Vol.8 大食いモモちゃん

 「ナオーン、ナオーン」ユウヒがごはんを催促している。聞きようによっては「ごはーん、ごはーん」と聞こえなくもない。(冷静なダンナいわく「絶対聞こえない」)いつものドライフードを食器に入れてやるが、ユウヒはいつも少しだけ食べて、すぐに「ごちそーさま」なのだ。胃袋が小さいのか、少しずつ何回も食べる。これが1~2時間おきなので、ひどい時は午前3時・5時でも起こされるが、ヤツには「布団におしっこ攻撃」というイヤなワザがあるので、逆らえないのだ。それなら一度にたくさん出しておけば楽じゃないの…という考えは甘ーい! というのも、うちにはもう1匹、「食いしん坊娘・モモ」がいるのだ。彼女のモットーは「あるだけ食うべし!」なので、ユウヒが残した分も全て平らげてしまう。どんなに満腹でも食べて、食べて、食べ過ぎたら…吐く。吐くとお腹がすくので食べる。食べて、食べ過ぎたら…。これ以上の悪循環があるだろうか。床、カーペット、たたみの上に、ほぼ原形をとどめたドライフードの小山ができている。どうやら噛まずに飲んでいるらしい。そんなだから、食べるスピードもユウヒの数倍早い。

ちなみにうちでは、猫缶などのウェットフードは月に3~4度だけ。二匹にとっては相当のごちそうらしく、缶の入った棚に手をのばしただけで大騒ぎである。ユウヒは足下にまとわりついて歩行を妨害、モモは「ビャー!ビャー!」と悪魔のような顔つきで鳴きわめく。あーうるさい。二匹を踏みそうになりながら、食事場所までフードを持って行き、

見よ!!このボールのような下半身。

器を置いた途端に静寂が訪れる。猫にも何にも邪魔されない、貴重な時間である…が、モモの早食いが気になって、落ち着いていられない。さっさと自分の分を食べ終えたモモは、そのまま頭を水平移動して、ゆっくりゆっくり味わっているユウヒの頭を押し出す。押されたユウヒは「もっと食べられるけど、まあいいか~」てな調子でその場を離れ、毛づくろいなぞ始めてしまう。まだ半分は残っているユウヒのフードを、モモはまた猛スピードで片づけてしまう。1時間後にユウヒがごはんを催促してきても、その時にはいつものドライをあげるので、彼は「ごちそう」をいつも半分しか食べられないのだ。


ひとこま劇場 甘え顔が一番怖いユウヒ

あまりに不憫なので、ユウヒの残した猫缶フードをモモから取り上げ、ラップしてキッチンの流しに隠しておくことにした。しかし数分後、流し台に載って舌なめずりしているモモと目が合った。「こらー、モモー!」今まで流しに上がってるのなんて、見たことなかったのにー。そこに残っていたのは、ペロンとはがれたラップだけだった。

ある日モモのウエストを測ると、なんと50センチ!絶対ダイエットさせなきゃー!しかしどーやって?この私がその難しさを1番知っているはず…。ううう。