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Q&A

発情出血後、食欲がありません

はじめまして。今回初めて書き込みをしますよろしくお願いします。8ヶ月になるキャバリア(小麦)を飼っているのですが6ヶ月の時生理がきて、それ以来今まで食べていたごはんを一切食べてくれません。しかも量も少なく、私達の手のひらでしか食べないし、それでもスムーズに食べてくれないのでとても苦労しています(^_^;)
このような状態が1ヶ月以上続いています。獣医さんに相談した所、想像妊娠でまだ生理のような状態が続いていると言いますが、まだまだ成長期ですしとても心配しています。元気はあるのですが・・・。このような経験をされた方がおられましたら、お話を聞かせて頂けないでしょうか?
よろしくお願いします。

 初めての生理というか、発情出血があり、それ以降食欲がないのですね。犬の発情周期は発情前期・発情期・発情休止期そして無発情期の4段階に分けることができます。
 発情前期というのが、いわゆる飼い主の方が生理と考えるもので、血液様の粘液が陰部から見られるものです。これがだいたい1週間前後(個体差があり、2週間以上続く犬もいます)続いた後に、発情期となります。
 発情期は簡単にいうと排卵がおき、雄犬と交配した場合に受精することができる期間です。
 発情前期から発情期にかけて、エストロジェンというホルモンが盛んに分泌されるため、この影響で食欲が一時的に低下してしまう犬がいます。特に初回の発情時には良くみられます。

 発情期の間に交配・妊娠が成立しなかった場合、発情休止期に移行します。この時期は犬では約2ヶ月間続きます。この発情休止期には、黄体ホルモンがゆっくりと低下していく時期なのですが、この黄体ホルモンの影響で、中には偽妊娠状態になってしまう犬、つまり、乳腺が発達し乳汁を分泌したり、暗くて狭い所を探して巣作り行動をしたりという行動が見られます。また、中には神経質になる犬もいます。そして、ご質問のワンちゃんのように、食欲が低下してしまう犬もいます。
 動物病院に行かれ、身体検査上などで異常が無かったのであれば、このまま様子をみられても良いでしょう。ただ、発情を重ねるに従って、このような様子が見られなくなる子もいますが、ずっとそれが続く子もいます。そのような場合には、交配をされるか、あるいは避妊について考慮されてみられるのも良いでしょう。
 また、年齢を重ねますと、避妊していない雌犬は子宮疾患にかかりやすくなってしまいます。特に、発情休止期の時期には黄体ホルモンの影響で免疫力が低下して、子宮蓄膿症などにもかかりやすくなりますので、食欲が若干低下するだけでなく、発熱や元気がなくなる、お水をよく飲むというような様子がみられましたら、すぐにかかりつけの動物病院に行かれるようにしましょう。