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猫の爪切りってどうやるの?初心者でも簡単に切れるコツや嫌がる猫ちゃん対策を獣医師が紹介!!

猫の爪切りってどうやるの?初心者でも簡単に切れるコツや嫌がる猫ちゃん対策を獣医師が紹介!!

猫を散歩させる方は少なく、室内飼いをされている方が多いでしょう。散歩をさせているといっても、カートを使って外に連れ出すケースが多く、自分で歩かせているケースは非常にまれです。
外を歩かせる場合、猫の爪は地面ですれて適度な長さに保たれますが、室内の猫はほぼ100%飼い主さんが爪のケアをしなければなりません。
しかし、いざ爪を切ろうとしても暴れたり痛がったり。

そこで今回は、猫の爪を切る方法やポイントをご紹介します。
猫の爪は定期的に整えてあげないとケガの原因になりますので、必ず切ってあげてください。

目次

  1. 猫の爪切りってそもそも必要?

  2. 猫の爪を伸ばしたままでは危険!考えられるリスクや病気は?

  3. 猫の爪切りの方法と簡単に切れる4つのステップ

    • ステップ1.ごほうびを用意する

    • ステップ2.ごほうびを食べているか確認して、足先を持つ

    • ステップ3.ごほうびに集中していたら、肉球を押して爪を出す

    • ステップ4.血管を確認して、その2ミリ先ぐらいを切る

  4. 猫の爪切りの頻度は1か月に1回でOK

  5. 嫌がる猫の爪切りを成功させるコツ

    • ポイント1.活発な時間帯は避ける

    • ポイント2.先にごほうびを与える

    • ポイント3.1回ですべての爪を切ろうとしない

    • ポイント4.足へのタッチに慣れさせる

  6. おすすめの爪切りグッズ

    • ハサミ型の猫の爪切りのメリットと扱いやすいさ

    • ギロチン型の猫の爪切りのメリットと利用シーン

  7. どうしてもうまく切れない時は病院へ

  8. まとめ

1.猫の爪切りってそもそも必要?

外で暮らす猫は、木に登ったり獲物を捕らえたりと生活の中で爪を使う機会があるため、爪が適度な長さに保たれています。しかし、室内で暮らす猫は、木登りや狩りをする必要がなく爪が伸びてしまいます。
爪を伸びたまま放置すると、家具を傷つけたり、ご家族がケガをしてしまったり。巻き爪になって、猫が痛い思いをすることもあります。

また、爪とぎと爪切りは役割が違います。
爪とぎは、古い層をはがして爪をとがらせる役割。爪切りのように先のとがった部分を切り落とすことはできません。爪とぎも爪切りも必要です。爪とぎができる場所や物を用意したうえで、爪切りをしましょう。

高齢になると、猫は自分で爪とぎができなくなるケースがあります。爪とぎができないと、爪が太くなり、伸びてしまい、歩きにくくなります。高齢になって急に爪切りをしようとしても、猫には大きなストレスです。子猫のうちから爪切りの練習をしておきましょう。

2.猫の爪を伸ばしたままでは危険!考えられるリスクや病気は?

猫の爪を伸ばしたままにすると、家具を傷つけるだけでなく、猫自身にもさまざまなトラブルが発生してしまいます。

<猫の爪を伸ばしたままにするリスク>
● 巻き爪になって肉球に食い込んでしまう
● 爪が折れたり、割れたりする
● 爪が何かに引っかかってケガをする

飼い主にも「猫ひっかき病」や「パスツレラ症」にかかってしまうリスクがあります。
子猫のうちからきちんとケアしておきましょう。高齢の猫は爪とぎの頻度が減るため、伸びすぎないようにしっかりお手入れすることが大切です。

~猫ひっかき症とパスツレラ症~

猫ひっかき病もバスツレラ症も感染症です。
猫ひっかき病は、猫に引っかかれたところから菌が進入し、赤く腫れあがってしまい、ひどい場合は発熱や倦怠感、関節痛、吐き気を引き起こします。
バスツレラ症は、鼻や喉の違和感をはじめ、持病の重症化につながるケースがあります。

3.猫の爪切りの方法と簡単に切れる4つのステップ

  • ステップ1.ごほうびを用意する
  • ステップ2.ごほうびを食べているかどうか確認して、足先を持つ
  • ステップ3.ごほうびに集中していたら、肉球を押して爪を出す
  • ステップ4.血管を確認して、その2ミリ先ぐらいを切る

ステップ1.ごほうびを用意する

猫が大好きなフードやおやつをフードボウルなどの容器に入れて、なめさせます。

ステップ2.ごほうびを食べているか確認して、足先を持つ

ごほうびを食べているかどうか確認したら、猫の横に回りましょう。利き手に爪切りを持ち、反対の手で足先を持ちます。この時、猫が足を蹴り上げるような自然な方向に肉球を向けます。

ステップ3.ごほうびに集中していたら、肉球を押して爪を出す

ごほうびに集中している様子を確認したら、指で肉球を押して爪を出しましょう。嫌がるそぶりを見せたらすぐに足を離し、ごほうびの残量をチェック。ごほうびは小まめに追加してください。

ステップ4.血管を確認して、その2ミリ先ぐらいを切る

爪の根本にあるピンク色の部分から1~2ミリほどを残して切ります。ピンク色の部分には血管と神経が通っています。誤って切ってしまうと、痛みと出血があるので注意しましょう。
猫の爪が伸びるとともに、血管と神経が伸びてしまいます。人間の場合は、爪を伸ばしすぎたとしても不衛生で済みますが、猫の場合は血管と神経まで切ることになってしまいますので、定期的に爪は切ってあげてください。万が一、血管や神経を切ってしまった時は、市販の止血剤を使うか、心配な場合は動物病院に連れて行きましょう。

4.猫の爪切りの頻度は1か月に1回でOK

猫の爪切りの頻度は1か月に1回でOK

あくまで目安ですが、猫の爪切りの頻度は1か月に1回程度になります。
爪の伸びる速さは猫によって異なるので、伸びるのが速い猫や爪とぎの頻度が減る高齢猫はもう少し短いスパンで爪を切ってあげる必要があります。

5.嫌がる猫の爪切りを成功させるコツ

足先や爪はとてもデリケートな部分なので、さわられるのが苦手な猫が少なくありません。次のポイントを抑えて、愛猫がストレスなく爪切りできるように練習しましょう。
爪切りを怖がらないように、ふだんから足にさわられることに慣らしておきましょう!

  • ポイント1.活発な時間帯は避ける
  • ポイント2.先にごほうびを与える
  • ポイント3.1回ですべての爪を切ろうとしない
  • ポイント4.足へのタッチに慣れさせる

ポイント1.活発な時間帯は避ける

落ち着いてまったりしている時に爪切りしましょう。
元気に遊んでいる時間帯は興奮しやすく、もし無理に体を抑えてしまうと、なおさら爪切りが苦手になってしまいます。興奮しやすい猫の場合は、体全体をバスタオルで包んだり、ネットに入れたりすると、大人しくなる場合があります。

ポイント2.先にごほうびを与える

まずはごほうびを与えて、リラックスさせましょう。先に爪切りを見せると警戒心を持ってしまい、爪切りをスタートできない場合があります。

ポイント3.1回ですべての爪を切ろうとしない

嫌がる場合は1回1本の爪でも構いません。一気にすべての爪を切ろうとせず、飼い主さんと愛猫のペースでゆっくり慣れていきましょう。

ポイント4.足へのタッチに慣れさせる

日常のスキンシップの中で、足へのタッチに慣れさせていきましょう。まずは、猫が喜ぶような首、背中、胸など、猫が自分でなめてお手入れできないところからスタート。ごほうびを与えながら進めるのも効果的です。少しずつ足に近づいて、揉んだり、肉球を押し広げたりしてみましょう。上手にできたらしっかりほめてあげてください。

※注意※
一度嫌なイメージがつくと、お手入れが嫌になることもあります。
無理に引っ張ったり、愛猫を力ずくで抑え込んだりすることは避けてください。

6.おすすめの爪切りグッズ

人用の爪切りで切ると猫が痛がったり、割れてしまったりすることがありますので、猫用の爪切りを使ってください。猫用爪切りにはこのような種類があります。

ハサミ型の猫の爪切りのメリットと扱いやすいさ

  • 文房具のハサミと同じ仕様なので、初めての方も扱いやすいのがハサミ型です。半円状にくぼんだ刃先に爪を当ててカットします。柔らかい子猫の爪に適している一方、硬い成猫の爪はやや抵抗感が生まれてしまうため嫌がられる場合があります。

  • ハサミ型の猫の爪切りのメリットと扱いやすいさ

ギロチン型の猫の爪切りのメリットと利用シーン

  • 均等に力がかかって、スパッと切れるのがギロチン型。硬い爪が一瞬で切れて、爪も割れにくいのがメリットです。動物病院ではギロチン型を使用しているところが多いでしょう。
    ただし、ギロチンの穴は成猫に合わせたサイズなので子猫は深爪になる可能性があります。

  • ギロチン型の猫の爪切りのメリットと利用シーン

猫の爪切りの一覧はこちら

7.どうしてもうまく切れない時は病院へ

愛猫が暴れて嫌がってしまい、どうしても爪切りできない場合があります。
無理をして失敗してしまうと、愛猫が爪切りをさせてくれなくなったり、 飼い主さんとの信頼関係を損なってしまったりする原因に。愛猫が嫌がって暴れる場合は、足先をさわる練習からスタート。
決して無理はせず、かかりつけの動物病院に相談しながら、徐々に慣れさせていきましょう。

8.まとめ

猫は爪が長くなって違和感を抱くと、歯でかじるようになります。まれに小さな傷口から菌が入って「爪囲炎(そういえん)」のような症状になるケースがありますのでご注意ください。
予防法は定期的に爪切りをすること。猫が快く受け入れてくれることを目指して練習しましょう。押さえつけたら、1回で爪切りが嫌いな猫になってしまいます。ごほうびを使ってできることを増やすうちに、猫も飼い主さんもストレスなくお手入れができるようになり、お互いに快適な生活が送れると思います。

お話を伺ったのは…

ごんた動物病院
獣医師 新山 則子先生

ペットと飼い主様が幸せに暮らしていくために、病気の予防や治療だけでなく、ペットにとってストレスのない快適な環境やお手入れについても情報提供する新山先生。おうちでは犬2頭、猫1頭と暮らすことから、獣医師としてだけでなく、ペットと暮らす家族としても、ペットとそのご家族の気持ちに寄り添った診察を心がけている。

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