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猫ちゃんの困った行動 不適切な場所での排泄

快適なトイレを用意する

 
猫がトイレ以外の場所で排泄する場合、まずそのトイレそのものに問題がないかを考える必要があることはステップ2でお話しました。猫が何らかの理由でトイレを使いたくないと感じて、トイレ以外の場所で排泄し始めるケースがとても多いのです。トイレそのものに問題がある場合には、まずトイレを快適にしてあげることが大切なのは当然の事ですが、原因がわからない場合やほかの原因でトイレ以外の場所で排泄しはじめた場合にも、トイレを今より快適にしてあげることによってしばしば良い効果が得られます。以下に猫のトイレをより快適にする方法を書きましたので参考にしてみてくださいね。
 
トイレをきれいにする

猫がトイレ以外の場所でオシッコをし始めるきっかけとして一番多いのが、トイレが汚れているという理由であると言われています。猫によって我慢できる程度は違いますが、これまでは大丈夫であったとしても、トイレ以外の場所で排泄するという問題が起こった時には、できるだけトイレをきれいに保つように心がけてください。排泄する度に、排泄物や汚れた部分を取り除くようにし、猫砂などは週一回は全部入れ替えてきれいにしておきましょう。

トイレの数を増やす

猫のトイレは最低でも飼育している猫の数だけ必要です。たとえば家に3頭の猫がいるのであれば、トイレは3個以上必要ということになります。
 猫がトイレ以外の場所で排泄するという問題が起こった時には、猫の数より多くのトイレを置くことで改善される場合があります。

トイレの場所を変える

人の出入りが激しかったり、犬や子供などが近づいてきて、落ち着いて排泄できないというような場所にトイレがあるとトイレを使わなくなる場合があります。また洗濯機などの家庭用電化製品などの振動や大きな音が原因でトイレを避けるようになるケースもあります。トイレは猫が安心して排泄できる場所に置くようにしましょう。

またトイレが猫が普段生活している場所から離れた場所やアプローチしにくい場所にあるときは使いたがらない場合もあります。たとえば猫は普段1階で生活しているが、トイレは2階のベランダにあるといった状況です。特に年をとったり、関節炎などの身体的な問題がある猫では動くことがおっくうになる場合もあります。家の中で猫が生活しているすべての階に、トイレを置いてあげましょう。

トイレの場所を変える場合、猫の好みに合わない場所にトイレを置いてしまうと問題が解決しませんから、もともとある場所のトイレを少しでも使うようであればそれはそれで置いておいて、別の場所にトイレを増やし、好みの場所を探すようにした方が良いでしょう。

逆にアプローチしやすいと言っても、食事や寝る場所とトイレをあまり近くにすると使いたがらない場合があります。また同居猫との仲が悪く、他の猫に邪魔されてトイレにアプローチしにくいというケースもありますので、トイレは複数の場所に置いた方が良いでしょう。

トイレの容器を変える

フードや蓋付きのトイレは臭いが周囲にもれず、人間にとっては都合が良いのですが、その分、トイレの中には臭いがこもり、猫が嫌がる場合があります。また飼い主側は臭いも気にならないため、ついつい掃除の頻度を減らしてしまうこともあるでしょう。特にこのタイプのトイレを使うようになってから問題が起きたということであれば、蓋のないトレータイプのトイレに戻す必要があるでしょう。

また猫にとってトイレの容器の大きさが充分でないと、そこで排泄するのを嫌がる場合もあります。
トイレは猫が入って無理なく排泄ポーズがとれるだけのスペースが必要です。トイレが猫にとって窮屈そうならトイレのサイズを大きくする必要があるかもしれません。その際、あまり深い容器にすると入るのを嫌がる場合もありますので、注意してください。

トイレの砂の種類を変える

トイレの砂やペットシーツなどの敷物の種類を別のものに変えた後、問題が起こったのであればこれが原因かもしれません。以前に使っていたものに戻すか、より好みに合う種類のものを探してみましょう。

これらのシーツや砂の感触に好き嫌いがある場合もありますし、これらに使われている香りを嫌う場合もあります。またトイレに入れる砂の量に好みがある場合もありますので砂の量を増やしたり、減らしたりして砂の深さを変えることが役立つ場合もあります。

ちなみに我々の動物病院で飼っている猫のクララは新聞紙を敷いたトイレでは排泄せず、いつも保温のために敷いていたタオルの上で排泄してしまっていました。ところがトイレを大きくし、敷物を砂に変えたとたんにきちんとトイレで排泄するようになったのです。

一般的には猫は匂いのない重く細かい粒子の砂(砂浜にあるような自然の砂に近いもの)を好む場合が多いのですが、それまでの生活習慣によって特殊な好みを持っているケースもあります。クララとおなじく病院で飼っているぎょうざはどんなトイレを用意しても受け入れず、なぜか水入れで排泄します。どうしても水の入った容器でないと排泄しないのです。

今ではぎょうざのケージの中には毎日水入れと別に排泄用の水の入った容器が用意されています。生後半年頃まで野良猫だったこの猫は、幼い頃に溝のような水のある場所で排泄する習慣ができていたのかもしれません。

その他

トイレを掃除した時の洗剤や芳香剤の匂い、トイレのシーツや砂の匂いが強すぎるとそれを避けるケースもありますので注意が必要です。

トイレ以外で排泄するきっかけとなる原因がなくなり、快適なトイレが用意されていても、猫は一旦排泄しはじめた場所で繰り返し排泄してしまうことが少なくありません。従って問題を解決するためには、不適切な場所で猫が排泄できない状況を作る必要があります。一定期間その場所に物理的に近づけないようにすれば、再びトイレを使う習慣がつき、猫専用のトイレだけを使うようになるでしょう。

はじめに → ステップ1 → ステップ2 → ステップ3 → ステップ4 → ステップ5