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あなたはどう向き合う?ペットロスコラム

4回目を迎えるこちらのコラム。今回は宝塚市にある満福寺の足立有里(智教)さんに、12年間ともに過ごした愛犬「リッキーくん」のお話と、修行を重ねる若き日を支えた愛猫「ねねちゃん」のお話をお伺いしました。

アジサイが咲く頃、穏やかな笑顔を想いだす

ラブラドール・レトリバーの「リッキー」が我が家にやってきてくれたのは、娘が卒園した春のことでした。知人宅に子犬が産まれて飼い主を探していると聞き、迎え入れることにしたのです。実は当時、ベティという先住犬を飼っており、不運にも娘犬を亡くして元気を失くしていたところでした。

元気で明るい子犬のリッキーが来てからというもの、ベティは甲斐甲斐しくお世話をするようになり、次第に元気を取り戻していきました。その姿にほっとしましたし、大きな体の割に水田の横を歩くのを怖がったり、水たまりがあると遠回りしたり、そんなリッキーは本当にかわいらしく皆の癒しでした。人懐っこくて穏やかな性格でしたので、出入りする方みんなにかわいがっていただき、檀家さんの中には散歩を申し出てくださった方も。

お話を伺ったのは

真言宗大覚寺派「満福寺」
足立有里(智教:ちきょう)さん
兵庫県宝塚市にある真言宗大覚寺派「満福寺」の住職であるご主人と二人三脚でお寺を切り盛りされているほか、地域に根差した行事にも従事されている。

▲ 明るく穏やかで、檀家さんやご近所の皆様にも愛されたリッキーくん。

しかし11歳を迎えた頃、ご近所でミツバチの飼育が始まり、その蜂が昼寝をしていたリッキーの耳にたびたび入ってしまったのです。追い払おうとしては刺されたようで、耳の中が化膿し、皮膚トラブルを起こすようになりました。獣医師の往診と飲み薬を続けましたが、改善はみられず、次第に衰弱して……12歳まであと1ヶ月という2012年11月28日早朝に旅立ってしまいました。

子どもたちは学校を休んで主人と荼毘にふし、私は出先の奈良・東大寺で手を合わせました。檀家さんには「あまり故人に執着してはいけないよ」「1周忌までに納骨しましょう」と言うのですが、リッキーに対しては「もっとできることがあったのでは」という後悔から納骨を決意するまで時間を要し、しばらくはそこから抜け出せませんでした。

ようやく家族みんながそろった2年目のゴールデンウイーク、新緑の美しい朝に、境内の一角へと埋葬してリッキーの明るい笑顔のようなアジサイを植えました。それから間もなくして、主人がアキレス腱を切ってしまい、それが完治すると同時に父の在宅介護が始まり……次々と課題が与えられる中、いつしかリッキーを失った悲しみから立ち直ることができていました。「人間が経験させていただくことにはすべて無駄がない」と感じたことを覚えています。

▲ ボール遊びが大好きだったリッキー君。若い頃とシニアの頃のお写真。

何年経っても愛情があふれだす、もう一つの絆

もう一つ、忘れられないエピソードがあります。それは、愛猫「ねね」の思い出です。
21歳の頃、私は大覚寺で1年間の修行をしていました。そして、あと2ヶ月で終わるという時、門前で1匹の猫と出会ったのです。当時、修行僧の中に尼僧は1人で、私の部屋は皆から離れた門部屋でした。修行僧の身でしたが、捨て猫をそのままにしておくことができずこっそりと飼い始めることに。もちろん自由に餌を買いに行ける身ではありませんでしたから、味噌汁に使った煮干しや残してはいけないご飯を袖に忍ばせて持ち帰っては与えていましたね。

部屋にいると、ねねは膝の上に乗ってじっと私の顔を見上げてくれました。そのあたたかいまなざしを見ると、厳しい修行の辛さからぽろぽろと涙がこぼれたものです。ねねは落ちる涙をそっと舌で拭いて、ずっと見守ってくれました。「すごい猫ね、あなたは感情をくみ取れるのね」と驚きましたし、気持ちの通わせ方は人以上だったと思います。

その後、さらなる修行のため1年間友人に預かってもらいましたが、再び引き取った時も、ねねは私を忘れておらず甘えるようにすり寄ってきてくれました。母性の強い子で、最後は孫猫を守るために野良猫と格闘して6歳という若さで天国へ。人間である私のことも見守ってくれたほど、心の深い子でした。修行中の大きな支えになってくれたという想いが強く、何年も経った今もこうして涙がこぼれてしまいます。

仏教では、生を受けた瞬間から死に向かう生老病死を「四苦」と捉えますが、だからこそいかに前向きに生きるかが大切なのです。飼い主さんが涙を流してばかりでは、天国に旅立った子は心配で成仏できません。お友だちにお話してみたり、趣味を楽しんでみたり、「もうペットは飼わない」と頑なにならず、もしご縁のある子がいたらどうぞ迎えてあげてください。元気で明るく過ごすことが一番の供養になるはずです。再びペットに癒されて笑顔で過ごされる姿を見て、天国に旅立った子もきっと安心してくれるでしょう。

▲ マグカップやマグネットは、足立さんのお友だちが命日にプレゼントしてくれたそう。

このコラムについて

『 あなたはどう向き合う? ペットロス 』
かけがえのない存在を失った時、私たちはどうしたらいいのでしょうか。気持ちの変化やその時の心境を、さまざまな方の声を通して、一緒に考えていこうというコラムです。

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プロフィール

飼い主さんたちにお話を伺いながらペットロスについて考えます。