パウなヤツら
7月21日
 思いがけない日になった。

 今朝、突然、バニラが天国に旅立ってしまった。3~4日前から、ときどき小さな咳をしていたが、元気で食欲もあったので、風邪でもひいたのかと軽く考えていた。あいにく一昨日、昨日と連休で、かかりつけの動物病院もお休み。連休明けの今日、開院時間に合わせて、病院へと向かう途中のできごとだった。ふいにフワッと脱力し、そのまま永遠の眠りについてしまったバニラ…。

 獣医さんの診察では、心臓発作。「何も苦しまず、眠るように逝ったはず」とのこと。

 えええ…?

 昨夜、床に転がるドライフードを追いかけて、あんなにハシャいでいたのに??今朝も元気に母とお散歩をしたのに!?いつもと変わらない元気な寝顔を見ながら、ボウ然…。涙も出ない。午後からはバニラを埋葬するために、両親、甥、カンザワの4人で、埼玉の山奥にある山小屋に向かった。

 山小屋の庭には、カンザワ家歴代の犬猫たちが眠っている。バニラを埋葬するとき、土の中からキラキラ光るものが出てきた。よく見たら、スパンコール☆ 2年半前に亡くなった実家の犬、マルちゃんのセーターについていたものだ。天国への案内人(案内犬)として、マルちゃんが迎えにきてくれたのかも。これならバニラも寂しくないね。

 山小屋で一服した後、もう一度バニラのお墓に行ってみたら、モンシロチョウが1羽、踊るように飛んでいる。思わず声をかけた。「もしかしてバニちゃん? ありがと、ありがとね~!」

 その声に応えるように、モンシロチョウはカンザワの前で、何度も何度も円を描きながら飛び続けていた。帰宅は夜になった。いつもは膝に上がりたがるゲッペイが、何度呼んでもそばに来ない。少し離れた場所でこちらを見つめている(バニラに遠慮しているの?)。静かだね。バニラはどこにいるんだろうね…。
7月23日
 昨夜、ゲッペイとリビングにいたら、玄関のほうで「バリバリッ!ガタン!」と音がした。バニラがお散歩に出かける前、嬉しくてドアを引っかく音に似ていた気がして、玄関を見に行ったが、特に変わった様子はなかった。

 ところが今日になって、昨夜の物音の原因がわかった。以前から玄関の下駄箱の上に、バニラのカラーやお散歩用点滅ライトを入れるカゴを置き、その隣りに人のカタチをした折りたたみ傘を立てていたのだが、その傘が倒れていた。バニラ・グッズを入れるカゴのほうに!安定のいい、地震があっても倒れたことのない傘なのに…!!目には見えないけど、バニラがいるのかも?
 だとしたら、嬉しい♪
8月6日
 バニラの腰痛治療で定期的にお世話になっていた鍼治療の動物病院へ、バニラのことを報告に行く。獣医さんも大変驚かれていたが、次のようにも言ってくださった。「突然のことでツライでしょうけど、重い病気にかかってバニラ自身が苦しむより、良かったのかもしれないよ?」たしかにそうだ。ふわ~っと眠ったまま天国へと旅立ったバニラ。もっともっと長生きしてほしかったけれど、バニラが苦しい思いをせずに済んだなら、これで良かったのかもしれない。このところ悲しくて悲しくて、バニラの写真も直視できなかったけれど、獣医さんの言葉で、ふっと気持ちがラクになった。

 いつまでもメソメソしていたら、天国のバニラが心配してしまう。明日からバニラの写真を集めてアルバムを作ろう!