健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

Q&A

炬燵布団にオシッコをしてしまい困っています

寒くなってきました
炬燵の時期、あーまた悩みの季節我が家の1才4ヶ月のネコトイレそれもオシッコを炬燵布団にやってしまいます。
炬燵の布団が無いとちゃんとトイレに入ってくれますどうすれば、覚えますか?炬燵布団は新しいです。それと、ニャンコは怪我してた猫を保護した猫です

猫の尿はきつい匂いがありますので、炬燵布団に粗相されるとちょっと悲しくなりますね。しかも新しいとは、更に切なくなるかもしれません。でも、決して猫を叱ってはいけませんよ。猫が粗相するには猫なりの理由があるはずですから、その理由を突き止めそれに応じた対処をしていきましょう。

1.身体に異常がないかどうかをチェックしましょう。
 まず、愛猫の排尿状態(姿勢・回数・匂い・量など)にいつもと違った様子はありませんか?膀胱炎や尿道炎などがあるといつもと違った場所に排泄してしまうことがありますので、少しでもいつもと違う様子があれば一度動物病院で診察を受けてみましょう。

2.避妊・去勢をしましょう。
 愛猫は避妊あるいは去勢をしていますか?もし、まだされていないのでしたら、発情に伴うマーキング(スプレー行動)かもしれません。特に雌猫では発情の前にスプレーと言うほど匂いのきつくない尿をいつものトイレとは違った場所にしてしまうことがあります。これを防ぐには避妊あるいは去勢を行ってみるのも一つの方法です。
100%なくなるとは言えませんが、中には避妊あるいは去勢手術後に治まる子もいますので、将来愛猫の子供を作る予定がないのであれば、様々な病気予防も兼ねて早めに避妊・去勢をされることをお勧め致します。

3.トイレの数・環境を見直しましょう。
排泄行為は生命にとって不可欠な行為ですが、排泄している瞬間と言うのは意外に無防備なものです。個性豊かな猫ではトイレの好みが激しい子もいますね。このため、粗相をしがちな猫の場合ではトイレの形態、砂の種類、置き場所など様々に工夫して愛猫にとって安心して気持ちよく排泄できるようにしてみましょう。
 飼育されている猫のトイレは飼われている猫の数+1が最良とされています。一頭だけ飼育されているのであればトイレは2個、2頭ならばトイレは3個用意するようにしましょう。トイレの形態にしても、カバー付が好みか、浅めが好みか、深めの方が良いのかなど試してみるのも。
 トイレの砂を見直してみるのも一つです。愛猫がどんな砂を最も好むのか、いくつかの種類で試してみて、トイレが愛猫にとって快適なものとなるように探してみてください。  
愛猫の好みの砂が見つかれば、それをたっぷり入れ、また常に清潔であるように気をつけましょう。
誰でも食事場所がトイレに近いと嫌ですよね。トイレの置いてある場所は食事場所から遠くしておくのが猫に対してのエチケットですよ。また、騒々しい場所、誰からも見られるような場所も嫌がることがありますので、愛猫が落ち着いて排泄できる場所にトイレを設置してあげましょう。

4.粗相しても叱らないで!
 愛猫が粗相しても決して叱ってはいけません。叱られることがストレスとなってしまって余計に体に負担がかかったり、隠れて粗相してしまったりということが起こるかもしれません。また、排泄自体を我慢して膀胱炎になってしまうことも起こるかもしれません。粗相した時には叱らずに、素早く粗相した場所をしっかり洗浄するようにしましょう。この時に酵素系の洗浄剤を使用すると猫の尿に含まれている蛋白成分などが分解されるので匂いが残りにくく、またその匂いを目印に同じ所に粗相するのを防ぐことができます。
 
5.ある特定のものに粗相をする場合は・・・
 猫の中には柔らかなお布団、クッション、炬燵布団はては洗面所に向かって、などなど特定のものや場所を狙ってそこで粗相をする子もいます。どうやら、この場合は愛猫がその特定の物の感触や場所がトイレに最適であると考えてしまったようです。
(私もお気に入りの特大ビーズクッションに何度も尿だけでなく便までされてしまったことがあります。)こんな時には猫の嫌がる感触のもの(肢に張り付くようなものやごわごわしたものなど)でカバーをしてしまうとそこでしなくなってしまうことがあります。あるいは、その場所で毎回おやつあるいはフードを与えるようにしたり、マタタビなど猫が好むものをそこで与えたりするとその場所での排泄をやめてしまうことがあります。
 また、使用していないときには片付け、使用している時には愛猫から眼を離さないようにして、愛猫が排泄しそうな素振りをみせたら、すかさず抱き上げトイレに運び込み、排泄したら褒めてあげるという風にしてみるのも良いでしょう。

 これでも無理な時には人間が妥協して、それを使用することをあきらめる必要がでてくるかもしれません。別個の人格(猫格?)をもった命を暮らすときには妥協が唯一の解決であることも・・・。