犬の咳・くしゃみ・鼻水の原因とは?
症状でわかる病気の種類と対処法

犬が咳やくしゃみ、鼻水でつらそうなとき、考えられる原因や病気はいくつかあります。
考えられる主な原因は、次の3つになります。

原因1.呼吸器感染症
原因2.心臓のトラブル
原因3.鼻・気管などのトラブル

原因1.呼吸器感染症

犬の代表的な呼吸器感染症には、次の2つが考えられます。

・犬ジステンパーウイルス感染症
・ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)

いずれの病気も、子犬や免疫力の低下した高齢犬などは感染しやすいため、とくに注意が必要です。
ワクチンで予防できる病気ですので、定期的なワクチン接種をおすすめします。

犬ジステンパーウイルス感染症

犬ジステンパーウイルスによる感染症で、初期には以下のような症状があります。

・鼻水や発熱
・次第に咳やくしゃみ
・嘔吐・下痢

さらに進むと、麻痺や痙攣などの神経症状を引き起こすこともあります。
発症すると死亡する可能性が非常に高い病気で、回復しても痙攣などの神経症状が後遺症として残ることもあります。

ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)

以下のような細菌が、単独/複合感染することで起こります。

・犬パラインフルエンザウイルス
・犬アデノウイルスⅡ型

空咳などの呼吸器症状や発熱など、人の風邪に似た症状が長く続きます。
治療は、動物病院へ行き、対症療法や細菌感染がある場合には抗生物質を使用して回復を待ちます。

原因2.心臓のトラブル

心臓病になると、全身に血液を正常に送り出せなくなることで、以下のような様々な症状が現れます。
心臓病は、進行性の病気ですから、早期発見がたいへん重要になります。

・乾いた咳や息切れ
・疲れやすい
・運動を嫌がる

さらに進むと、水腫による呼吸困難、腹水や胸水がたまるようにもなります。

治療方法としては、一般的に心臓病の根治治療は困難なため安静療法、食事療法、薬物療法を組み合わせて、症状の緩和や病気の進行を遅らせることが中心になります。
また、肥満させない、過激な運動や興奮を避ける、極端な気温差に注意するなど家庭での生活管理も欠かせません。

犬の代表的な心臓病は、次の3つが考えられます。

・僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)
・拡張型心筋症
・フィラリア症

僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)

僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)とは、僧帽弁にトラブルがあるため起こる病気です。
心臓の左心房と左心室にあり、血液の逆流を防ぐ重要な働きをしている僧帽弁が、しっかり閉じなくなることによって起こります。
犬の心臓病の3分の2を占める、高齢期の小型犬に起こる可能性が高い病気です。

拡張型心筋症

犬に多いのは心筋症のなかでも「拡張型」と呼ばれるものです。
心筋が薄く伸びてしまい、心臓の収縮力が低下して、血液の循環不全をきたす病気です。
大型犬に起こる可能性が高いことが特徴です。

フィラリア症

蚊が媒介する犬糸状虫(フィラリア)が心臓や肺動脈に寄生することによって起こります。
他の心臓病同様、咳、荒い息づかい、散歩を嫌がるなどの症状で気づくことが多いようです。
進行すると、腹水や喀血、失神などを起こす可能性もあります。

動物病院での治療には、以下のような方法があります。

・手術で虫を取り出す方法
・駆虫薬で虫を殺す方法
・症状を抑えながら虫の寿命を待つ方法

いずれも、症状の進み具合いと犬の健康状態に応じて選択されます。
ただ、虫を除去できても、一度傷ついた血管や心臓が元通りに回復するわけではありません。
フィラリア症には何よりも予防が大切です。

原因3.鼻・気管などのトラブル

鼻や器官などのトラブルは、次の3つが考えられます。

・鼻炎や副鼻腔炎
・器官虚脱
・逆くしゃみ

鼻炎・副鼻腔炎

鼻炎の症状にかかると、鼻水やくしゃみ、時に目やにが出ることもあります。
最初はサラサラとした鼻水ですが、重症化するにつれ「黄色」や「緑色」のドロッとした膿のような鼻汁に変化します。
慢性化した場合には、副鼻腔に膿がたまる副鼻腔炎になる可能性もあります。

原因としては、以下が考えられます。

・ウイルス
・細菌や真菌(カビ)などによる感染
・異物の吸い込みによる粘膜の炎症
・花粉やほこりによるアレルギー

ほかにも、上あごの歯周病の炎症が鼻にまで広がり、副鼻腔炎を引き起こすこともあります。

気管虚脱

気管が押しつぶされたように扁平に変形し、呼吸がしにくくなっていく病気です。
最初は空咳から始まり、次第に呼吸の際にガーガーとアヒルの鳴き声のような音を発するようになり、ひどくなれば呼吸困難を起こします。
短頭種や気管の細いポメラニアンなどの小型犬に多く見られ、肥満や老化も発症の引き金になります。

動物病院での治療方法としては、咳止め薬や気管支拡張剤などによる対症療法が一般的です。
あとは、肥満させない、首輪でのどを圧迫しない、などの日常的な配慮も大切です。
症状がコントロールできない場合には、手術も検討されますが、難度が高くなる可能性が考えられます。

逆くしゃみ

逆くしゃみとは、グーグーと鼻水をすするような音ともに、強く空気を吸い込む動作です。
短頭種に多い「軟口蓋過長症」(のどにあるヒダが垂れ下がって気道をふさぐ病気)によく見られる症状です。
症状がひどくなれば手術が必要になります。

一方、原因が不明で、逆くしゃみを繰り返すケースもあります。
発作は、通常長くても数分で治まります。その間、犬は頭を前に伸ばし立ったままの状態で意識を失ったりすることはありません。発作が治まればまったく正常に戻ります。

その際、治療の必要はなく、発作時にのどや胸をさすってあげると早く治ります。

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