京都*猫日和 ~猫を愛する京都人を訪ねて~

VOL.8 「ほっこりお宿は憩いの居」
(2009年6月掲載)

 いよいよ夏の気配が迫ってきましたね~。太陽ギラギラ、ビールグビグビ、猫にゃんグッタリ、というパターンでしょうか・・・。

 さて、今回は猫好きの定宿とも噂される「平安坊」さんにおじゃましました。JR京都駅から歩いて数分、明治時代から続くこのお宿には、ココという名前のと~ってもおとなしい猫にゃんがいるのです。
 飼い主の清水さんは3代目のご当主。今から6年前、飼い主だった近所の方が遠方に引っ越すことになり、ココを引き取られたそうです。「実はココで4匹目。家族みんなが猫好きなので、今までも迷い込んできた野良猫を飼ったりしていたんですわ。でもうちは宿ですからね。お客さんに迷惑かけないように、それだけは特に気をつけてます」。

【にゃんファイル】ココ(雑種・オス・不明)【好物】ネコ缶【性格】おとなしい 【飼い主ファイル】清水憲雄さん/京都在住:生まれてからずっと/猫同居歴:ほとんど同居生活

一般的に高い所に行きたがるのが猫にゃんの習性。でもココには食堂のテーブルにあがらないようにと、家族みんなでしつけたとか。さらにシャワーも欠かさないとのこと。「嫌がりますけどね(笑)。夏は週に1回は洗ってます。ココはとっても臆病なので外にほとんど出ないんですが、やっぱり宿の猫ですから、きれいにしておかないとね」。

 おとなしい割に、人見知りはしないというココ。「お客さんにもよくかわいがってもらっています」と清水さんはうれしそうです。「はっきりした年齢は分からないんです。うちに来たのは6年前ですが、たぶんもう相当の年だと思います」と愛しそうにココの背中をナデナデ。「かわいいおじいちゃんだね~」とみんなに見つめられ、ちょっぴり照れくさそうなココなのでした。
 アクセス抜群なうえ、朝食付きで1万円以下というお値段。そして何より「ただいま~」と言いたくなるようなあたたかさが魅力のお宿「平安坊」。老猫が憩えるやさしい空間ですもの、人間だって癒されますよね~きっと。ココファンのみならず、昔からの常連さんが多いのも納得です。

隠れてダンス♪

平安坊(ナビゲーター:ココ)

 東本願寺の門前町として栄え、ひと昔前までは旅館街だった京都駅周辺。周りがどんどん商業ビルに替わるなか、ここ「平安坊」は明治期からずっと宿業を続けてきたニャン。自慢は趣向をこらした内装。戦後の改築を機に、ご主人様が職人さんと相談して造ったそうだニャン。22室ある客室の天井はすべて違う設いだし、お風呂場のタイルには五重の塔や五山の送り火の絵がダイナミックに描かれてる。凝ってるニャ~。そして、ワシの一番のお気に入りは中庭にある朱色の橋!これには海外からのお客様も大喜びだニャン。泊まりにきたら、じっくり探検してみてニャ~。

Data

京都市下京区JR京都駅前平安町725

TEL:075-351-0650