ユウヒ&モモ育児日記

Vol.6 2匹の大脱走計画

犯行現場! ここからここに乗ろうとしていたのです!

 年も新たに、さわやかなある日の朝。「出せ出せ」うるさい猫共を、要求どおりベランダに出してやると、日なたで毛繕いを始めた。いい景色である。そして私はコーヒーを入れリビングで新聞を読む、ゆとりある素敵な時間である。ベランダ側の窓に時々目をやりつつも、興味深い記事にちょっと集中し、ふとまた窓を見ると・・・・。

「わ~~~~~っ!!ユウヒ~ッ!!!!」

最初の「わ」は声に出したが、あとは飲み込んだ。なんと窓越しに見えたのは、ベランダの柵の手すりに乗ったユウヒだったのである。手すりは幅6センチほどで表面はツルツル、我が家は10階。驚かせてバランスが崩れるとオー!ノー!なことに。なおもそこからお隣との境の壁に飛び乗ろうと、ジャンプの体勢をとるチャレンジャーぶり。「落ちませんように落ちませんように落ちませんように!」と祈りながら、静かにかつ迅速に駆け寄り、外と内から両手ではさむようにしてユウヒを抱え込んだ。心臓バクバク、冷や汗タラタラである。


当の本猫は「邪魔したな」と恨めしい視線を送っている。そういえば思い当たることがあった。というのもユウヒはリビングで棚からドア上に飛び乗る、という器用な遊びに最近凝っていたのだ。「練習だったのか・・・」以来ベランダでは絶対目を離さないのだが、スキを狙っているらしく目が合うと「ぐるる」と悔しそうなのである。

お次はモモ。彼女は宅配便が来るだけで、パニックになって押入れに駆け込む超人見知り。ある朝、仕事に行こうと玄関を出てドアを閉める前に、ふといたずら心で呼び鈴を押してみた。「ピンポーン!ほーらモモ知らない人だよ~」・・・が、視界に入ったのは、部屋奥に逃げるモモではなく、開いたドアから外に飛び出て、マンションの廊下を猛ダッシュで走り去る後ろ姿だった。いつの間にか玄関にいたのに、知らずに呼び鈴を鳴らしてしまったのだ。私のバカー!


ひとこま劇場 綱引き大会!?

大慌てで後を追ったが、外での私は他人らしく、猛スピードで逃げていく。このマンションは曲がり角や短い階段が多い複雑な構造で、モモの姿も見えたり、見えなくなったりする。「もう二度と会えないかも」と焦り、十ン年ぶりの全速力で追いかけた。が、やはり猫と人間、人間年齢で10代と30代。追いつくはずがなく見失ってしまったのだ。あきらめ半分で角のひとつを曲がると、上り階段を「よいしょ、よいしょ」とよじ上るモモがいた。食べすぎで最近出てきたお腹が、段の角にこすれている。ああ情けない。難なく追いつき、抱いて部屋に戻ると、やはり押入れの奥に逃げ込んだ。「一緒にダイエットしような」と声をかけると、寝転んでこっちを見ていたユウヒの口元が笑っているように見えた。やなやつー。