ご長寿猫ブログのスターたち 21

1995年11月。

 先住猫がひとりで寂しそうなので、迎えたのが「ちび」でした。ふたりはすぐ仲良くなり、それからの16年、いつも一緒、苦楽を共にしてきました。
 頼もしい兄猫の側で安心しきった表情で眠る「ちび」、頼もしいけど意外と病気がちだった兄猫に、いつも寄り添い毛繕いをしてあげる心優しい「ちび」、私が泣いていると、そっと側にいてくれるのも「ちび」で、「ちび」の優しさは、後からやって来た若い子たちにももたらされ、その心、労わり慈しむ心は、下の子下の子へと引き継がれています。

2011年6月。

 兄猫が亡くなり「ちび」は激変しました。豊かだった表情を失い、食べることを放棄し、ただ虚ろに佇む「ちび」。心配して弟猫が寄り添っても無反応でした。あれほどまでに愛情深かった「ちび」が、愛する心を失ってしまったのです。
 そして、このとき私も、半ば「ちび」と同じような状態にありました。そのため、大事なときに十分なケアをしてあげられなかったことが悔やまれます。気付くと、目の前にいるのは痩せた身体に精気のない顔の「ちび」。そして除々に、認知症のような症状が顕われてきました。徘徊や鳴き声です。
 それでもその後食欲を取り戻し、顔にも精気が戻ってきたので安堵していました。「ちび」らしい”くりんくりん”の真ん丸オメメが復活したと喜んでいました。それなのに・・・その目が見えていないなんて・・・。2012年、夏の出来事でした。

2013年、春。

「ちび」18歳を迎えます。夜毎オムツの交換と、ごはんをあげるため数時間おきに起きますが、辛いと思うことはありません。こんなにまで一緒にいてくれてありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです。
 腎不全は進行していますが、食べられるときにはしっかり食べてくれます。視力は失いましたが、家の中では次第に自在に歩けるようになってきました。
 若い弟や妹たちが騒々しいけれど、その分若さのお裾分けに期待。「ちび」を通してみんなが見に付けてきた労わりの気持ちは大きな猫団子となって、「ちび」の身体と心を温めてくれます。
 だからお願い腎不全さん、あまり急がないで(笑)。たいせつな愛しい日々。少しでも永く続きますように。