猫にも人にも優しいキャットタワーの選び方

キャットタワーとは?



キャットタワーとは、猫が室内で遊ぶために設置する遊具です。横運動だけでなく、上下運動ができるので、運動不足の解消に繋がります。跳び乗ったり跳び降りたりすることで、筋力低下や肥満を防いで、猫の健康にプラスとなります。室内飼いの猫はどうしても運動不足になりがちなので、糖尿病などの病気を未然に防ぐためにも、このような遊び場を設けてあげるのが理想的です。

キャットタワーには、猫にとって安心できる居場所や寝場所を提供する、という役割もあります。猫は本能的に高いところに上るのが好きな習性があり、周りを見わたせるような高いところだと安心感を持ちます。人間と同様、誰にも邪魔されない専用スペースがあると落ち着きます。また猫の睡眠時間は長く、平均14時間にものぼりますから、高い場所に安心して寝られるお気に入りの場所があるのは大切なことです。

猫だけではなく、飼い主側にもメリットがあります。猫がおもににキャットタワーで遊ぶようになると、ソファーなどの家具への汚れを軽減することができます。爪とぎのできる麻縄などが設けてあるキャットタワーなら、そこで爪とぎする癖がつけば、家具や室内の傷が減って助かるかもしれません。



キャットタワーのタイプと特徴



大きく分けて、据え置き型と突っ張り型があります。据え置き型の長所は、季節や日当たり、または部屋の模様替えなどに合わせて場所を移動しやすいことです。天井を傷つけたりすることもありません。動かせるので、掃除などもしやすくなっています。短所は安定性にやや欠けるということです。特に複数匹の猫を飼っている場合、同時に跳び乗ったりするとぐらついてしまうこともありえます。また高さが高いものの場合、特に安定性を確保するためにある程度下部が大きくなるので、場所を取るものが多いです。

高さは1メートルから2メートルほどまでと、大小さまざまあります。まだ小さい子猫や運動機能が衰えてきたお年寄りの猫、高い所を怖がる猫には、低めのタワーがいいでしょう。その場合、ステップとステップの間の距離が短いものを選ぶと、負担を感じずに遊ぶことができます。小さいものだと動かしやすいので、一日のうちでも昼は窓際、夜は暖房器具の近くなど、手軽に動かせるのが利点です。高めのタワーは思った以上に場所をとりますし、置くことで日光を遮ってしまうこともありますから、家の状況を考えて小さめのタワーを選ぶようにしましょう。

高めのタワーは元気な若い猫に最適です。十分な運動量を確保できますし、猫が本能的に好きな高いところでくつろげます。成長に合わせて買い換えるのもいいですし、高さを調整できるタイプのものを選んで、ステップの高さを年齢にあったものに変えてあげるのもいいでしょう。

突っ張り型の長所は、安定感がいいということです。複数の猫や太った猫が乗っても安心です。ほぼ天井に近い高さから部屋を見下ろせて、猫にとって相応しい環境と言えます。運動量も十分確保しやすく、健康にもいいでしょう。短所は、一度設置すると移動しにくく、掃除のたびに動かすことはできないことです。また、天井に釘やネジで固定するタイプのものも多く、傷がついてしまうという難点もあります。ただ、突っ張り棒のように天井に穴を開けずに済むタイプのものもありますので、賃貸住宅などの事情で天井に傷を付けたくない場合は固定の方法に注目して選ぶこともできます。



キャットタワーを選ぶ時のチェックポイント



飼い猫の健康のために設置するキャットタワーが、怪我のもとになっては元も子もありませんから、安全性は一番気になるポイントでしょう。猫が滑って転んでしまわないように、ステップはつるつるの板ではなく、起毛になっているものを選びましょう。起毛だと掃除がしにくい、見た目が好きではない、うちの猫は運動神経がいいから大丈夫などと思う方もいるかもしれませんが、思わぬ怪我を防ぐためにも滑りにくい素材になっているほうが安心です。

また、角の部分が丸くなっているかも注意したいポイントです。人間も同じですが、角が尖っていないと、万が一頭をぶつけても大した怪我にならずに済みます。

ぐらぐらして不安定なものだと、安全性に欠けるだけでなく、猫が怖がって乗りたがらなくなる可能性も大きくなります。あまりにも安いものは質が劣りぐらつく場合もありますから、信頼できるメーカーやショップで商品を選びましょう。同様の理由で、安易に手作りするのも考えものです。十分安全性の高いものを作れる技術や道具がある場合のみにしましょう。

耐久性も大切です。爪とぎがついている場合、作りは丈夫ですぐにボロボロにしてしまわないか、どんな素材かもチェックします。消耗が激しい部分ですので、爪とぎができる部分が多かったり、新しいものに交換可能なタイプだったりすると助かるでしょう。

実用性も考えます。設置する予定のスペースを測っておくようにしましょう。面積や高さはどのくらいがいいのか事前にイメージしておくと良いです。パソコンやスマホの画面上で見たり、広い店舗に置かれたものを見たりしたのと、実際自宅に置いたのとでは、印象が違う場合もあります。頻繁に動かしたい場合は、重さもチェックしなければなりません。買ってから後悔しないよう、猫だけでなく住む人のことも考えて適切な大きさのものを選ぶようにしましょう。