パウなヤツら
6月1日
 バニラがカンザワの実家で暮らしはじめて3週間が過ぎ、散歩コースもガラリと変わった。
 そもそもカンザワの自宅マンションと実家は同市内。徒歩にして5~6分しか離れていない。が、カンザワ自宅は駅近の住宅街、実家のほうは裏手に数分歩くだけで広大な田園地帯に出る。とはいえ、向こう側には大型スーパーがあり、道は舗装されているため、バニラ…いえ、近隣のワンコたちにとっては、絶好の散歩コースなのだ。
 今の時期、ちょうど田植えがはじまったところ。まだ苗を植えていない田んぼでカルガモが2羽(つがい?)、楽しそうに遊んでいた。どこかで飼われているの? それとも野 生? こちらが近づいても悠然としている。
 バニラは毎度のことながら雑草を食べるのに夢中。至近距離にいるカルガモちゃんたちなど、眼中ナシだったが…。
6月2日
 先月から左後足を軽く浮かせて歩いているバニラ。
 生まれつき後足の関節が弱く、1~2歳の頃にも同じ足を浮かせていたことがあった。当時は獣医さんの指導により、「長く歩かせること」で後足の不調を克服。以後は症状も出ていなかったのだが…年齢的に再発したのかな?
 ところが今日、動物病院でレントゲンを撮ってもらったところ、驚きの事実が発覚。
 なんと、左後足の膝のお皿が外れ、ズレたまま固まっていたのだ。左右の後足の長さも違っている。すでにお皿は固定しているので治療も困難だし、バニラの年齢を考えた場合、無理に治そうとすると、腰など別の部分に影響が出るらしい…。
 ショック!
 いつのまに!?
 もともと我慢強いというか、鈍感というか…カンザワが誤って尻尾などを踏んでも、まったく痛がらないバニラ。先月あたりは左後足が痛かったに違いないのに、そんな様子は ミジンもなかった。…バニラ、気づいてあげられなくてゴメン…。
 幸いお皿のズレは軽めで、足が曲がることもなく、もはやバニラ的には痛くはないらしい。これ以上、悪化しないよう注意してあげなければ…。
 ちなみに4月から始めた「しらたきダイエット」は効果大アリ。この2ヶ月弱で1.1kgのダイエットに成功。獣医さんからお褒めの言葉をいただいた。ホッ。
 何か1つくらい、イイコトがないとね、バニラ!
6月6日
 夕方、田園地帯の舗装道路をバニラと散歩。
 今日のカルガモちゃんたちは、苗の植わった田んぼで遊んでいた。
 ふと空を見上げたら、雲の切れ間から無数の光の筋が降りている。久しぶり。「天使のハシゴ」だ! こんな光景、数年に1度しかお目にかかれない。ラッキ~♪
 このところマンションのペット問題やら、バニラの後足のことで、クヨクヨ泣いてばかりだったカンザワ。でも、バニラは自分の身に起きたことなんか別に気にしていないんだ よね。左後足の不具合でお尻をギクシャク振りながらも、今日も上機嫌で一緒に歩いてくれる。  バニラの前で曇った顔をするのはよそう。そう心に誓った夕暮れでした。
6月9日
 部屋のスミで、ゲッペイがしきりに何かにジャレている。どれどれ、見せてみ?釘のアタマのような八角形の黒い物体。何じゃこりゃ?
 ハッ…と思い出した。
 冬のさなか、ハンドクリームのチューブのフタを閉めようとして手元が狂い、まるで神隠し(?)に遭ったようにフタが消えたことがあったのだ。落ちた気配もなく、どこを探しても見つからなかった。何で今頃出現?
 不思議猫ゲッペイよ、オマエのしわざかい?
【次号予想】
実家暮らしのバニラも、カンザワとふたり暮らしになったゲッペイも、甘ったれモード全開。次々と笑える新習慣を生み出しています。