犬が吐いたけど大丈夫?
犬が吐く原因と対処法

愛犬が吐いたり、便がいつもと違っていたら、飼い主さんは心配ですよね。
今回は、愛犬の健康管理の基本「吐く」についての状態と対処法について学びましょう。「食べすぎて」「空腹で」「病気で」と、犬は何かとよく吐く動物です。
吐く原因や危険度の見極め方を知って、慌てず適切に対処するようにしましょう。

目次

犬が吐いたときにチェックすべき6つのポイント

食べた物を口から戻すことを「吐く」といいますが、犬が吐く背景にはいろいろな原因が潜んでいます。愛犬が吐いた場合は・・・
・どんな状況で吐いたのか
・吐いた後の様子はどうか
・どんな物を吐いたのか
など、よく観察してください。
そうすれば動物病院で受診する際にも診断がつきやすくなります。

吐いた時の6つのチェックポイント

□ 吐いたのは1回か、複数回か?
□ 吐いた後の犬の様子は?
□ 吐いたのは食後何分後か?
□ 吐いた物は何か?血液や異物の混入は?
□ 下痢を伴っていないか?
□ 異物や中毒性物質を口にした可能性は?

様子見していても大丈夫な3つのケース

愛犬が吐くと飼い主さんはついオロオロしがちですが、犬は比較的よく吐く動物なので、吐いたからといって、必ずしも病気というわけではありません。
例えば次のようなケースで、吐いた後に元気で食欲もあれば様子をみていても構わないでしょう。

ケース1.フードをガツガツ食べて吐く

ケース2.白い泡や黄色の液体を吐く

ケース3.草を食べて吐く

ケース1.フードをガツガツ食べて吐く

食欲旺盛な犬がフードをガツガツ食べて、食後すぐに吐くことがあります。
犬は吐いたあとも元気で、さらに吐き戻した物を食べてしまうこともあります。
これは慌てて食べたものが未消化のまま吐き出されただけなので、とくに心配はいりません。

ケース2.白い泡や黄色の液体を吐く

朝の起床時や食前などに白い泡状の液体や黄色い液体を吐くことがあります。
白い液体は胃液、黄色い液体は胆汁で、胃が空っぽで逆流してきたものです。
空腹が原因の場合が多いので、食事を小分けにして与え、食事間隔が開きすぎないようにするといいでしょう。

ケース3.草を食べて吐く

犬が散歩中に草を食べて吐くこともよくあります。
吐き気をもよおしたり、胃酸過多で胸焼けを起こしたときなどに草を食べ、その刺激で胃の中に滞る食べ物や余分な胃酸を吐き出そうとしているのです。
体に悪い物を排出しようとする生理現象ともいえるので、繰り返さなければ問題ありません。

すぐに動物病院へ行くべき7つの吐き方

吐く原因で最も多いのは食べ過ぎによる急性胃炎ですが、嘔吐にはいろいろな病気が関連しており、時には消化器以外の病気の可能性もあります。
一過性のもので、繰り返さなければ心配はいりませんが、少しでも気になるサインが見られたら、すぐに動物病院へ行き獣医師に相談しましょう。

吐き方1.一過性の吐く

吐き方2.繰り返し吐く

吐き方3.腹痛を伴う

吐き方4.嘔吐物に血が混じっている

吐き方5.嘔吐物に異物が混じっている

吐き方6.嘔吐物が便の臭いがする

吐き方7.下痢、発熱、痙攣など、ほかの症状を伴う

吐き方1.一過性の吐く

一度吐いただけで他に下痢などの症状もなく元気な場合は、半日~1日絶飲食して、その後なにもなければ大丈夫でしょう。嘔吐への対応は、絶食と絶飲で様子を見ることが基本です。

吐き方2.繰り返し吐く

消化器系の病気、異物の誤飲、毒物による中毒、ウイルス性感染症などの疑いが。

吐き方3.腹痛を伴う

苦しそうに背中を丸めてうずくまっている時は、腹痛の可能性。

吐き方4.嘔吐物に血が混じっている

少量の血が混じっていたり、重い潰瘍や腫瘍では、出血で嘔吐物がコーヒー色になっていることも。

吐き方5.嘔吐物に異物が混じっている

おもちゃの破片や植物など、食事以外の異物が混入している場合は要注意。

吐き方6.嘔吐物が便の臭いがする

嘔吐物に便臭がする場合は、腸閉塞を起こしている疑いが。

吐き方7.下痢、発熱、痙攣など、ほかの症状を伴う

下痢、発熱、ショック症状など、嘔吐以外にも激しい症状を伴う場合は、極めて緊急性大。

注意! 食道にトラブルを抱える場合の「吐出としゅつ」とは

犬が吐く場合、そのほとんどは胃や小腸の内容物を戻す「嘔吐」ですが、なかには食道などに問題があり、食べたものが胃に到達する前に吐き出してしまうことがあります。

これを嘔吐と区別して「吐出」と呼んでいます。

こうした吐出を食事のたびに繰り返す場合は、食べたものが食道を通過できない原因(食道拡張症、腫瘍、異物など)があると考えられますので、動物病院で受診しましょう。

吐く原因となる7つの病気

由来する病気によっては吐く以外にも様々な症状を伴います。嘔吐以外の症状にも注意することが必要です。

1つ目.食事の問題

2つ目.胃内のトラブル

3つ目.小腸のトラブル

4つ目.腹腔内のトラブル

5つ目.代謝性疾患

6つ目.薬物や中毒性物質

7つ目.ウイルス性感染症

1つ目.食事の問題

急いで食べた、食事内容を急に変えた、異物を食べたなど。

吐物に混じる血液や異物に注意

2つ目.胃内のトラブル

胃炎、胃潰瘍、腫瘍、幽門部の狭窄、胃捻転、誤飲による異物など。

吐物に混じる血液や異物に注意

3つ目.小腸のトラブル

慢性腸炎、腸捻転、誤飲による異物、寄生虫など。

異物による腸閉塞が起これば緊急手術に

4つ目.腹腔内のトラブル

すい炎、腹膜炎、腫瘍など。

異物による腸閉塞が起これば緊急手術に

5つ目.代謝性疾患

腎不全、肝不全、糖尿病、副腎皮質機能低下症など、代謝性疾患に伴うもの。

「水をたくさん飲む」などの特徴的な症状も

6つ目.薬物や中毒性物質

農薬・殺虫剤・殺鼠剤などの薬物、ネギ類・チョコレート・毒性のある植物などの犬にとっての中毒性物質を口にしたことによるもの。

中毒物質によっては「痙攣」などの神経症状も

7つ目.ウイルス性感染症

犬パルボウイルス感染症、犬コロナウイルス性腸炎などの感染症によるもの。

「発熱」や「下痢」を伴うことが多く子犬はとくに要注意!


(ドクターズアドバイスペピイ2010年秋冬号掲載)

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