予防する他、飼い主さんとのコミュニケーションにもなるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、普段から歯磨きに慣れておくことで、動物病院での歯科検診の練習にもなります。
犬の歯磨きは、ステップを踏んでゆっくりと練習していくことがポイントです。それぞれのステップを何度も繰り返し、できるようになったら次のステップへ進みましょう。
ステップ1
まずは飼い主さんの手でタッチすることで、口元に触れられることに慣れさせていきます。
フードやおやつを飼い主さんが握り、手の平で与えながら練習していくと、スムーズにタッチができるでしょう。
ステップ2
ご褒美を使いながら「待て」をして、その状態でそっと唇をめくります。
めくることができたらご褒美をあげ、くり返し練習していきます。
ステップ3
ご褒美を握った手に歯ブラシを持ち、犬が歯ブラシを見たタイミングでご褒美をあげます。特に大好きなご褒美、かつ歯ブラシのときにはいつも同じものを使っていくことが、このステップのコツです。
ステップ4
ご褒美を握った手に歯ブラシを持ち「待て」をして、反対側の手で唇をめくります。
少しでもめくることができたらご褒美をあげ、くり返していきましょう。
ステップ5
歯ブラシに犬用のデンタルジェルを塗ったうえで、ステップ4を実践。
その流れで、歯と歯茎の間にそっとブラシを当ててみましょう。
上手にできたらご褒美をあげ、場所を変えながらくり返していきます。
ステップ6
実際にブラシを動かしながら磨いてみます。少しでも磨くことができたら、その都度ご褒美をあげてOK。はじめのうちは短い時間でも十分なので、徐々に時間をのばしていきましょう。
まだ慣れないうちやその日の気分によっては、犬が歯磨きを嫌がることもあるでしょう。そんなときの対処法をチェックしておきましょう。
犬が歯磨きを嫌がったときにまず大切なのは、無理に続けようとしないことです。
無理に続けることで「歯磨き=怖いもの」といったネガティブなイメージを持ってしまい、その後のデンタルケアもスムーズにできなくなってしまうことも。
嫌がったら必ずすぐに手を止め、その日の歯磨きは終わりにしましょう。
「ごめんね」「よくがんばったね」などとご褒美をあげたくなってしまうかもしれませんが、それはNG。
「抵抗すること=褒められること」と誤った学習をしてしまうため、ご褒美をあげるのは上手に磨けたときのみ、と徹底しましょう。
歯磨きができない日にも、デンタルガムやデンタルおもちゃなどを取り入れることで、ケアの継続を図ることができます。
「ちゃんと磨かなければ!」などと焦らず、愛犬と楽しむことを第一に工夫していきましょう。
歯ブラシは愛犬の体格に適した形状・サイズを選ぶのがおすすめ。
また、歯ブラシが苦手な犬には、シートタイプの歯磨きや歯磨きガムなどもおすすめです。
犬の健康維持には欠かすことのできない歯磨き。少しずつトレーニングをしながら、楽しい習慣として身に付けることができると良いですね。
無理なく続けるデンタルケア、ぜひ楽しみながら実践してみてください!
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監修いただいたのは…
2018年 日本獣医生命科学大学獣医学部卒業
成城こばやし動物病院 勤務医 獣医師 高柳 かれん先生
数年前の「ペットブーム」を経て、現在ペットはブームではなく「大切な家族」として私たちに安らぎを与える存在となっています。また新型コロナウィルスにより在宅する人が増えた今、新しくペットを迎え入れている家庭も多いように思います。
その一方で臨床の場に立っていると、ペットの扱い方や育て方、病気への知識不足が目立つように思います。言葉を話せないペットたちにとって1番近くにいる「家族の問診」はとても大切で、そこから病気を防ぐことや、早期発見できることも多くあるのです。
このような動物に関する基礎知識を、できるだけ多くの方にお届けするのが私の使命だと考え、様々な活動を通じてわかりやすく実践しやすい情報をお伝えしていけたらと思っています。