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愛猫のおしっこで健康チェック!健康な猫はどんなおしっこ?おしっこのトラブルサインもご紹介

愛猫のおしっこで健康チェック!健康な猫はどんなおしっこ?おしっこのトラブルサインもご紹介

慢性腎不全をはじめとして、猫は泌尿器疾患の発症率がとても高い動物です。そんな泌尿器疾患の早期発見・早期治療のために大切なのが愛猫のおしっこチェック。

まずは正常なおしっこを正しく知ることで、万一の際のトラブルサインに一日でも早く気が付けるようにしておきたいものですね。ここではそんな猫のおしっこについて、詳しくご紹介します。

1.正常な猫のおしっこは?

正常な猫のおしっこは?

まずは、健康体で正常な猫のおしっこを確認しておきましょう。

回数 

猫の平均的なおしっこの回数は、1日に2~3回です。子猫の場合は1日に4~5回ほどと多い傾向にありますが、成猫で5回以上だと多いと言えるでしょう。

量  

猫のおしっこの量は、体重1Kgにつき20~40㎖/日が目安とされています。例えば体重が3Kgの猫の場合120mlが一日の尿量の目安となるため、それ以上の場合は多尿の傾向にあると言えるでしょう。

色  

個体差はあるものの、一般的に正常な猫のおしっこは薄い黄色をしています。それが薄すぎたり、反対に濃い・濁っているなどの状態は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

におい

独特なアンモニア臭がしますが感じ方はさまざまあるため、日頃から愛猫のおしっこのにおいを把握しておくことが大切です。いつもと違うにおいも気になりますが、においがなくなった場合も、尿の濃度が薄くなっている可能性があるため要注意です。

2.おしっこの異常が症状として出る病気

おしっこの異常が症状として出る病気

猫のおしっこの異常が症状として現れる病気はさまざまあります。その量や色など、それぞれどのような異変が起こるのかをチェックしておきましょう。

腎盂腎炎

腎臓と尿管をつないでいる猫の「腎盂(じんう)」が炎症を起こす病気。おしっこの通り道となる尿路の細菌感染や、膀胱に細菌が発生しておこる「膀胱炎」が原因となることがあります。

~おしっこはどうなる?~
多飲多尿やおしっこが濁る、においが強くなるなどの異変が見られます。その他にも、発熱・食欲や元気の低下などの症状があらわれることがあります。

急性腎不全

数時間から数日ほどの短期間で腎機能が低下する病気。命を落としてしまうケースもあり、一刻も早い救急治療が必要となります。

~おしっこはどうなる?~
急激におしっこの量が減少し、全く出なくなることもあります。その他、食欲不振や下痢・嘔吐・脱水などの症状も見られます。

慢性腎不全

数カ月~数年ほどの長い時間をかけて、徐々に腎機能が低下していく病気。猫においては発症率が非常に高いものですが、初期段階ではほとんど症状が現れないため、早期発見が難しい病気とも言えます。

~おしっこはどうなる?~
多飲多尿になり、色の薄いおしっこが出ます。さらに進行すると、 食欲や体重の減少・嘔吐・貧血・口内炎などの症状が見られます。

膀胱炎

膀胱内粘膜に炎症が起きることにより、おしっこの異変や排尿時の痛みなど、さまざまな症状が出る病気。環境性や心因性のストレスが引き金となる特発性膀胱炎や、細菌感染・結石などが原因で起こるものが代表的です。

~おしっこはどうなる?~
1回の量が少ないが頻繁にトイレに行くようになったり、おしっこしようとしているにもかかわらず出ないといった様子が見られます。他にも、おしっこの色が白っぽく濁ったり血液が混じったような色になることも。また、においがいつもよりも強くなることもあります。

尿石症(尿路結石症)

尿石症(尿路結石症)とは、リンやマグネシウム・カルシウムなど、尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、腎臓・尿管・膀胱・尿道などの泌尿器で結石となることで、さまざまな症状を引き起こす病気。栄養バランスの偏りや水分不足などによって、おしっこのpHバランスがくずれてしまうことが原因となります。

3.日常的におしっこチェックを

日常的におしっこチェックを

おしっこから健康状態を把握するためには、まずは愛猫にとっての“いつもの”おしっこを把握しておくことが大切です。

おしっこの量や色

システムトイレを使用している場合は、あえて下の段にシートなどを敷かない日を作り、定期的におしっこの量や色を確認しましょう。

猫砂を使用している場合は、排尿時にビニール製のものをお尻の下に敷くと、そこでおしっこを採ることができます。また、排尿後に固まった猫砂の大きさを定期的にチェックすることで、1回の排泄量のチェックもできるでしょう。

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排尿時の様子

おしっこそのものだけではなく。どのような様子で排尿しているかを確認することも大切です。おしっこしたいのに出せない、痛そうに鳴いているなどの異変を感じたら、何かしらの病気が隠れている可能性があります。

4.まとめ

泌尿器疾患の発症が多い猫ですが、初期では目立った症状がないケースも多々あります。おしっこはそのサインをいち早くキャッチすることのできる、重要な情報源。
愛猫の一日でも長い健康寿命のために、定期的な“おしっこチェック”をぜひ心がけてください。

監修いただいたのは…

2018年 日本獣医生命科学大学獣医学部卒業
成城こばやし動物病院 勤務医
獣医師 高柳 かれん先生

数年前の「ペットブーム」を経て、現在ペットはブームではなく「大切な家族」として私たちに安らぎを与える存在となっています。また新型コロナウィルスにより在宅する人が増えた今、新しくペットを迎え入れている家庭も多いように思います。
その一方で臨床の場に立っていると、ペットの扱い方や育て方、病気への知識不足が目立つように思います。言葉を話せないペットたちにとって1番近くにいる「家族の問診」はとても大切で、そこから病気を防ぐことや、早期発見できることも多くあるのです。
このような動物に関する基礎知識を、できるだけ多くの方にお届けするのが私の使命だと考え、様々な活動を通じてわかりやすく実践しやすい情報をお伝えしていけたらと思っています。

成城こばやし動物病院 獣医師 高柳 かれん先生

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