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Q&A

心臓病のワンちゃんのケアについて

14歳のトイプードルです。今年の夏咳をするようになったので、気管支の病気かと思ったら心臓病との診断でした。毎日薬をのませ、ドッグフードも心臓病サポートに変えました。寝ていて起きたときに、咳が出ますがあまりひどくはなく、食欲もあり、散歩にも行きたがります。でも14歳ですし、これから寒くなるし、同じ病気の子を飼ってらっしゃる方は日ごろどんなことに気をつけているのでしょうか。どうかアドヴァイスお願いします。

 ご質問の方の愛犬は14歳との事、犬も人間とおなじで体の機能が年とともに衰えていきますので、心臓だけでなく生活全般もちょっとした事に気をつけていきましょう。

定期的な健康診断・心臓の状態をチェックしましょう
 加齢とともに体は徐々に衰えていくため、他の臓器に異常はでていないか、心臓のお薬の量や種類の変更が必要ではないか、あるいは、お薬の副作用がでていないか、といったことをチェックしていく必要があります。

 このため、定期的に動物病院で診察を受け、今の愛犬の状態がどのようなものであるか、お薬の量や種類は加減しなくてよいかどうかを主治医の先生にチェックして頂くようにしましょう。

お薬の飲ませ忘れをしないようにしましょう
 『お薬は主治医の先生の指示に従って、飲ませ忘れなどないように注意しましょう。』
これはとても当たり前のことですが、毎日のことなのでつい忘れてしまう事があるかもしれません。   
心臓病のお薬は、弱ってきた心臓の負担を軽くするためのもので、この効果はある一定の時間しか続きません。
お薬を飲ませ忘れてしまったり、急に中止したりしますと、薬によって軽くなっていた負担が心臓に急にかかってくることがあり、症状が一気に悪化してしまうことにもなりかねません。
1週間分用のピルケースやカレンダーなどを利用してお薬の飲まし忘れのないように注意しましょう。

季節の変わり目は咳がでやすいもの
 秋や春といった季節の変わり目は咳がでやすくなってしまいます。あまり咳が酷くなるようであれば体に負担がかかってしまいますので、このような時にはお薬の微調整が非通用になってくることもありますので、咳が頻繁にでるようであれば、主治医の先生にご相談してみましょう。

肥満に注意
 秋から冬にかけては、寒さに対抗するために食欲が増えて脂肪がつきやすくなってしまいがちです。でも、肥満になってしまうと、重くなった分、脂肪が増えた分だけ心臓の負担が増えてしまいます。カロリーをしっかり計算して、太り過ぎないように注意しましょう。

散歩は愛犬の好みで
 散歩を全くさせずにいると、足腰も早く弱ってしまいますし、散歩の楽しみもなくなってしまいます。愛犬が散歩に行きたがるようであれば、連れて行ってあげましょう。

 ただし、走ったりしようとするのは飼主の方が止めてあげましょう。また、他の犬とあったりして興奮しすぎるようであれば、散歩を中止し(抱き上げたり、興奮する原因から離したりして)落ち着かせるようにしましょう。

気温差に注意を
 気温差が激しいと、心臓にもそれだけ負担がかかります。急に寒い所へ移動したり、寒い所から急に温かい所に移動したり、ということは避けるようにしましょう。
散歩の時などは服を着せて保温を心がけるのも一つです。また、ほんのちょっとした移動、トイレに行かせる時など、トイレがある場所もできるだけ温かくするよう心がけてあげましょう。