健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

Q&A

停留精巣について教えてください

 ミニチュアダックスのオス4歳を飼っているのですが、停留精巣という事がわかりまして、手術をしたほうが良いのか迷っています。何ヶ所かの病院に連れて行ったところ、「そのままでも大丈夫」の所と「早めの手術がいいですよ」と意見が様々でして、とても悩んでおります。

 同じ様な悩みを持つ方、あるいは停留精巣の手術を経験したワンコを飼っている方、良いアドバイス頂けたら嬉しいです。

 停留精巣の手術で迷っておられるとの事、麻酔のリスクさえ納得できるのであれば手術を早期に行なったほうが推奨されています。

 なぜなら、停留精巣を持っている犬では、中年齢から高年齢になった際、その精巣が腫瘍化する可能性が高いためです。精巣の腫瘍化は、犬では割と多いものですが、停留精巣の犬の場合、そうでない犬に比較し13倍もの危険性があると報告されています。

 通常の犬の場合であれば、目で見えるところが腫れてくるため割合早くに発見される事となりますが、停留精巣の場合、目で見えにくい部分にあれば発見されにくく、手遅れとなってしまう可能性があります。

(一部の精巣腫瘍は、骨髄抑制作用のあるホルモンを分泌するため、腫瘍という病気だけでなく、それに付随する貧血や白血球の減少、血小板の減少などに伴う症状がでてしまい、大変辛い予後となってしまうことがあります)

また、停留精巣は遺伝性であると考えられているため、その犬のためだけでなく、今後生れて来る子犬のことを考えると、去勢を行う事が強く勧められます。