パウなヤツら

11月21日
 チチチチチ…チチチチチ…。
 断続的にではあるが、家の中で1日中、奇妙な音がしている。電子音のような、鳥のさえずりのような、虫の音のような、かすかな高音。主にリビングや寝室の天井から、ときどき廊下からも聞こえる。音の発生源がわからず、とても耳障り。
 聴覚の良いゲッペイは睡眠中も、音の方向を探るように耳をクルクル動かしている。バニラも気にしはじめ、吠えだすと止まらない。
 辛抱たまらん! いったい何の音!?

11月22日
 昨日からの奇妙な音は結局、夜通し断続的に響きつづけ、今日も鳴りつづけていた。
 が、夜になり、ついに音の正体が判明。なんと、体長2ミリほどの小さな虫! 寝室の天井を這っていたのを捕獲したとたん、ナゾの音がピタリと止んだ。昆虫図鑑で調べても、虫の名はわからずじまい。今年はいつまでも暖かいせいで、11月下旬だというのに秋の虫(なのか?)が元気旺盛のようだ。
 今夜はゆっくり眠れる…。と、ホッとしたのもつかのま、なぜかカンザワの顔が腫れはじめた。

11月23日
 朝、目覚めたら、むむ…? カンザワ、右の頬が腫れている。鏡を見なくても、自分で自分の頬の腫れが見える! 改めて鏡を覗いて、2度ビックリ。顔の右半分がハンパなくふくれ上がっているではないか!? まるで「ムーミン」の実写版(笑)。今日は祭日。救急病院へ急げ!
 結局、顔の腫れは「上顎洞炎(じょうがくどうえん)」という病気だった。しばらく薬を飲んで安静に過ごすことに。体が温まり過ぎると腫れが増すため、ベッドで休まず、ソファでウトウト…。
 何やら視線を感じて部屋を見回すたび、決まってゲッペイが少し離れた位置から、「右半分ムーミン」と化したカンザワの顔を不思議そうに見つめていた。日頃から小さな変化に敏感なゲッペイ、何を思って眺めていたのかな?
 かたやバニラは、こちらの不調などおかまいなし。腫れた顔面に飛びかかってきたり、ふざけて周囲を跳ね回ったり。『犬がいるとナンギ』…体調を崩すたび必ず思う。でも、バニラなりにボスを励ましてるつもりなのかもね。わかってるよバニラ、ありがとさん
(泣笑)。
  【次回予想】
カンザワのムーミン顔は1週間で元に戻り、もうすっかり元気です。カンザワファミリーの新しい本も、ついに完成しました!