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【獣医師監修】犬の認知症の症状とは?予防のコツや介護方法も解説

【獣医師監修】犬の認知症の症状とは?予防のコツや介護方法も解説

私たちの日常でよく耳にする「認知症」。実は犬もこの認知症になることがあるんです。犬が認知症になったとき、どのような症状が見られるのでしょうか。
その行動例や認知症の予防法をご紹介します。

目次

  1. 犬の認知症(痴呆)とは?

    • 認知症の症状

    • 認知症チェックリスト

    • 病院に連れていくタイミング

  2. 認知症の原因と予防策

    • 予防策①.不飽和脂肪酸を摂取する

    • 予防策②.抗酸化作用のあるものを摂取する

    • 予防策③.脳に刺激を与える

    • 予防策④.筋力を維持する

  3. 認知症になりやすい犬は?

  4. こんな症状がでたら要注意

    • 首が傾き嘔吐する

    • 痙攣や硬直を繰り返す

  5. 認知症の治療法

  6. 寄り添いながら、できる範囲でのケアを

  7. まとめ

1.犬の認知症(痴呆)とは?

犬の認知症(痴呆)とは?

犬の認知症は、老化や脳梗塞・脳出血、栄養障害などによって認知機能が低下し、行動の異変となってあらわれる進行型の障害です。

発症しやすいのは11~12歳を過ぎるころからといわれていますが、生涯発症しない犬もいます。また、しっかりとしつけられている犬でも認知症になってしまう可能性はあり、認知症としつけとの関連性はないといわれています。

認知症の症状

認知症にはさまざまな症状がありますが、これまで習慣としていた生活パターンやルールが守れなくなったり、睡眠や行動にも変化が出てきます。
愛犬の行動で気になるものはありませんか?

認知症チェックリスト

ごはんを何度も食べたがる

昼寝が多いが夜は寝ない

意味もなく吠える、単調な声で鳴き続ける、夜鳴きをする

狭いところに入りたがり、入って身動きが取れなくなる

同じ場所で円を描くようにグルグルと歩きまわる

飼い主の呼びかけに反応しなくなる

排泄ルールなど、身についていたはずの習慣ができなくなる

病院に連れていくタイミング

あきらかにこれまでと様子がおかしかったり、前述のチェック項目に当てはまるものがあれば、なるべく早く動物病院へ連れていきましょう。
認知症そのものを根治させることは残念ながらできませんが、症状を和らげたり進行を遅らせる治療は可能です。

シニア犬だから仕方ない…などと放置することなく、早い段階で獣医師に相談しながら、愛犬のより健康なシニアライフに寄り添っていきましょう。

2.認知症の原因と予防策

認知症は、老化や脳の疾患などによって脳神経細胞が衰えることによる、自律神経機能の低下が原因といわれています。
愛犬が長生きすれば老化は仕方のないもの。でも、年を重ねる中でも認知症を予防する対策はあります。飼い主にはどのようなことができるのでしょうか。

犬の認知症予防策

予防策①

不飽和脂肪酸を摂取する

不飽和脂肪酸の多く含まれる、いわし・さばなどの青魚や、まぐろ、かつおなどは認知症予防に効果があります。これらを多く含んだフードもありますが、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのサプリメントで補うことも可能です。

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予防策②

抗酸化作用のあるものを摂取する

抗酸化作用のある食品も、認知症予防に有効です。例えばブロッコリーやにんじんなどの緑黄色野菜や、オリーブオイル、ゴマなどをごはんのトッピングにしてあげると良いでしょう。サプリメントではビタミンCやビタミンE、セレニウムなどに抗酸化作用が期待できます。

予防策③

脳に刺激を与える

頻繁に声をかけてあげたり、日光を浴びながらおもちゃで遊んであげるなど、愛犬の脳に良い刺激を与えることは認知症予防につながります。
また、マッサージも非常に効果的。手足やおなかなどをやさしくマッサージしてあげることは飼い主とのコミュニケーションも増して、より予防効果が期待できます。

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予防策④

筋力を維持する

定期的なお散歩や運動によって筋力を維持することも、認知症予防には大切なポイント。筋力へのアプローチだけでなく、外に出て自然に触れたり他の犬とコミュニケーションをとることも、脳への刺激となって非常に効果的です。

3.認知症になりやすい犬は?

加齢以外を理由として、認知症になる傾向が高いといわれている犬が“日本犬系の犬” です。

日本犬は元来、魚主体の食生活を送ってきたため、魚由来の不飽和脂肪酸を多く必要とします。しかし現代のドッグフードではその必要量を摂取することができず、血中の不飽和脂肪酸量が低下し認知症になりやすいといわれています。しかしもちろん、これらの犬が必ずしも認知症になるわけではなく、反対に該当しない犬でも認知症になる可能性はあります。

4.こんな症状がでたら要注意

認知症のような行動とあわせて以下のような症状がみられたら、他の病気が隠れているかもしれません。
すぐに動物病院で診察を受けましょう。

首が傾き嘔吐する

首が片方に傾いたままになる、「斜頸(しゃけい)」といわれるものです。しっかりと立つことができず転んでしまったり、嘔吐をともなうことがあります。内耳炎、脳炎、脳腫瘍などを発症している可能性があるでしょう。

痙攣や硬直を繰り返す

突然のけいれんや体の硬直、意識障害を引き起こす、「てんかん」の発作が考えられます。脳炎などの病気や外傷によって脳になんらかの影響が出ている可能性があります。

5.認知症の治療法

認知症の治療法

残念ながら認知症を完治させるような治療はありませんが、内服薬やサプリメントを使って進行を遅らせたり、鎮静剤の投与によって一時的に症状を落ち着かせることは可能です。
対処療法にはなりますが、愛犬が認知症になった時、やはり飼い主の負担は非常に大きいもの。その負担を少しでも軽減させるためにも、こういった治療も取り入れていきましょう。

6.寄り添いながら、できる範囲でのケアを

寄り添いながら、できる範囲でのケアを

認知症の症状によるさまざまな変化は対応に困ることもあるかもしれませんが、愛犬、そして飼い主が少しでも心穏やかに過ごせるよう、できることから工夫をしていくのがおすすめです。

ごはんを何度も要求してきたり排泄に失敗をしてしまっても、怒ることなく受け入れてあげましょう。飼い主を忘れてしまったことによって、威嚇をしてくることもあるかもしれません。そんな時は、少し距離をとってやさしく声掛けをしながらコミュニケーションをとるようにします。

また、思うように身動きが取れなくなるケースもあるため、部屋の角や家具などにクッション材を施すなどして、愛犬がけがをしないようにすることも大切です。

7.まとめ

まずは日常からできる予防を。
そしてもしも認知症の兆候のようなものが見られたら、できるだけ早く獣医師へ相談しましょう。
家族としてともに過ごしてきた愛犬と、この先もお互いストレスなく暮らしていきたいものですよね。変わらぬ愛をもって、いろいろな工夫をしながら寄り添っていきましょう。

監修いただいたのは…

2018年 日本獣医生命科学大学獣医学部卒業
成城こばやし動物病院 勤務医
獣医師 高柳 かれん先生

数年前の「ペットブーム」を経て、現在ペットはブームではなく「大切な家族」として私たちに安らぎを与える存在となっています。また新型コロナウィルスにより在宅する人が増えた今、新しくペットを迎え入れている家庭も多いように思います。
その一方で臨床の場に立っていると、ペットの扱い方や育て方、病気への知識不足が目立つように思います。言葉を話せないペットたちにとって1番近くにいる「家族の問診」はとても大切で、そこから病気を防ぐことや、早期発見できることも多くあるのです。
このような動物に関する基礎知識を、できるだけ多くの方にお届けするのが私の使命だと考え、様々な活動を通じてわかりやすく実践しやすい情報をお伝えしていけたらと思っています。

成城こばやし動物病院 獣医師 高柳 かれん先生

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