健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

Q&A

ペットがご飯のときなど何でも欲しがるので、困っているのですが、、、

コーギーの3歳(♂)を飼っているのですが、とにかくご飯のときなど、何でも欲しがって、欲しがって困っています。かわいくおねだりする姿には私も非常に弱いのですが、、、。どうにか上手なしつけの方法はないでしょうか?

「かわいくおねだりする姿には私も非常に弱いのですが、、、。」とありますが、その「可愛さ」にまけて、おいしい食べ物を与えてしまったのではありませんか?食卓の上にある食べ物をついつい与えてしまった、という経験のある飼い主さん、案外多くおられるのではないかと思います。まずは「しらんぷり作戦」から始めてみましょう。

ワンちゃんと目を合わさず、無視。(甘い心はグッと押さえて)さっさと自分たちの食事を済ませてしまいましょう。その後で「はい。あなたのご飯の時間よ」と食卓と別の、ワンちゃん専用の食事場所を決めておき、その場所でフードを与えましょう。また、食事をする間は、別の部屋でお気に入りのおもちゃを与えておく、ケージに入れておくなどして、食事の場からできるだけ離しておくのも良い方法です。最初は食べ物をもらいたくて「催促」の行動(吠えたり、なかには暴れたり)もありますが、ここは我慢です。もちろんあなた以外の家族全員がこのことを理解して方針を守ってください。「私はワンちゃんに嫌われたくない」といった、抜け駆けをする方がいると、また元に逆戻りしてしまいます。

このように、このご相談の最大の解決方法は「ワンちゃんをどうにかする」というより、飼い主さんの意識・考え方を変えてもらうことなのです。一度おいしい味を経験したワンちゃんは、また食べたいと思って一生懸命にあなたに「催促」します。その催促に応えてしまい「しかたがないわ、少しだけならいいかしら…」なんて思ってしまっては、それこそワンちゃんの思惑通りになってしまいます。

「ねだるワンちゃんに食べ物を与える」という行為は、「犬を喜ばす」というより、「犬が喜ぶ姿を見たい」という飼い主さん自身が「満足」を得るための場合がほとんどなのです。人間と犬が必要とする栄養は同じではなく、また、タマネギ類などは犬が口にすると中毒症状をおこしてしまいますし、塩分が多い食べ物も犬の食事には不適切です。人間の食べ物を安易に与えることは、結果的には犬の健康管理の面でもよくありません。

正しい食事の習慣を飼い主さん自身が守り犬の健康を守ってあげてください。