役に立ったらシェア!

 

●ハノーファ獣医科大学(Institut fur Tierschutz und Verhalten)

1778年に創立された獣医学部だけの単科大学。2400人の学生が、動物保護法に基づいた獣医療の教育研 究を行う先進的な大学で、ドイツの犬保護法について、行政のしくみや犬税、飼い主試験、ドイツの動物観のお話を詳しく伺ってきました。

ドイツ・ニーダーザクセン州の先駆的な取り組み

ドイツのニーダーザクセン州では、犬の飼い主に「飼い主試験」が義務付けられ、適正飼養の知識と、コントロール能力を認定する制度があります。この大学があるニーダーザクセン州では、飼い主試験の他にも犬税の納付、マイクロチップの装着義務や損害保険への加入、特定危険犬種の口輪装着やオンリードなど、犬を飼うための資格と飼う人の責任が規定されています。ドイツでは生後 8 週齢に満たない子犬の販売が禁止され、飼育環境は、自然採光が確保され 、檻面積は最低2m以上、体長の約2倍以上、体高50㎝未満で最低6㎡以上。換気、排水、温度も規定があり、係留飼も禁止されています。ブリーダーやペットショップなどに対しても厳しい制約が設けられています。

※ドイツの動物保護法
1933年に「動物保護法」を制定。1986年の改正では、「同じ被造物たる動物に対する人の責任として動物の生命や健康を保 護する」旨を目的として示し、1990年に「動物はものではない」と定められ、2002年には、憲法に「動物保護の規定」を追加。動物取扱業へは、2001年に制定された「犬の保護に関する命令」等が重要な法令となっている。ドイツの飼育頭数は犬 530万頭、猫820万頭

●ハノーファーティアハイム(Tierschutzverein Hannover)

ドイツでも緑豊かな美しい自然環境に取り囲まれた都市の一つハノーファにある中規模ティアハイム。最大で犬100 頭、猫250 頭、ウサギ 120~130頭を収容できる。新犬舎建設のため隣接地購入を検討中。施設では、61人のスタッフとボランティアが活動し、運営資金は、市民からの寄付や遺贈に支えられています。年間4000頭を受け入れ、譲渡率は90%。

施設について

高額寄付者の銘板

笑顔いっぱいの「本日のスタッフ」紹介

施設に入ると屋外パドックから元気な吠え声が聞こえてきます!出迎えてくれた皆さんも笑顔でイキイキ、楽しい雰囲気です。お話を伺うと、ここでも治療放棄や高齢による引取が多く、飽きたから引き取ってほしいと持ち込まれ、お断りすると施設の入口に犬をつないで帰った人もいたそうです。施設では、飼い主試験の合格が譲渡に必要な条件となり、獣医師によってマイクロチップの装着、不妊去勢手術が行われています。ニーダーザクセン州では、獣医科大学と保護施設が連携して法を整備し、飼い主試験義務化後は、迷い犬の収容頭数を30%減少させるという先駆的な取組が大きな 成果をあげています。

【猫棟】快適な工夫がいっぱい!

ドアの向こう側は自然光が差し込みます。

クリスマスコーデが可愛い♪

自分のニオイに包まれて安心。

新設した猫棟の居室は、広さ十分!ビッグサイズのタワーが置かれブランケットや爪とぎ、おもちゃも完備されています。各居室から自由に出入りできる開放的な中庭は、天窓から太陽が降り注ぐぽかぽかのサンルーム。快適に暮らすための工夫や、「猫と人の暮らしが楽しく愉快でありますように」というボランティアさんの気持ちが伝わってくるようです。

自由に遊べる明るいサンルーム。

地域ぐるみで活動支援

施設の仕事は、お世話や掃除、散歩や点検、受け容れや譲渡審査など内容もさまざま。企業からの物資協賛や、WEB動画配信など広報活動も盛んに行われています。運営は寄付で賄われ、近隣住民が手作りしたチャリティおもちゃを販売したり、こども達に体験学習の場を提供して、地域との結びつきを深め、町ぐるみで活動を応援していました。 動物がのびのび暮らし、スタッフの笑顔がとても印象的なホスピタリティ精神に溢れる施設でした!

(2/3)

新着記事

犬と暮らす犬と暮らす

猫と暮らす猫と暮らす