健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

Q&A

甘噛みを止めさせたい

はじめまして。
わたしは生後2カ月ちょっとの柴犬の女の子を飼ってます。甘噛みがひどくて困ってます。かなり強く噛むので加減を教えたく、ありとあらゆることを試していますが、なかなかわかってくれません。
わたしをリーダーだとわからせる為に頑張ってますが、まだまだ信頼関係が出来てないのでしょうか・・・友達のように思ってるみたいです。
2カ月ほどの子犬にわたしの思いをわからせることが無理な話なのでしょうか・・・悩んでおります。

生後2ヶ月の子犬、人間でたとえると幼稚園児のようなもので、心も身体もまず成長していくことが大切な時期です。子犬を育てるのは早送りで行う子育てのようなもの。気負って様々なことを覚えさせようと思っても発育の過程にあるのですから、すぐに覚えることはないのです。まだ、群れの構成を理解できる年齢ではないと思って、最初はリーダーというよりはお母さんになって基本的な項目だけを教えることが大切と考えて少しだけ方の力を抜いて気楽に育てていきませんか?頑張りすぎたり、あれこれやりすぎたりすると愛犬ともども疲れてしまうこともありますよ。
 ご質問の甘噛みは親犬や兄弟犬が一緒にいれば自然に覚えるものです。では、どうやって親犬や兄弟犬が甘噛みの力加減を相手に教えるか、というと強く噛みすぎたら『痛い』という意思表示をし、それでも強く噛むようであれば『一緒に遊ばないよ』、と相手から離れることで教えているのです。甘噛みの力加減を教えるのは、実はとっても簡単な方法なのです。ただ、これを毎回毎回続けていくことが大切なのです。
 例えば愛犬があなたに噛み付いたとして、それが痛ければ鋭い声で『痛い!』もしくは『ダメ』と叱ること、それでも続けて噛むようであれば口の部分を軽くつかんで『ダメ』と叱るのです。この時決して強く口をつかんではいけません。また、あまりにも愛犬が興奮しすぎてダメと言う静止の声も聞こえないようであれば愛犬のそばから数分から十数分あなたが別室に行って愛犬が落ち着くまでそばに行かないようにするのも良いでしょう。これを続けていくことで噛んだら相手が嫌がる、一緒に遊んでくれなくなると子犬が学び、強く噛むことはなくなってきます。決して体罰を行ってはいけません。人間の手は子犬の身体に比べて強く、大きなものです。これを忘れないでください。
また、犬は人間と全く同じと言うわけではありません。犬はどのように考え、行動するものなのかということを知り、幼い愛犬に思いをわからせようとするのではなく、愛犬が喜んで思いを察してくれるようにするためにはどうしたらよいのか、を考えてみられると良いかもしれません。
一人で本を読んで考えていても煮詰まってしまうことがありますよね。こんな時は子犬のしつけ教室や愛犬のしつけセミナーなどに参加してみられると、どのように子犬に接すればよいのか、この年齢ではどの程度のしつけが必要なのか、あるいはどこまでならしつけられるのか、が体感できることがあります。機会があれば是非参加してみてください。