京都*猫日和 ~猫を愛する京都人を訪ねて~

VOL.10 「お店番は草食系雄猫!?」
(2009年10月掲載)

 そろそろ秋の観光シーズン!京都散策を計画されている方、きっといらっしゃいますよね~。そこで今回は、紅葉散歩にぴったりの「哲学の道」に構える雑貨店「のび工房」の猫にゃんを紹介します。

 実はこのお店、「猫と布とアクセサリーの店」と謳っているほど、絵はがきにTシャツにバッグにと、猫をモチーフにしたグッズがいっぱい!オーナー姉妹曰く、「お店のオープンから2~3年経った頃、猫飼いたいね~と話していたんです。そうしたらある日、子猫が屋根から落ちてきて!! どうやら、近所で野良猫が産んだ子だったみたいです」。この運命的な出会い以降、猫にゃんとの共同生活がスタート。エスニックの衣料雑貨を扱っていた店にも、オリジナルの猫アイテムがどんどん増えていったとか。

【にゃんファイル】よか(雑種・オス・6才)【好物】またたび【性格】おっとり【飼い主ファイル】増本典子さん/京都在住:26年/猫同居歴:13年
お店があるのは疎水と緑の散歩道「哲学の道」沿い。カラフルな看板が目印。

 それから10数年、現在ではなんと7匹もの猫にゃんと一緒に暮らしているそうです。「捨てられていたり、迷い込んできたり、縁あっていろいろ飼ってきましたが、性格はみんなバラバラ。今いる7匹も個性派ぞろいですよ」。
 お店と奥の住居スペースは自由に行き来できるそうですが、どの猫にゃんも、ごはんを催促にくる夕方以外は奥でまったり過ごしているとか。「看板猫!?そうですね~、お店に一番顔を出すのは…」と、妹の典子さんが教えてくれたのは白黒の猫にゃん。お昼寝中を失礼して連れてきてもらいました。「名前は“よか”です。私たち出身が九州なもんで(笑)」

 野良猫だったというよか君。子猫の時、見かねた近所のおじさんが、飼ってもらえないかと相談に来たそうです。「はじめは、他の猫も飼っていたし断わろうと思っていたのですが、おじさんと話をしている隙によかがスルッと逃げ出しちゃって…。草むらに隠れているのをやっと見つけたのですが、その時に“うちの子になる?”と話しかけてみたら、じ~っとこっちを見て動かなくてね(笑)。それで、飼うことに決めたんです」。他にも兄弟が2匹いたそうですが、おじさんが戻った時には、もうイタチか何か野生の小動物に襲われてしまっていたそうです。よか君は、まさに危機一髪で命拾いをした、幸運な猫にゃんなのでした。

 今では、お店に顔を出せばたちまちお客さんに囲まれる人気モノに成長したよか君。ただ、オスなのにちょっぴり弱虫だとか。一見、白黒クッキリの模様があのバッドマンを思わせまずが、いつも穏やかでケンカもほとんどしないそうです。確かに観察していると、表情はユル~く、行動もスロ~リ~。「おっとり天然タイプというか…。他の猫たちは、夏によくセミを捕まえて見せにくるんですが、よかの場合は何かくわえてきたなと思ったら枯葉だったりして(笑)」。これはもしや、噂の草食系男子!! いや草食系雄猫!? まあ流行っていることだし、それもよかよか~。

~座布団は奪い合い!!~

のび工房(ナビゲーター:よか)

 ボクの自慢の家は、ファッショアイテムを中心に多彩な商品が揃う「のび工房」。有名な銀閣寺や法然院から歩いてすぐの「哲学の道」沿いにあるニャン!
 お店の人気商品は、ボクたちこの家の猫がモデルになっているオリジナルグッズ。ご主人様の智子さん典子さん姉妹が、アイディアを出したりイラストを描いたり、協力して作ってるニャン。制作もお店番も全部2人でこなしているから忙しそうだけど、いつもとっても楽しそう。やっぱりモデルが優秀だからかニャ~ハハハハハ!!ボクたちはだいたい奥でゴロ~ンとしているけれど、猫好きの常連さんが来てくれた時は、ちゃんとごあいさつもするニャ!はじめてのお客さんも、ボクを見かけたらぜひ声をかけてニャ~。

Data

京都市左京区浄土寺下南田町148
(哲学の道 疎水面す)

営業時間:10:30~17:30

定休日:水曜(桜、紅葉、祭日時は営業)

TEL:075-751-7173

URL:http://www.nobi-kobo.com/