健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

Q&A

おしっこ・うんちをしなくなりました

4ヶ月のシーズーの雄を飼っているあられです。一人暮らしで朝から夜までおりこうにお留守番をしてます。前はちゃんと中でおしっこをしていたのに、このごろ自分の家だと認識したらしく中でおしっこ・うんちをしなくなりました。11時間もしないのです。膀胱炎になるんじゃないかと心配です。昨日からちびちび30分おきにおしっこをしているのですが、これって膀胱炎?それともマーキングですか?

~まず動物病院へ行きましょう~
 生後4ヶ月の子犬が以前は家の中でトイレをしていたのに、最近は家の中ではトイレをしなくなってしまったけれど、昨日から30分おきにおしっこをしてしまっているとのこと。
 問題点の第一は30分おきに排尿をしていることと、第二は家の中で排泄をしなくなってしまったことのようですね。
このように間隔をおかずに排泄してしまうことを頻尿といいます。頻尿になる原因はマーキングということもありますが、ご心配の膀胱炎やその他の病気が原因でお水をよく飲むようになり、そのため排尿回数が増えているということも考えられます。体調が悪くてもそうといってくれない愛犬たちのためにも、いつもと少しでも違うことがあれば念のために動物病院で診察を受けてみましょう。
※ 愛犬の健康管理のために、1日の排泄回数、一回あたりの排尿量、そして一日の飲水量を毎日チェックするようにしておくと良いでしょう。頻尿と一言で言っても、一回の排尿量が少ないか、多いかによって疑われる病気の種類も変わってきます。

~排泄の問題の原因を探してみる~
問題点の2番目である家の中で排泄をしなくなってしまったことですが、これは何かきっかけがないか、またトイレの場所は適切かどうかをよく考えてみましょう。
家の中で排泄した時に誰かが叱ったり、何かで怖がらせたりしてしまったということはありませんか?あるいはお外で排泄した時に褒め、家の中で排泄した時には褒めなかったということはありませんか?
排泄は身体にとってとても大切な行為ですが、排泄時の姿勢は無防備に近いため怖がらせたり、叱ったりするとその場所では中々しなくなってしまうことがあります。また、愛犬は飼い主に褒められることはとっても嬉しいし楽しいことなので、褒められるようにと一所懸命になったりもします。家の中で排泄した時には褒められず、外でした時に褒められると、それを覚えていて、褒められるように家の中では我慢してしまうことがあります。このようななんらかのきっかけを作ってしまったということはないか、ご家族で考えてみましょう。きっかけがわかったら、それを改善しつつ一からトイレトレーニングを始めてみるようにしましょう。
排泄の問題があるときにはトイレの設置場所が原因であることがあります。トイレの場所がフードやお水を与える場所に近いと、愛犬もやっぱり嫌なものです。また先ほど述べましたように排泄時の姿勢は無防備に近いため、トイレは愛犬が安心できるような環境にする必要があります。これらのことを一度見直し適切な場所にトイレを設置するようにしてみましょう。

また今後、飼い主の方が家の中で排泄して欲しいのか、それとも全くして欲しくないのか、という方針をしっかり立て、家族全員がその方針に沿うようにする必要があります。そうでないと愛犬が混乱してしまう原因にもなってしまいますので、注意しましょう。
ただ、個体差もありますが生後半年以上を過ぎるまで愛犬の身体はまだまだ未熟なもの。このため、長時間トイレを我慢させると身体に負担がかかってしまうため、例え外で排泄するようにしつけようと思ってもしばらくの間は家の中に排泄場所を作ってあげるようにするか、こまめに外へ連れ出すようにしましょう。
※ 近年犬の寿命はどんどん延びています。一つの命と伴に暮らす時間が長くなれば、何かあった時に柔軟に対応できるようにしたいもの。どこかに一緒に旅行に行く時や病気にかかって入院しなければならなくなったときなどのために、できれば室内で排泄できるように、あるいは掛け声で排泄できるようにトレーニングしておくと良いでしょう。