ペットと共に生きること

必要としている人のために

さて、そんな補助犬は現在、どれくらい日本にいるのでしょう。

厚生労働省発表のデータによると、
2011年6月1日現在では、
盲導犬1067頭、介助犬53頭、聴導犬30頭。

これは、必要としている人の数から考えると、まだまだ少ない。
例えば目の不自由な方のうち、
盲導犬を必要としている人の数は1万人以上だと言われています。
しかし、現実はその一割。

必要数になかなか達しないのには、
育て上げるのに時間と費用がかかるのはもちろんですが、
ほかにも、情報がユーザーに届いていないことも
一因のようです。
先述の日本サポートドッグ協会に寄せられる相談のなかには、
「介助犬を借りるにはいくらかかりますか?」
という相談もまだまだ多いと聞きます。
しかし実際の貸与は、無料。
必要なのは迎え入れたあとの食事代や獣医代、身の回りの必要経費くらい。

そうなんです、基本的な情報でさえ、
まだまだ知られていないのです。

そして、障害を持つ人の気持ちへの理解不足も、数が増えない要因の一つ。
障害を持っている人の多くは、
社会に出て行くことへの不安が、
心の中にはいっぱいあります。

つまり必要なのは情報化だけでなく、
社会が障がいを持つ人に対して
「出ておいでよ」と両手を広げて迎えてあげること、
ではないでしょうか。
自分を待ってくれている社会へ出るため、補助犬を必要とする。
補助犬と暮らせるようになったからこそ、社会へ出て行ける。

もちろん、補助犬を育成し、
社会に役立つ犬を育てていくことも大切。
阿部さんは言います。
「私たちの仕事は、よりよい補助犬を多く育てること、
そして補助犬に関する情報を広げていくこと」と。

私たちにとっては、それらの情報にもっともっと目を向け、
より多くの人が参加できる社会にしていく、
それが役目なのかも知れませんね。

日本サポートドッグ協会
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