健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

猫ちゃんの困った行動 不適切な場所での排泄

問題となる場所で排泄できない状況をつくる

不適切な排泄場所に物理的に近づけなくする。

不適切な排泄を繰り返す場所にはアプローチできないようにしましょう。たとえば布団でオシッコをしてしまうのであれば一定期間、寝室には入れないようにします。

排泄してしまうのが決まった場所である場合にはその場所をきれいにそうじした後、家具や段ボール箱を置いてしまうなどして、そこでは排泄できないようにしてしまいましょう。再びトイレを使う習慣がつけば、念のためしばらくそのままの状態で様子を見たのちに、少しずつもとの状態に戻すと良いでしょう。

不適切な排泄場所を排泄に適さない状態にする。

布団で排泄する場合には寝室に入れないのが一番ですが、ワンルームマンションなどで猫を寝室に入れないようにできない時はベットや布団の上にレジャーシートなどをかけるなどして排泄に適さない状態にすると良いでしょう。ソファなどで排泄する場合も同様で、通常猫は尿が染み込む素材に排泄することを好みますからビニールのシートなどで覆われているとそこでは排泄しなくなります。

ビニールシートでカバーしたソファや布団は人間にとっても快適とは言えませんが、猫がこれらの場所で排泄する習慣を断ち切り、本来のトイレを使う習慣が戻るまではしばらく我慢してくださいね。

不適切な排泄場所を別の目的の場所に変える。

猫は自分が食事をする場所に排泄することを好みません。不適切な排泄場所が決まっている場合には、そこに猫の食器を置いて食事をさせてみるのも一つの方法です。またその場所を寝る場所にしたり、遊ぶ場所にすることで効果がみられる場合もあります。

これとは逆にどうしても排泄してしまう場所に、トイレをおいてトイレを確実に使うようになったら、少しずつトイレの位置を望ましい場所に移動するというのもひとつの方法です。

狭い場所に隔離する。

どうしてもうまくいかない場合には猫を広めのケージや洗面所などの狭いスペースに閉じ込めて、そこにトイレと食事や水など生活に必要なものをできるだけ離しておいておきます。他に排泄に適した場所がなければ猫は仕方なくトイレを使うようになりますので、トイレを使う習慣ができたら少しずつもとの環境に戻すようにします。

一気に家中を開放するのではなく、最初は排泄した後に、他の部屋に連れていって様子を見ながら、少しずつ他の部屋に自由に出入りさせるようにします。また狭い部屋に隔離する時には猫にストレスがかかりすぎないようにそばに行っておもちゃで遊んだり、ブラッシングしてあげるなど、一緒に楽しく過ごす時間を作ってあげてください。充分に観察できる時間帯には別の部屋で過ごすようにしても良いでしょう。

はじめに → ステップ1 → ステップ2 → ステップ3 → ステップ4 → ステップ5