【専門家監修】猫のおやつの必要性は?与え方や子猫のおやつについて解説
今ではスーパーや専門店でさまざまな種類を見かける猫のおやつ。おやつを選ぶ楽しみや、与える喜びを感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。ここではそんな猫のおやつについて、与え方やその量、そもそもの必要性などを詳しく見ていきましょう。
今ではスーパーや専門店でさまざまな種類を見かける猫のおやつ。おやつを選ぶ楽しみや、与える喜びを感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。ここではそんな猫のおやつについて、与え方やその量、そもそもの必要性などを詳しく見ていきましょう。
猫にとっておやつは必ず与えなければいけないものではありません。
総合食のキャットフードでしっかりと栄養を摂取することができていれば、健康面におけるおやつの必要性はないでしょう。
しかし、猫におやつを与えることによって生まれるメリットもあります。
猫のおやつはそのメリットを上手に活かしながら、猫と飼い主さんの生活を豊かなものにしていく”ツール”として活用することができます。
メリット①
マイペースを好む猫とはいえ、飼い主さんとコミュニケーションを図りながら信頼関係を築いていくことはとても大切です。そんな愛猫と飼い主さんとの絆を作るのに、おやつは欠かせないアイテム。大好きなおやつをもらうことで飼い主さんという存在がより魅力的なものになり、やがてそこには確かな愛情や信頼が生まれます。
メリット②
元来、猫は“狩りをして食事に至る”という習性を持つため、おもちゃなどで遊んだ後などにおやつを食べることは猫の本能を満たし、ストレスケアにつながると言えます。
メリット③
猫によく見られる食べムラや体調が思わしくないときの食欲不振など、思うように食事がとれないときの促進材となることがあります。猫の嗜好性に合わせて作られているおやつは、フードよりも香り高く風味も強いため、いつものフードに少量混ぜることによって食が進むことも。
また、その高い香りなどによって薬を混ぜても気が付きにくいということもあるため、スムーズに薬を飲んでほしいときに活用することもできます。
生後3~4ケ月未満の子猫は消化器や歯がしっかりと形成されていないため、おやつは与えないようにしましょう。
それ以降になるとおやつはNGではありませんが、健康な体をつくるうえでもこの時期に摂取する栄養素は非常に大切であるため、与えるのは食欲促進などの必要性があるときのみ。基本的には子猫用のフードのみを与えることを心がけます。
愛猫の喜ぶ姿がかわいくて…などと、つい与えすぎてしまうことのないよう、その量には十分注意をしましょう。おやつを食べ過ぎることによって、本来食べるべきフードが食べられなくなり栄養に偏りが生じたり、肥満への危険性が高まる可能性も。
健康のためにも欲しがるままに与えるようなことはせずに、おやつの量は飼い主さんがしっかりと管理をしましょう。
Point①
おやつの量は、猫が1日に必要とするエネルギー量の20%以内にすることが望ましいとされています。猫の月齢や体重・運動量などによって変わり、飼い主さんでは算出も難しいため、定期的に獣医師へ相談をしながら、1日に与えるおやつの最大量を決めておきましょう。
1日分の量が決まったら、あらかじめ1日分ずつ小分けにしておいたり、毎朝1日分のみ出しておくなどの工夫をすることで、飼い主さんもしっかりと量を守ることができます。
Point②
猫のおやつはそのメリットをしっかりと理解したうえで、目的を持って与えることが大切です。決してやみくもに与えるようなことはせずに、飼い主さんの中でしっかりと目的を意識しながら、必要なときに必要な分だけを与えるようにしましょう。
Point③
猫にとって人間の食事は塩分や糖分が高いため、その過剰摂取が内臓へ大きな負担をかけてしまいます。また、ネギやチョコレートなどをはじめ、人間の食べ物の中には猫にとって毒性の高いものが多いため、与えることはとても危険です。
たとえ猫が欲しがったとしても、人間の食べ物は与えないようにしましょう。
生きていくうえでの栄養素としてはマストアイテムではないおやつですが、飼い主さんとのコミュニケーションをはじめ、うれしいメリットがさまざまある猫のおやつ。
飼い主さんが目的をしっかりと持ったうえで、愛猫との豊かな暮らしのためのツールとして上手に活用してください。
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監修いただいたのは…
東京農業大学 農学部動物科学科 動物行動学研究室 教授 内山 秀彦先生
麻布大学 動物応用科学専攻修了(博士)
ヒトと動物の関係学会 常任理事
主な専門は「ヒトと動物の関係学」。
特にアニマルセラピーによる癒やしのメカニズムや猫と人との関係について研究している。