ペットと共に生きること

「人と動物が一緒に暮らしていく」うえで、考えて欲しいことを、さまざまな取材を通して紹介します。ちょっぴり硬い話題が多いけれど、ほんの少し、一緒に考えてみませんか?

みんなの心が、地域の輪をつなぐ

  現在「犬のおまわりさん」本部で本部長をされている中 徹さんは、当時の愛犬テツと共に、真っ先に活動を始められた方。一昨年、スタートから4年間おまわりさん第1号として毎朝のパトロールを務めたテツは、天に召されてしまいます。しかし中さんはその後も通学路に立ち、子ども達を見守り続けました。そしてその年度末、「いつも見守っていただきありがとうございます。ぜひ子ども達の巣立ちを祝ってあげてください」と学校長から卒業式に招待されたそう。
現在は2代目のおまわりさん、シーズー犬のアイちゃん(メス)と共に毎朝パトロール。ちなみにアイちゃんの名前はアイアン(鉄)のアイ。テツの意志を受け継いでいます。

 こんな話もあります。

 飼い主との散歩中に交通事故に遭い、車いす生活を余儀なくされたコーギーのポチ。やがて飼い主も亡くなり、ポチを引き取った方は、毎朝車いすのポチと散歩をしていました。その姿に、多くの温かい声がかけられるようになり、やがてポチを引き取った飼い主は「犬のおまわりさん」活動に参加することにしました。子ども達を交通事故から守ろう、という思いだけではありません。ポチなら、子ども達に「アクシデントがあっても仲間と共に強く生きる」「事故は怖いよ、気をつけよう」というメッセージを送ることができる。
ポチを介して地域に人とつながりが生まれ、そしてポチを通して子どもにメッセージを送る。ここにも温かい輪が、生まれたのでした。

 パトロールという活動を通して、犬を飼っている人いない人、子どもがいる人、通学路周辺に暮らす人、さまざまな立場の人が輪になっているのです。
自分たちを見守ってくれる犬に対し、子ども達には自然と愛着が芽生えます。「犬のおまわりさん」には、そんな子ども達からのお礼の手紙も届くのだそう。

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