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犬の咳、くしゃみ、鼻水の原因とは?考えられる病気と対処法を獣医師が解説!

犬が咳をする原因には、アレルギー、炎症、身体的異常や外傷、腫瘍、心血管系疾患、感染症及び寄生虫疾患などがあります。また、鼻の粘膜は活発に新陳代謝を繰り返しているので、異常が起こると速やかに多量の鼻水などの分泌物を出します。

鼻水はそのまま流れ出るか、くしゃみとして外へ出されます。犬のくしゃみ・鼻汁の原因は、ウイルス、細菌、寄生虫、真菌、異物、アレルギーによる炎症や歯牙疾患、腫瘍などが挙げられます。

目次

1.犬の咳、くしゃみ、鼻水の原因とその特徴

  • ・原因1.呼吸器感染症
  • ・原因2.心臓のトラブル
  • ・原因3.鼻・気管などのトラブル
  • ・原因4.アレルギー

原因1.呼吸器感染症

犬の代表的な呼吸器感染症には、次の2つが考えられます。

・犬ジステンパーウイルス感染症
・ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)

子犬や免疫力の低下したシニア犬はいずれの病気も感染しやすいため、特に注意が必要です。
ワクチンで予防できる病気なので、定期的なワクチン接種をおすすめします。

犬ジステンパーウイルス感染症

犬ジステンパーウイルスによる感染症で、初期には以下のような症状があります。

・鼻水や発熱
・次第に咳やくしゃみ
・嘔吐・下痢

さらに進むと、麻痺や痙攣などの神経症状を引き起こすこともあります。
発症すると死亡する可能性が非常に高い病気で、回復しても痙攣などの神経症状が後遺症として残ることもあります。

■かかりやすい犬種

どの犬種でもかかる可能性があります。特に予防接種が済んでいない子犬がかかりやすい病気です。

ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)

以下のような細菌が、単独/複合感染することで起こります。

・Bordetella bronchiseptica(Bb)
・犬パラインフルエンザウイルス
・犬アデノウイルスⅡ型

空咳などの呼吸器症状や発熱など、人の風邪に似た症状が長く続きます。
治療は、動物病院へ行き、対症療法や細菌感染がある場合には抗生物質を使用して回復を待ちます。

■かかりやすい犬種

かかりやすい犬種は特にありませんが、6週~6か月齢の子犬が発症しやすいです。飼育環境の影響も大きく、たくさんの犬が密集して飼育されている環境の場合、発症する可能性があります。

原因2.心臓のトラブル

心臓病になると、全身に血液を正常に送り出せなくなるため、以下のようなさまざまな症状が表れます。
心臓病は、進行性の病気なので早期発見が重要です。

・のどに詰まったような咳や息切れ
・疲れやすい
・運動を嫌がる

さらに進むと、肺水腫による呼吸困難、腹水や胸水がたまるようになります。

治療方法としては、一般的に心臓病の根治治療は困難なため安静療法、食事療法、薬物療法を組み合わせて、症状の緩和や病気の進行を遅らせることが中心になります。
また、肥満させない、過激な運動や興奮を避ける、極端な気温差に注意するなど家庭での生活管理も欠かせません。

犬の代表的な心臓病は、次の3つが考えられます。

・僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)
・拡張型心筋症
・フィラリア症

僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)

僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)とは、僧帽弁にトラブルがあるため起こる病気です。
心臓の左心房と左心室にあり、血液の逆流を防ぐ重要な働きをしている僧帽弁が、しっかり閉じなくなることによって起こります。
犬の心臓病の3分の2を占める、高齢期の小型犬に起こる可能性が高い病気です。

■かかりやすい犬種

ポメラニアンやマルチーズ、チワワなどの小型犬や、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどの犬種によく起こります。

拡張型心筋症

犬に多いのは心筋症のなかでも「拡張型」と呼ばれるものです。
心筋が薄く伸びてしまい、心臓の収縮力が低下して、血液の循環不全をきたす病気です。大型犬に起こる可能性の高いことが特徴です。

■かかりやすい犬種

ドーベルマン・ピンシャー、ボクサー、グレート・デーン、ダルメシアン、アイリッシュ・ウルフハウンド、コッカー・スパニエルなどの犬種でよく見られます。大型犬での発症が多く報告されています。

フィラリア症

蚊が媒介する犬糸状虫(フィラリア)が心臓や肺動脈に寄生することによって起こります。他の心臓病同様、咳、荒い息づかい、散歩を嫌がるなどの症状で気づくことが多いようです。
進行すると、腹水や喀血、失神などを起こす可能性もあります。

動物病院での治療には、以下のような方法があります。

・手術で虫を取り出す方法
・駆虫薬で虫を殺す方法
・症状を抑えながら虫の寿命を待つ方法

いずれも、症状の進み具合と犬の健康状態に応じて選択されます。ただ、虫を除去できても、一度傷ついた血管や心臓が元通りに回復するわけではありません。 フィラリア症には何よりも予防が大切です。

■かかりやすい犬種

室内飼育よりは屋外で飼育している犬の方が蚊に吸血されやすいですが、室内にも蚊が入ってくるので、絶対にフィラリア症にかからないとは言えません。予防薬を投与しない限りは、どんな犬もフィラリア症になる可能性があります。

原因3.鼻・気管などのトラブル

鼻や器官などのトラブルは、次の3つが考えられます。

・鼻炎や副鼻腔炎
・気官虚脱
・逆くしゃみ

鼻炎・副鼻腔炎

鼻炎の症状にかかると、鼻水やくしゃみ、時に目やにが出ることもあります。
最初はサラサラとした鼻水ですが、重症化するにつれ「黄色」や「緑色」のドロッとした膿のような鼻汁に変化します。慢性化した場合には、副鼻腔に膿がたまる副鼻腔炎になる可能性もあります。

原因としては、以下が考えられます。

・ウイルス
・細菌や真菌(カビ)などによる感染
・異物の吸い込みによる粘膜の炎症

ほかにも、上あごの歯周病の炎症が鼻にまで広がり、副鼻腔炎を引き起こすこともあります。

■かかりやすい犬種

コリーやミニチュアダックスフンドなど、長頭種によく見られます。

気管虚脱

気管が押しつぶされたように扁平に変形し、呼吸がしにくくなっていく病気です。
最初は空咳から始まり、次第に呼吸の際にガーガーとアヒルの鳴き声のような音を発するようになり、ひどくなれば呼吸困難を起こします。
短頭種や気管の細い小型犬に多く見られ、肥満や老化も発症の引き金になります。

動物病院での治療方法としては、咳止め薬や気管支拡張剤などによる対症療法が一般的です。
あとは、肥満させない、首輪でのどを圧迫しない、などの日常的な配慮も大切です。
症状がコントロールできない場合は手術も検討されますが、難度が高くなる可能性が考えられます。

■かかりやすい犬種

ポメラニアンやトイ・プードル、チワワなどの小型犬によく見られます。

逆くしゃみ

逆くしゃみとは、グーグーと鼻水をすするような音ともに、強く空気を吸い込む動作です。
短頭種に多い「軟口蓋過長症」(のどにあるヒダが垂れ下がって気道をふさぐ病気)によく見られる症状です。症状がひどくなれば手術が必要になります。

一方、原因が不明で、逆くしゃみを繰り返すケースもあります。
発作は、通常長くても数分で治まります。その間、犬は頭を前に伸ばし立ったままの状態で意識を失ったりすることはありません。発作が治まればまったく正常に戻ります。

1日に何回も起こる場合、毎日起こる場合、1回が長くなる場合は動物病院に相談しましょう。

■かかりやすい犬種

逆くしゃみは小型犬の短頭種によく見られる症状です。代表的な犬種としてはチワワ、フレンチ・ブルドッグ、パグ、シーズー、ペキニーズ、トイプードルなどが挙げられますが、その他の犬種でも見られます。

原因4.アレルギー

アレルギーによるトラブルは、次の原因が考えられます。

・花粉やほこりによるアレルギー

花粉やほこりによるアレルギー

花粉やハウスダストへのアレルギー反応で鼻水が出る場合があります。
人の花粉症のように、特定の季節に症状が出る場合はアレルギー性鼻炎の可能性が高いと言えるでしょう。

アレルギー性結膜炎を併発すると目やにが出ます。
動物病院の治療では、抗アレルギー薬の処方を行う場合があります。

■かかりやすい犬種

ウエストハイランド・ホワイトテリア、柴犬、シー・ズー、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ゴールデン・レトリーバーによく見られます。

2.犬の風邪の治し方は?

犬の風邪の治し方は?

咳やくしゃみ、鼻水、発熱など、犬にも風邪のような症状が見られることがあります。すぐ病院に連れて行くべきか、しばらく様子を見た方が良いのか、飼い主さんは判断に迷ってしまうもの。
いざという時すぐ対応できるように、症状の見分け方や治療方法についてくわしく見ていきましょう。

  • ・自然治癒で治せるケースとその見分け方は?
  • ・薬はあるの?
  • ・こんな時はすぐに病院へ!

自然治癒で治せるケースとその見分け方は?

生理的な範囲内で咳やくしゃみなどをすることがあるので、一時的ですぐ収まっている場合は様子を見てもいいかもしれません。
ただし、回数が多くなっている、1回の程度が激しい、元気や食欲が落ちているなどの症状が見られる場合は、早めに動物病院に相談しましょう。

薬はあるの?

原因によって治療法が変わりますので、まずは動物病院で診察を受けましょう。
自己判断で人の風邪薬を飲ませることは絶対に止めてください。

人の風邪薬には、犬の体に重篤な中毒症状を引き起こす成分が入っている可能性があり、犬が服薬すると死に至るケースがあります。

こんな時はすぐに病院へ!

咳が止まらない、呼吸が苦しそう、元気・食欲がないなどの症状が見られる場合はすぐに病院に相談してください。
特に子犬やシニア犬は容態が急変しやすいため、たとえ症状が軽そうに見えても早めに診察を受けましょう。

3.治療費はどれくらい?

治療費は病院によって異なります。
診察時には、費用を相談しながら、検査などの希望を伝えましょう。

4.人に感染する?

犬の診断名に「風邪」はありませんが、風邪のような症状を引き起こすのがケンネルコフです。犬同士であれば飛沫感染しますが、人にうつることはありません。
また、人の風邪が犬にうつることもありませんので、安心してください。

5.まとめ

まとめ

「ちょっとした症状で動物病院に相談していいのだろうか」と悩まれる飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし、悪化して大変な状態で来院されるより、なるべく早い段階でご相談していただいた方が早く治療でき、治る可能性も高くなります。

また、日頃から予防接種などで受診していただくと、聴診などで症状が出る前に見つけられる病気もあります。咳、くしゃみ、鼻水など気になることがあれば、早めにご相談いただければと思います。

お話を伺ったのは…

ごんた動物病院
獣医師 新山 則子先生

ペットと飼い主様が幸せに暮らしていくために、病気の予防や治療だけでなく、ペットにとってストレスのない快適な環境やお手入れについても情報提供する新山先生。
おうちでは犬2頭、猫1頭と暮らすことから、獣医師としてだけでなく、ペットと暮らす家族としても、ペットとそのご家族の気持ちに寄り添った診察を心がけている。

ごんた動物病院 獣医師 新山 則子先生

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