前回お話をお聞きした「DEARPET(ディアペット)」が大阪にもあると聞き、さっそく大阪店の店長を務める荒木奈緒美さんに、大阪店の特長やこのお仕事を選ばれた理由、ペットロスを乗り越える工夫などをお聞きしました。

お話を伺ったのは…

ディアペット大阪店 店長 荒木奈緒美さん
ペット仏壇・仏具業界でシェアNo.1の「DEARPET(ディアペット)」大阪店の店長を務める。動物葬祭ディレクター2級取得。生まれた時から20匹ほどの猫や犬に囲まれて育ち、3年半前には最愛の猫はっぴーちゃんを見送った経験を持つ。

悲しむ時間の長さは自分のタイミングで

10年間でのべ8万人のペット供養をサポートしてきたDEARPET(ディアペット)。2年前に北堀江から天満橋へと移転した大阪店には、平日からたくさんのお客様がお越しです。

「大阪ならではかもしれません」とお話しくださったのは、ディアペット大阪店で店長を務める荒木奈緒美さん。大阪店では、ごく自然にお客様同士の会話が生まれているそうです。「先ほどもミニチュアダックスフンドちゃんを亡くされたお客様とお話をしていたのですが、後から来られたお客様が”ワンちゃん?”とお聞きになって。そこで”お二方ともダックスちゃんですね”とひと言そえたら、どんどん会話が広がっていきました」。お話をされなくても、同じ空間に同じ気持ちを抱える方がいるだけでホッとするというお客様が多いそうです。そして中には仏具を選びながら涙を流されるお客様もいらっしゃるとか。「最初は堪えていらっしゃるのですが、お話をされているうちにパッと涙を流されるんです。外ではペットの話ができないという方、家ではご家族の悲しみを受け止める役回りの方、もう何年も悲しみを抱えていらっしゃる方など状況はさまざま。悲しみの深さや時間の長さは人それぞれですから、ゆっくりと癒やしていかれたら良いと思います」。

大阪店では、スタッフと思い出を語り合うことも、仏壇・仏具について相談することも可能です。「”四十九日で納骨しなくちゃだめかしら”と泣きながらご相談くださる方もいらっしゃいます。ここでも、大切なのはご自身のタイミング。悲しくて仕方ないのに手放す必要はありません。仏具もご自身が必要だと感じるものを必要なだけ用意されたら良いのです」と優しく語る荒木さんも3年半前に愛猫はっぴーちゃんを亡くされています。

 
 

とことん泣いたらチカラが湧いてきた
~荒木さんの場合~

「ロシアンブルーによく似た、食べるのも遊ぶのも大好きな女の子でした。膝の上が定位置で、寝る時はいつもおなかの上に。新しい猫ちゃんがくるとお世話をしてくれましたし、仲の悪い猫同士がいるとその間に入って寝ることも。場を和ませてくれるあの子を溺愛していました」。食いしん坊だったはっぴーちゃんが突然食欲をなくしたのは3歳の頃。「動物病院でさまざまな検査を繰り返し、最終的にはFIPの検査をすることになりました。検査と同時に治療を始めましたが、腹水が溜まり始めてFIPだと確定。
はっぴーはみるみるやせ細り、ムチムチだったお尻はガリガリに。シリンジをかみ砕くほど抵抗した力もどんどん衰えていき・・・・・・2週間もなかったと思います。”桜を見るまで頑張ろう”と励ましていましたが、3月23日に旅立ってしまいました」。最愛のはっぴーちゃんを亡くした荒木さんは、記憶が定かでないほどパニック状態に陥ったそうです。

「少しおかしくなっていたと思います。どうしていいのかわからず、ただただ骨壺を抱えてろうそくの炎を見つめる毎日でした。他にも猫がいたのでペット用品を買いに行くのですが、おやつのコーナーに入ると立ちすくんでしまって。”あの子が好きだろうな。でも食べられないんだ”と思うと本当に苦しくて・・・・・・そんな状態が1ヶ月以上続きました」。とことん泣いて、とことん泣き暮れたある日、”もう前を向くしかない”という気持ちが芽生えたと続けます。「きっかけのような出来事はありませんでしたが、ふと”こんな姿ははっぴーに見せられない”、”この子がいるから頑張らなきゃ”と思い立ち、仕事探しを始めました。その時、手にしたのがディアペットのチラシです」。ペット仏具を探していたのもあって軽い気持ちでのぞいてみると、とんとん拍子に話が進んで採用になったというから驚きます。「はっぴーを亡くしたのが3月末、ディアペットに採用されたのが8月末ですから、本当に導かれたと思っています」。今でも毎朝欠かさずはっぴーちゃんの写真に向かって”最高な猫やね”と声をかけている、と笑顔を見せてくださいました。

 
 

あの子の遺品がいのちを救う
~いのちのバトンプロジェクト~

最愛のペットを失うと、どんなに時間が経っても”あの時こうしてあげられたら”という後悔や”もう一度会いたい”という思いは消えないもの。荒木さんは「悲しみは愛情がこぼれているものです。今まで受け止めてくれた存在がパッと目の前から存在がなくなってしまって、心からあふれてしまうもの。とても大切な感情ですから、泣きたい時は泣いて、ゆっくりで構わないので少しずつ笑顔になっていただけたらと思います」とメッセージをくださいました。

ディアペットでは、亡くなった子たちのペットシーツやフードを集めて保護犬、保護猫シェルターに寄付する『いのちのバトンプロジェクト by DEARPET』という活動をされています。ご協力された方からは、
「愛犬の旅立ちを見送り1ヶ月を迎えようとしています。まだまだ悲しみや辛さを乗り越えることはできませんが、一つの区切りとして愛犬に使うことが出来なくなってしまった品々を役立てていただけるのであればと、手放すことにしました。物資を必要としている保護犬の元へお届けいただければ幸いです。私たちも、今後保護犬のために少しでも活動ができればと思っています」 「今回旅立った子は、尿石症でオペし、療養食でした。療養食の合間のおやつが楽しみでした。食べずに旅立ってしまいました。どうぞ、必要なネコちゃん達が、おなかいっぱい幸せでありますように」と未来にかける思いが次々に寄せられています。
 



大切なペットを失った時、自分一人で悲しみを抱え込まずに、思いを共有できる場所を訪れてみたり、かわいらしいろうそくやお盆用品を選んでみたり。あの子を思う時間がきっと心に力を与えてくれるはずです。そして、あの子の遺したシーツやフードでいのちのバトンができれば、笑顔への一歩が踏み出せるかもしれません。

 

 
 
 

 


『ディアペット大阪店』
住所:大阪府大阪市都島区片町1-6-7
TEL:06-6948-6490
営業時間:12~17時
定休日:木曜日 
  

 

このコラムについて

『 あなたはどう向き合う? ペットロス 』
かけがえのない存在を失った時、私たちはどうしたらいいのでしょうか。気持ちの変化やその時の心境を、さまざまな方の声を通して、一緒に考えていこうというコラムです。