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【獣医師監修】犬の脱水を予防するには?|起こりやすい原因と日常でできる対策

【獣医師監修】犬の脱水を予防するには?|起こりやすい原因と日常でできる対策

「最近、犬が水をあまり飲んでいない気がする」
「暑くなってきたけど、このままで大丈夫かな?」
「脱水って、どんな状態になったら注意すればいい?」
このように、犬の脱水について不安を感じたことはありませんか?
犬は人よりも体温調節が苦手な動物で、気づかないうちに水分不足に陥ることがあります。
とくに暑い時期や体調が万全でないときは、脱水の予防がとても大切です。

この記事では、犬の脱水が起こりやすい原因と、日常生活の中でできる予防の工夫について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の水分摂取と体調の管理にお役立てください。

犬の脱水とは?放置すると危険な理由

犬の脱水とは、体内の水分量が不足している状態を指します。
水分が不足すると血液が濃くなり、全身に酸素や栄養を運ぶ働きが低下します。
その結果、

  • 疲れやすくなる
  • 動きが鈍くなる
  • 食欲が落ちる

といった変化が現れることも。

さらに、脱水が進むと体温調節もうまくできなくなります。
犬はパンティング(ハアハアする呼吸)によって体の熱を外に逃がしますが、水分が不足しているとこの働きが十分に機能しません。
そのため、少しの暑さや運動でも体に熱がこもりやすくなり、体温が上がりやすい状態になります。
これは、熱中症のリスクが高まる要因のひとつです。

軽度の脱水でははっきりした症状が出にくく、「なんとなく元気がない」「ごはんの食べが悪い」といった変化だけの場合も少なくありません。
だからこそ、日頃から脱水を予防し、早めに気づくことが大切です。

これって脱水症状?見逃しやすいサイン

脱水は、早い段階で気づくことができれば重症化を防ぎやすくなります。

たとえば、

  • 元気がない
  • 食欲が落ちている
  • 口の中が乾いている
  • 尿の量が少ない

といった変化が見られる場合は、水分不足の可能性も考えられます。
これらの症状が続く場合や、ぐったりしている様子がある場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。

脱水を起こしやすい原因

犬の脱水は、特別な状況だけで起こるものではありません。
日常の中にも、脱水につながる要因がいくつもあります。

水分摂取量が不足している

犬に必要な水分量は、体重1kgあたりおおよそ40〜60mlが目安とされています。
しかし、ドライフード中心の食生活では、食事からほとんど水分をとれません。
水を飲む量が少ない犬では、気づかないうちに水分摂取量が不足していることもあります。

暑さや運動による影響

犬は汗をかく代わりに、パンティングによって体の熱を外に逃がして体温調節を行う動物です。
このとき犬の舌や口の中から水分が蒸発し、気づかないうちに体内の水分が失われていきます。
そのため、体重1kgあたり40〜60ml/日とされる目安量を飲んでいても、暑い日や運動量が多い日は水分が不足してしまうことがあります。

とくに、

  • フレンチブルドッグやパグなどの短頭種
  • 柴犬やゴールデンレトリーバーなど被毛が厚い犬
  • 体温調節機能が低下しやすいシニア犬

では体に熱がこもりやすく、脱水につながりやすい傾向があるため注意が必要です。
これらの犬では、運動後や暑い時間帯に意識的に水分補給の機会を増やすことが大切ですね。

体調不良による影響

犬に下痢や嘔吐がある場合、水分が体外に通常よりも早いペースで失われやすくなります。
下痢を起こしている場合では腸から水分が吸収されにくくなり、嘔吐がある場合では飲んだ水分そのものが体に入らないためです。 このような状態では、水を飲んでいても体内の水分バランスが保てず、脱水が進行してしまうことがあります。

また、発熱や食欲不振を伴う体調不良では、水分摂取量そのものが減りやすく、さらに脱水のリスクが高まるため注意が必要です。
下痢や嘔吐が続いている場合や、元気がなく水を十分にとれていない様子が見られる場合は、自宅での水分補給だけでは補いきれないこともあります。
そのようなときは動物病院での治療や点滴による水分補正が必要になることもあるため、無理に様子を見続けず、早めに相談しましょう。

加齢による影響

シニア期に入ると、加齢に伴って体内の水分量が減少しやすくなり、喉の渇きを感じる感覚も鈍くなる傾向があります。
そのため、水分が不足していても自分から水を飲もうとせず、気づかないうちに飲水量が減ってしまうことがあります。
若い頃と同じ生活環境・飲水量を維持していても、体に必要な水分が足りなくなるケースも少なくありません。
シニア犬では体調に問題がない場合でも1kgあたり50〜70ml程度を目安に、水分補給の機会を見直すことが大切です。

予防のために日常でできること

脱水は日々の生活の中のちょっとした工夫で飲水量を高め、予防ができます。 犬の中には、もともと水を飲みたがらない子もいるので、「無理に飲ませる」のではなく、犬自身が自然に「飲みやすくする」工夫が大切です。

新鮮な水を飲める環境を整える

水はこまめに交換し、清潔な状態を保つことが基本です。
水が汚れていたり、においがついていたりすると、犬が飲むのを避けてしまうことがあります。
また、水飲みの高さや器の形が合っていないと、飲みにくさから飲水量が減る場合もあります。
首や腰に負担がかからない高さかどうか、一度見直してみましょう。
生活動線上に複数の水飲み場を設けることで、「ついでに飲む」機会が増え、結果として飲水量が増える犬も少なくありません。

少量ずつ、こまめに水分をとらせる

一度にたくさん飲ませようとすると、かえって嫌がる犬もいます。
そのため、散歩の前後や遊んだあとなど、喉が渇きやすいタイミングを意識し、少量ずつ与えることがポイントです。

水をなかなか飲まない犬には、なめるタイプのおやつを活用する方法もあります。
液状タイプのおやつであれば、スキンシップの延長として自然に口にしやすく、水分補給のきっかけになります。
「水を飲ませる時間」ではなく、「一緒にコミュニケーションを取る時間」として取り入れることで、無理なく継続しやすくなる点もメリットです。

食べることで水分をとる工夫をする

水を飲むのが苦手な犬には、食事やおやつを通して水分をとる方法も有効です。

たとえば、

  • ウェットフード
  • 水分を含んだおやつ
  • スープ

などを取り入れることで、自然に水分摂取量を増やすことができます。
「水を飲ませる」ことにこだわらず、「結果的に水分がとれているか」という視点で考えることが、脱水予防につながります。

暑い時期や運動後はとくに意識する

暑い季節や運動後は、体温調節のために通常より多くの水分が失われます。
このようなときは、水を置いておくだけでなく、飲水のタイミングそのものを増やす意識が重要です。
散歩中に一度、帰宅後に一度というように、回数を分けて水分補給の機会を作ることで、脱水のリスクを下げやすくなります。

飲水量を把握する工夫も役立つ

「本当に水分が足りているのか分からない」と感じる場合は、飲水量が確認できる給水ボトルやメモリ付きの器を使う方法もあります。
量を把握できることで、小さな変化にも気づきやすくなり、体調管理の目安になります。

飲水量を把握する工夫も役立つ

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8.まとめ

犬の脱水は、日常の中で気づきにくく、進行してから問題になることもあります。
新鮮な水を用意する、食事やおやつから水分をとるなど、日々の工夫が脱水予防につながります。
愛犬の様子をよく観察しながら、無理のない方法で水分補給をサポートしていきましょう。

監修いただいたのは…

2014年 麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
フリーランス獣医師
陶山 雄一郎 先生

麻布大学獣医学部獣医学科を卒業後、獣医師として犬・猫の診療に携わってきました。 現在はフリーランス獣医師として、臨床現場に立つ一方で、全国の動物病院における情報発信やコンテンツ監修にも取り組んでいます。

日々の診療の中で感じるのは、飼い主さまが「正しい情報を知ること」で、ペットの選択肢や安心感が大きく変わるということです。
一方で、インターネット上には情報があふれており、何を信じてよいのか分からず不安を感じている飼い主さまも少なくありません。

そのため監修では、専門的な内容であっても、「飼い主さまが正しく理解し、安心して選択できること」を大切にし、実生活に活かしやすい表現や考え方を心がけています。

犬や猫の健康管理、食事、予防医療、日常ケアなど、飼い主さまの疑問や不安に寄り添いながら、日々の暮らしの中で役立つ情報をお届けすることを目指しています。

獣医師 陶山 雄一郎 先生

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