ふと読みたくなる、猫の本

全国の各都道府県には、
様々な事情で飼育されなくなった犬や猫が保護される
動物愛護センターなどの施設があります。
それらの施設では、保護した犬や猫、次の家族に迎えてもらう
譲渡会も行われていますが、
平成22年度における猫の殺処分数は15万2729匹、
最も多いのが沖縄県の7451匹、最も少ないのが富山県の787匹です。
殺処分数が最多だった平成8年の約30万匹から半減したとはいえ、
いまだ多くの命が天に召されていきます。

岐阜県のとある保健所でも、
毎週水曜に猫の殺処分が行われていました。
その保健所では、保護された猫たちのために、
施設から許可をもらい、食事を運んでくる女性がいました。
ある時その女性は、
新しく保護されてきた大きな猫「でかお」と出会います。
ちょっと不機嫌そうな顔をしているけど、
近寄って食事をあげるとたくさん食べる、食いしん坊。
女性はだんだん「でかお」のことが頭から離れなくなり、
自分が連れて帰るかどうか悩みます。
そして連れ帰ることを決意、施設へ向かうと、
「でかお」はすでに筋弛緩剤を注射され、
冷凍庫の中に・・・。
慌てて冷凍庫を開ける女性、もう無理だという施設の職員。
女性は「でかお」が入れられた袋を前にずっと泣き続けます。
すると袋がカサカサ。
なんと「でかお」は生きていたのでした!
それを見た施設の人は、女性が静止するのも聞かず、
さらに筋弛緩剤を注射。それでも「でかお」は小さく動く。
もう無理だろうとは思いながらも、
最後は暖かい部屋でぐっすり眠らせたいと、
女性は「でかお」を連れ帰るのでした。
それから2年、
いまも女性の家で「でかお」は暮らしているそうです。

これはすべて、実際にあった話。
獣医に聞いても原因は分からないけど、
「でかお」の身に奇跡が起こったのは事実。
合わせて、この奇跡の影では多くの命が奪われていることも事実。
「でかお」の命は、
不本意にも天に召されてしまうこととなった仲間のことを
もっともっと考えてもらうために残ったのかも知れませんね。

別に無理して犬や猫を飼う必要なんかないのです。
だけど、一度飼うと決めたのなら最後まで面倒を見る。

あとがきにもあるこの言葉を、
「でかお」の奇跡が教えてくれます。