パウなヤツら


9月22日
 夜、高架線路沿いの道をバニラと散歩する。あたりは真っ暗。シ~ンと静まりかえるなか、遠~くから微かな音が追いかけてくる。
 カタカタ…カタカタ…カタカタ…。
 音のほうに目をこらすと、高架線路脇に並んだブロックの上を、猫のシルエットが歩いてきた。思わず猫まねの声色で呼んでみる。
 「みゃ~おん」
 近づいてきたシルエットがカンザワ&バニラの頭上でピタリと止まった。ブロックに座り、明らかにこちらを見下ろしている。瞳を光らせ、何か話しかけるように。見知らぬ猫と気持ちが通い合う瞬間!(…と思っているのは、こっちだけかな?)
 猫語が話せないことが悔やまれる。

9月23日
 年々、甘え方がしつこくなるゲッペイ。若い頃のクール&ダンディっぷりとは、まるで別猫だ。
 今夜も仕事の合間にソファで一服していたら、瞳ウルウルのゲッペイが膝に上がりこんできた。カンザワのお腹をひとしきりフミフミした後、膝の上にドッカリ。完全リラックス体勢でくつろぎはじめた(こちとら仕事が残ってるんだけど~、ソファから立ち上がりたいんだけど~)。おそるおそるお伺いを立ててみる。
 「ゲッくん、ごめん。どいてくれる?」
 「イニャ(イヤ)」
 「お仕事したいんだ~。どいて。お願い♪」
 「イニャ~ッ!(イヤ~ッ!)」
 ゲッペイを膝に乗せたまま、カンザワの夜は更けゆく…。

10月1日
 本日は自宅マンションの配水管清掃日。業者さんの清掃作業中、玄関ドアは開けっ放し。気をつけていたが、ちょっとのスキに、バニラが家出してしまった。
 あわてて外通路から見渡すと、マンション裏庭でバニラがウロウロしている。バニラ~バニラ~。帰っといで~。声に気づいたバニラ、外階段を駆け上がろうとしている。カンザワもバニラを迎えに3階から階段を下りる。2階の踊り場でナミダの再会!?
 …になるはずが、ありゃりゃ? バニラったら我が家の階下の2階のお宅前で尻尾フリフリ。自分の家と勘違いしている。おいバニラ、そこはバニラんちじゃないヨ!
 先月、同じマンションに住むシーズー犬のジュリーちゃんもマンション内迷子になっていたが(9月5日の日記参照)、ワンコって二次元の方向感覚はあるけど、三次元の立体感覚はないみたいですな。

10月1日
 カリスマ美顔師・佐伯チズさん式パックにハマッているカンザワ。コットンを貼りまくった顔にビビり、突如バニラが唸った。
「ワフゥ~ワフゥ~~…」  腰の引けた脱力系の唸りが可笑しい。


【次回予想】
11月は落葉の季節。吹きだまった枯葉の山を見ると、バニラと一緒に転げ回りたい衝動に駆られる…戌年生まれのカンザワです。