「まぶた」は目の付属器として目の一番外側にあります。イヌでは「上まぶた」の先端にのみ「まつげ」が生えていますが、ネコでは「まつげ」と呼べるものはありません。イヌやネコには「下まぶた」の内側にもう1つヒトにはない第三眼瞼と呼ばれる「まぶた」があります。第三眼瞼は、一般的に「瞬膜」と呼ばれています。
目に衝撃を与えそうなものが突然目の前に現れて目にぶつかりそうになった時、また、目に入りそうな物が目に近づいてきた時、「まぶた」は反射的に閉じます。「まぶた」は、目を守るための防衛システムなのです。特に、風の強い、砂ぼこりが舞う日には、「まぶた」は目を守るために大奮闘します。もし、「まぶた」が閉じなかったなら、目は衝撃や異物をまともに受けて、目の表面(結膜、角膜)は異物(ゴミ、細菌、真菌、虫など)により傷つき、障害が強い場合には失明にいたることもあります。 れています。 |
乾燥した所で何かをじっと見つめていた時(「まぶた」を開いた状態でいた時)、目が急に乾いてきて、思わずまばたきをして解消された経験はありませんか? また、目にゴミが入った時、目に傷をした時など、目が開けられず、そして自然に「涙」があふれてきた経験はありませんか?「涙」は、「まぶた」による「まばたき運動」がないと目の表面に行きわたらなくなり、目を潤すことができません。「まばたき運動」が正常に行われないと目は乾燥して障害が出てきます。 |
目はあなたの周りのいろいろな光を感じて、多くの情報を得ています。しかし、正確な情報を得るために適度な、そして必要な光の量があるのです。 あなたがまぶしいと感じるほど周りに光が充ちている時、「まぶた」は瞬時に閉じて、目の中に入ってくる光の量を調節します。「まぶた」が光に反応して開閉するおかげで、あなたは光のまぶしさに耐えることができるのです。 |
もし、このような症状を見つけたら… 「まぶた」が攻撃を受けて傷ついているかもしれませんので、障害を受けたところを突き止め、早く治療を始めなければなりません。 「まぶた」の病気には、眼瞼円(がんけんえん、ただれ目)、麦粒腫(ばくりゅうしゅ、ものもらい、めばちこ)、睫毛内反(しゅうもうないはん、さかまつげ)、瞬膜腺突出(しゅんまくせんとっしゅつ、チェリーアイ)などがあります。 これらの病気は、動物病院での簡単な検査(触診、拡大鏡を用いた検査、感染症の検査)で調べることができ、薬剤(抗菌剤、抗炎症剤など)の点眼投与、および経口投与で治療することができます。しかし、症状によっては外科的処置が必要になります。 |