健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

愛犬相談室 No.3「おでかけ時の悩み」

ケース5、便の始末について

Question

大型犬です。キャンプで連泊するときなど便の量が多くなり、いつも始末に困っています。おすすめの方法はありますか。

Answer

 最近は犬を歓迎してくれる施設では、便専用のゴミ箱を設置していることも珍しくありませんが、そうしたものがない場合、持ち帰るのがマナーです。
 出先でスムーズに便を処理しやすいよう、工夫された便処理袋(「便利だワン!」など)やトイレットペーパーは多めに持参しましょう。

 持ち帰りの悩みは何と言ってもにおいです。便の消臭袋は市販されていますが、大きいサイズが見つからなければ、赤ちゃんの使用済みおむつなどを入れておく消臭袋で代用できます。小型犬なら量が少なめなので、空の牛乳パックに入れておくのもいいでしょう。口を閉じておけばそれほど臭わず、帰ってからそのままゴミ処理できます。

 旅先では特に下痢に注意したいものです。犬の体のためにはもちろん、下痢をすると処理が大変になります。環境が変わって緊張し、その緊張を和らげるために食べ過ぎて便の量が増えたり、水遊びをして下痢をしたという話はよく聞きます。
 また、楽しい雰囲気に流されて、ソフトクリームやバーベキューで焼いた肉など、人間が食べているものをつい与えてしまうことも多いようです。ちょっとぐらいならと思っていても、それが下痢や嘔吐の要因になります。ふだんあまり食べ慣れていないものや出先で買った初めてのフードなどは避けましょう。いつも食べ慣れているフードを持参し、少なめに与えましょう。

 また、犬を静かにさせるため、むやみにおやつを与えてしまうケースも多いようです。これもお腹をこわす原因になります。どうしても欲しがるようなら、牛皮のソフトガムやフェッチのように噛むだけのものを。ほかに、コングやトリーツホルダー、チューインクリーンなどデンタル効果があるものにピーナッツバターを塗ってなめさせるようにすれば、長持ちするので、退屈しのぎになります。



ケース6、乗り物酔い対策

Question

犬連れで1泊旅行を考えています。長時間車に乗ったことがないので、車に酔ったりしないか心配です。予防法や対処法はありますか。

Answer

しつけチェック あなたの愛犬はおでかけ上手? 長時間のドライブで疲れたり酔ったりするのは、人間だけではありません。犬も同様に乗り物酔いをするもので、なかにはかなり苦手な犬もいます。
 未然に防ぐためには、出発前に水を飲ませ過ぎないこと。そして朝食は抜いておくか少なめにし、なるべく胃の中を軽くしておきましょう。

 車内ではケージに入れたり、犬用のシートベルトでしっかり固定するなどしてウロウロさせないことが肝心です。自由に動き回れるようにしておくとかえって酔いやすくなります。
 車に乗ったら最低2時間に1回は休憩しましょう。その際には必ず車外に出て軽く散歩をし、風に当たって人も犬もリフレッシュしましょう。
 緊張をほぐして気分転換するために犬用のアロマオイルを首輪に1滴垂らしたり、ホホバオイルで十分薄めてから背中に塗ってマッサージしてあげるのもー案です。ハッカ油などのミント系スプレーを車内に噴きかけるのもおすすめです。人間もスッキリします。

 夏のドライブでは暑さで酔ってしまうこともあります。ペットボトルに半分量の水を入れて凍らせたものを準備しておき、その都度少しずつ水を足すと、冷たい水を与えることができます。体を冷やしてあげるために冷却スプレーや濡れタオルなどの準備もお忘れなく。
 それでも心配なら、でかける前にかかりつけの獣医師に相談し、あらかじめ酔い止めの薬を用意しておくと安心です。


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