健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

愛犬と一緒にLet'sドライブ

ワンちゃんを連れてのドライブ その前にチェック!車は平気?

 普段から愛犬を車に慣れさせておきましょう。
 動物と一緒に暮らしていれば、いろいろな乗り物に乗せなければならないケースがあります。

 ケガをしたり病気にかかったとき、動物病院がすぐ近くにあれば、歩いても連れて行けますが離れていたりする場合は車で運ぶ必要が生じます。特に動物が大型犬の場合、車はなくてはならない移動のための乗り物になりますね。
 近くに犬を運動させる場所がない場合は、公園や河原に連れていくこともあります。そのときも、車での移動は必要です。
 抵抗なく車にも乗ることができれば、動物と一緒に行動できる範囲が広がります。犬も猫も、普段から乗り物に慣れさせておくことが大切です。

車を大好きな場所に

 車が大好きで、最初から抵抗なく乗ることのできる犬もいますが、なかには苦手なワンちゃんもいますし、慣れさせるためにしつけが必要なこともあります。
 最初は、止まっている車に慣れさせることから始めましょう。車の中で、食事や好物のおやつなどを与えたり、お気に入りのオモチャで遊ばせて、車を犬の大好きな場所であるようにしましょう。
 散歩の好きな犬であれば、「さあ、お散歩に行きましょう」といって、まず車に乗せます。しばらく遊ばせてから降ろし、散歩を始めます。つまり、車に乗れば、大好きな散歩ができるというふうに条件付けをして、慣らしていきます。
 次は、エンジンをかけた車に乗せます。これに慣れたら、最初は5分くらいの距離から始め、徐々に長くしていきましょう。

車の中にワンちゃんの安全な居場所はありますか?

 ワンちゃん用のシートベルトも忘れずに。
 車で外出、となれば、最優先することは何よりも「安全」です。人間も万一の事故の時に身体を守る為に必ずシートベルトを着用しますね。同じようにワンちゃんにも、安全な場所を用意してあげましょう。
 犬を車の中で自由にしておくと、体の大きな犬なら、車内のシフトレバーなどをかじってしまったり、シートを噛んでボロボロにしてしまうこともあります。また、走行中に犬が動くと安全運転が妨げられたり、急ブレーキ時に犬が危険な目にあうことにもなります。
 シートベルトは走行中の事故防止には欠かせない必需品。愛犬も同様に急ブレーキ時にケガをしたり、車のドアを開けた時に急にとび出て迷子になってしまったりしないよう、シートベルトでしっかりつないでおきましょう。

ワンちゃんを乗せる車にも工夫を

 ワゴン車の場合はケージも載せやすく便利です。カーゴネットなどを用いて動いたりしないようケージ自体を固定しておくとより安全です。ワゴンタイプでない車の場合も、後部座席にはカーシートなどを用意しておくことで、便利で安心です。シートに絡まる抜け毛や汚れなども防ぐことができ、ドライブ後の掃除も楽になります。色々なタイプ・素材のものが用意されていますので、車の車種や愛犬のサイズ、用途などを考慮し選んでください。

クレート・トレーニングをしておこう

 クレート・トレーニングとは、ケージやキャリーバッグなどの中に、おとなしく入っていられるようにするトレーニングです。特に車に乗せるときは、クレート・トレーニングができていると、とても役に立ちます。
 犬を車の中で自由にしておくと、いろいろないたずらをすることがあります。体の大きな犬がギアの頭の部分をかじったり、シートをボロボロにしたという例があります。車が傷つくのも困りますが、犬がかじったものを食べてしまうと危険です。走行中に犬が動くと、安全運転が妨げられたり、急ブレーキの時には、犬が危険な目に遭うこともあります。犬自身も、ケージに入っているほうが落ち着きます。そのためには、車に乗せる前から、クレートのトレーニングをし、ケージそのものに慣れさせておきましょう。
 車だけではなく、どんな乗り物に乗るときや預けなくてはならなくなった時も、必ずケージに入れなければなりませんので、クレート・トレーニングを必ずしておきましょう。

熱射病には要注意!

 真夏だけでなく、春や秋でも好天の日は、日中の気温が非常に高くなることがあります。そんな時は閉めきった車の中はとても危険です。
 「少しくらいなら大丈夫ね」、と安易に考えるのは絶対に禁物。駐車中の車に、少しの時間であっても車内に犬を残したままにしておいてはいけません。エアコンが切れると、車の中はあっという間に温度があがり、熱射病にかかってしまいます。
 駐車するときは、犬も必ず一緒に連れて出るようにしてください。また、車から出る時は犬が飛び出してしまわないようにしっかりリードで繋いでから出るようにしましょう。

車酔い対策も大事

 車である程度の距離を移動するときは、途中で犬のために休みをとりましょう。だいたい2~3時間たったら、車から降ろして外の空気を吸わせ、少し歩かせて排泄をさせます。車からおりて、違う景色のなかの散歩もドライブの楽しみのひとつです。無理をせず余裕をみたスケジュールで、のんびりドライブを楽しみましょう。
 乗車中は飲食させるのをやめておきましょう。特に車酔いをする犬は、乗る前には食事を与えないでください。それでも心配な時は、獣医師に相談してください。

目的地を決めよう 最初は近いところから

 最初は無理をせず、片道2~3時間以内で行ける場所を選びましょう。ワンちゃんと一緒に利用できるレストランや施設があるかどうかもあらかじめ調べておきます。
 ワンちゃんと一緒の食事ができる施設はまだまだ少ないため、食事については家族全員で屋外でも食べられるよう「お弁当」の用意をしておくと安心です。せっかくの愛犬と一緒のドライブですから、残念な思いをしないよう準備は万全にしておきましょう。

メディカルチェックは済んでますか?

 ドライブや旅行を楽しむためには「健康」であることが一番大切です。愛犬の健康チェックと予防は忘れずにしておきましょう。
(「春から夏の健康管理」を参考にしてください)

もうひとつ大切なことは「マナー」です。

 せっかくのペットと利用OKの施設が、飼い主のマナー違反のため、禁止になってしまったりしないよう、ルールとマナーを守ってください。
 初めてワンちゃんとドライブに出かける方も、何度も経験されてオートキャンプやワンちゃんと一緒に泊まれるペンションを利用される方もくれぐれも事故のないように安全第一・安全運転で楽しいドライブにお出かけください。

忘れ物はありませんか?
ワンちゃん用の食器
水(水筒)
首輪、胴輪、リード
フード
迷子札
便処理用袋
ウエットティッシュ
タオル(多めに)
ワンちゃん用のおもちゃ
ケージ(折りたたみ式のケージが便利)
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