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「結膜」~目の異常を知らせる シグナル~

結膜断面図  結膜はまぶたの裏側(眼瞼結膜)、瞬膜の表面(瞬膜の結膜)、白目(球結膜)を覆う粘膜組織です。結膜はまぶたと眼球を保護し、まぶたと眼球を結ぶことにより目の動きを円滑にする働きも有しています。

 まぶたと眼球の間の結膜は袋状になっており、「結膜嚢(けつまくのう)」と呼ばれています。「結膜嚢」は常に涙で満たされており、まばたきによる眼瞼結膜と球結膜の摩擦は、涙の潤滑作用により和らげられています。また、「結膜嚢」にはいろいろな異物が入ってきます。ほとんどの異物は涙の浄化作用により除かれますが、砂、ほこりなどが入ってきたときは、それが一瞬であってもまばたきによる摩擦により結膜が傷つく場合もあります。
白目の図

※ワンちゃん、ネコちゃんには、上眼瞼、下眼瞼(上下まぶた)の他に第三眼瞼(瞬膜)があります。瞬膜は目の鼻側にあり、形状はT字状の軟骨でつくられています。

 通常、球結膜のことを「白目」と呼び、「白目の病気」とは「結膜の病気」のことをいいます。「結膜の病気」は目の病気の中で最も日常的にみられる病気です。
 結膜は、目の中に入ってきたほこり、砂、土、ゴミ、木クズ、草、花粉、まつ毛、虫、目に悪影響を及ぼす薬物、微生物などのほとんどの異物に反応します。これらの異物が目に入って、白目が赤くなった経験はありませんか?
 このようなときには、結膜は目の異常を知らせているのです。
結膜充血と結膜浮腫 ワンちゃん、ネコちゃんの目を見たとき、「白目」が赤くなっていませんか?「白目」が水ぶくれ状態になっていませんか?目の中では、今まさに異常事態が起こっています。 「白目」が血走った状態を「結膜充血(けつまくじゅうけつ)」といいます。一般的には、「赤目」、「血目」などと呼ばれており、最もよく遭遇する機会の多い症状です。しかし、真っ赤な血が「白目」をおおうように面状にみられた場合は、結膜下出血が疑われます。
 「白目」が水ぶくれのような状態を「結膜浮腫(けつまくふしゅ)」といいます。
 また、眼瞼結膜の充血はまぶたを裏返しにすることにより観察できます。眼瞼結膜の浮腫ではまぶたが腫れた状態になり、浮腫がひどい場合には結膜の突出(結膜が飛び出た状態)がみられます。

結膜炎とは?

 動物病院に来院するワンちゃん、ネコちゃんを対象に行った目の病気の調査において、最も多い病気としてあげられたのが「結膜炎」です。
 「結膜炎」は、目の中には入ってきたほこり、砂、土、ゴミ、木クズ、草、花粉、まつ毛、虫、目に悪影響を及ぼす薬物、微生物、太陽光およびその反射光などに結膜が反応して生じた炎症のことをいい、結膜充血、結膜浮腫、膿性の目やに(膿のような目やに)、涙を流すといった症状を示します。「結膜炎」では症状の程度によりかゆみや痛みを伴うことから、ワンちゃん、ネコちゃんは不快感とイライラ感から足で目をかいたり、壁や柱に目をこすりつける行動をとることがあります。

アレルギー性結膜炎
花粉、室内のちり、ダニ、薬品などが原因で起こります。全身的なアレルギーに付随して起こる場合もあります。特に花粉が大量に飛ぶ2月~5月頃に多くみられ、結膜充血と結膜浮腫に加え、目のかゆみがみられます。花粉によるものは通常両眼に症状がみられます。
細菌性結膜炎(はやり目)
細菌の感染により起こります。白目全体が充血し、膿性の目やにがたくさんでるのが特徴で、症状の程度によりかゆみや痛みを伴います。進行するのが早く、ひどくなると涙を流し、目は閉じたままの状態になります。
ヘルペスウイルス性結膜炎
ネコの目の病気の中で最も多く見られる病気です。結膜充血、結膜浮腫が起こり、液状または膿性の目やにがでます。
乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん)
涙の分泌量が病的に減少し、目が乾くことにより起こります。角膜の炎症を伴うことから乾性角結膜炎といいます。結膜充血と目やにがでるのが特徴で、はじめは糸を引くような目やにがでるようになり、ひどくなると目やにが目全体を覆うようになります。
目の正面図
目の断面図
目のチェックポイント
涙で目のまわりの毛がぬれていませんか?
目が乾いていませんか?
目を細くしてまぶしそうにしていませんか?
まぶたが軽く震えていませんか?
まぶたが腫れていませんか?
目やにがたくさん出ていませんか?
白目が赤くなっていませんか?
角膜が白くなっていませんか?
黒目が白くなっていませんか?
まつげに異常はないですか?
1つでも、チェックがついたら、すぐに動物病院へ…獣医さんに診てもらいましょう!