愛猫と楽しく暮らすための爪とぎのしつけと選び方

猫のストレスについて



猫はストレスによる影響を受けやすい生き物です。不満なことがあるとストレスが溜まり、そのまま放置していると、嘔吐、脱毛、血尿の原因になります。そのため、猫が快適に暮らしていくためにもストレスをためさせないことが大切です。そこで、今回は猫のストレスサインとストレス解消法法を紹介します。

まず、異変に気付いてあげることが大切です。猫はストレスが溜まると行動に表れます。例えば、ジャンプなどの移動行動の低下、おもちゃで遊ばなくなる、ベットの下など隠れる行動が多くなる、飼い主への威嚇、気性が激しくなる、などの普段とは違った行動をするようになります。こういった異変を感じたら、ストレスの原因を見つけて解消してあげましょう。

ストレスの原因はいろいろあり、思ってもないようなことでストレスを感じている場合もあります。しかし、基本的には環境の変化、嫌な音や匂い、スキンシップの過不足などが原因になることが多いです。できるだけ環境は大きく変えずに、香水などの匂いが強い物は使わない、スキンシップは適度にする、などに気を配ることでストレスの原因を減らすことができます。また、ストレスを発散する方法もあり、おもちゃを使っての運動や、爪とぎ、ブラッシングなどはストレス解消に効果的であるので、取り入れることをおすすめします。

以上のようなことに注意することで、猫のストレスを軽減することができるでしょう。もし、異変を感じても原因を取り除いてあげることによって元気になってくれるので、異変を感じたらすぐ対応してあげましょう。



猫の爪とぎのしつけ



猫を室内で飼う場合によく問題になるのが、家や家具を引っかいてキズをつけてしまうことではないでしょうか。猫にとって何かを引っかくという行為は本能に根ざしたもので、エサを食べたり排泄したりすることと同じくらい自然なことです。そのため引っかくという行為そのものをやめさせることは難しく、逆に引っかいても良いものを設置してやるという対策をとることが必要です。

最もポピュラーな対策としては専用の爪をとぐための器具を設置する方法があります。しかし、せっかく用意しても、使ってもらえなければ意味がありません。ここではどうすれば使ってもらえるのか、ちょっとしたしつけのコツをお伝えします。

設置してもすぐには使ってくれないケースも多いと思います。そんなとき叱ったり叩いたりしても効果は期待できません。大切なのは柱やソファーよりも爪とぎのほうが使い心地が良いことを知ってもらうことなのです。もしソファーや壁といった不適切な箇所を引っかいてしまった場合は、すぐに用意しておいたものを爪の前にあてがってみてください。そのときにこっちのほうが使い心地が良いと思わせることができれば次第に興味を示しはじめるはずです。

用意したものにあまり反応しないときは気に入ってもらえなかった可能性があります。すでに家や家具を傷つけてしまっている場合は、素材の好みや形状を知る参考になるかもしれません。素材や形状の違うものに変更して根気強くチャレンジする必要があります。前述したように本能である以上、しつけの難易度としては食事やトイレに比べると高くなります。次章では、爪とぎ選びのポイントや設置場所について効果的な方法を紹介します。



爪とぎの選び方と置き方



爪をとぐための器具は様々な素材や形状の商品が販売されています。前章でも書いたとおり、しつけにはその猫の嗜好を知ることが重要です。例えば、普段ソファーやクッションといった柔らかい素材のものを好んで引っかく場合は、段ボールを重ねたタイプの商品がおすすめです。柱やタンスなどの硬いものを引っかく場合は、麻縄が巻かれたキャットツリーが良いでしょう。好みが不明な場合は、安価で手に入りやすい段ボールタイプから試してみましょう。

爪をとぐための器具は使い続ければどんどん傷んできます。重要なのはぼろぼろになったまま放置しないことです。ぼろぼろのままだと、もっととぎ心地の良い場所を探しに行ってしまうことになります。段ボール製のものは最もポピュラーでよく売られているものですが、消耗品となるので、定期的に取り替える必要があります。麻縄が巻かれたタイプのものなら、麻縄を新しいものに取り替えることで修繕し、繰り返し利用することも可能です。

次に重要になるのが、爪をとぐための器具を置く場所と数になります。まず場所ですが、リビングなど家の中心的な部屋に置きましょう。猫は爪をといでいるのを飼い主に見せたいという願望があります。そのためテレビの横など人の目が集まる位置に置くのが効果的です。できれば一部屋に一つずつ、目立つ位置に置くのがおすすめです。猫はもともと自由で気ままな生き物なので、爪をとぎたくなると近くにあるものを引っかいてしまいます。目立つ位置に爪とぎがあれば使ってくれる可能性が高くなります。

愛猫との暮らしに欠かせないのが爪とぎのしつけです。しっかりと猫の気持ちに寄り添って正しいしつけをしましょう。