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Q&A

皮膚病?

こんにちは。始めて書き込みします。
うちにはMIXのメス、オス猫とゴールデンのメスがいます。今回はMIXの6ヶ月になるメス猫についてです。捨て猫だったのですが、拾ってきた時におでこのちょうど真ん中あたりにイボのような出来物がありました。その突起物の所は毛は生えていませんでしたが、あまり気にはしていませんでした。でも不思議な事にいつの間にか消えていました。かと思ったら、今度は数が増えて2~3個くらいまた頭のおでこ辺りに出来たのです。コブとは違って痛がらないし、皮膚自体についているようでひっぱったりすると一緒に動くし摘めるんです。
 
 2度目の時に医者に見せましたが、はっきりとはわかりませんでした。しかしこれもまた1ヶ月程で無くなってしまいました。もうでないかなと思っていたら、今度はこれまでで一番ひどく、6~7個。しかも耳の付け根に対で左右にもあり、目の上辺りまでの広範囲でした。さすがにお医者さんも首をかしげてしまい、病理解剖にだしたいけど、頭の皮膚を切り取ると範囲が広すぎるので皮膚移植になると言われ、結局そのままに。でもそれから1ヶ月半程でまた自然に消えたのです。

 今度こそもう終わりかと思っていたのですが、11月後半くらいから口の右側が膨らんできました。口の付け根に移動したようなんです。どんどん腫れて化膿していきました。それからは抗生物質を与えたりする毎日です。今は右側の腫れはひいていますが、口の中央、現在は左側と治っては移動、を繰り返しています。他にこんな症状がある子っているんでしょうか?
とても長くなってしまいましたが、どなたが似たような経験をされている方ご意見をください。

 頭部にでたり、なくなったりするイボのようなものがあるとのことですが、その表面には赤みやカサブタのようなものはあったでしょうか?また、痒みは如何でしょうか?
 

皮膚病には下記のように幾つもの原因があります。
1.細菌や真菌、あるいはウィルスといった感染症
2.虫に刺されたり、食事があわなかったりすることからのアレルギー性疾患
3.外部寄生虫疾患
4.自己免疫性疾患
5.内分泌性疾患
6.腫瘍性皮膚疾患
7.特発性(原因が不明なもの)

 このため、何が原因でその病気が起こっているのかを順序だてて検査していく必要があります。皮膚のイボのようなものが出たり、消えたりするというような場合には、体調の変化に合わせて出るということもありますので、アレルギー性疾患の場合やなんらかの感染症の場合などが疑われます。その他には腫瘍の種類によっては出たり消えたりするものもあります。イボのようなものが出た時に全部を切除するのではなく、その一部を切除し、病理組織学的検査というもので、イボのようなものを作っている細胞がどんな種類なのかなどを検査してみると良いかもしれません。それで、もし原因が分かれば治療計画を立てていくこともできるかもしれません。

 口の中の病変部は皮膚のイボのようなものができるのと、同じ原因でできているのかもしれませんが、まったく別の原因でできているのかもしれません。ご質問の猫ちゃんはワクチン接種をされていますか?猫の口腔内潰瘍ができる原因でもっとも一般的なものに猫カリシウィルス感染症があります。このウィルスに感染しているかどうかの検査を行ってみるのも良いかもしれません。その他に口腔内に潰瘍性病変ができる場合には時に原因不明のこともありますが、栄養不良や皮膚の場合と同じようになんらかの感染症、自己免疫性の疾患などがあります。どの原因でできるものであっても、潰瘍ができる位置が変わってくることがあります。
皮膚と口の中のものは原因が同じものかもしれませんが、違うかもしれません。ただ、口の中に炎症があると、食事を取りにくくなったり、元気がどんどんなくなったりということもありますので、できれば原因がなんであるかを検査し、しっかりと治療をしていかれると良いでしょう。