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Q&A

生理の終わりについて

うちの3歳のポメラニアンは、生理になって3週間位たった、もう出血は終わりかな?と思う頃に必ずベタッとした小豆色又はチョコ色のものが出ます。そして特に冬の場合は、おしっこをしたシートに2~5ミリ程の同じようなべたっとしたものが付着することが1週間近く続きます。獣医さんに聞いたところ「生理の名残かも。様子を見ましょう。ただ毎回そういう事が続くようなら将来病気になる可能性が高いから手術した方がいいかもしれない。」との事でした。生理の終わり頃がうちの子と同じようなワンちゃんは、居るでしょうか?

 犬の生理(発情出血)は人の生理(月経)とはまったく異なるものとなります。
人では排卵後に受精しなければ、着床の準備として作られた子宮内膜がはがれることによって出血および剥離した内膜がみられ、これを生理と言っています。

しかし、犬では内膜の剥離はありません。
犬における生理(発情出血)とは、排卵前にホルモンの影響によって子宮内膜が充血し、そこから染み出してくる血液と子宮内からの分泌液のことなのです。このため、犬では通常ですと、発情出血の最初はやや粘稠性の赤褐色の液体がみられますが、次第にさらさらとした感じの赤色からピンク色の液体がみられることになります。

 ご質問の愛犬のベタッとしたものがどのようなものか、メールだけでははっきりとはしませんが、通常の発情出血とは異なっているように思われます。もちろん、犬にも個体による差がありますから、愛犬の染み出してくる血液の量が多いために血液が凝固してベタッとしてものがみられる、と言う可能性もあります。しかし、子宮内や膣におけるなんらかの感染・卵巣の異常なども同様に疑われます。特に犬では中年齢になってくると子宮蓄膿症や子宮内膜炎、卵巣腫瘍などの心配もありますので、将来的に子供をとる予定がなければ主治医の先生のおっしゃるように早めに手術をされた方が良いかもしれません。