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かゆい皮膚病にどう対処する?

皮膚病のコントロール

 本格的な夏に向かって気温も温度も上昇し始める頃は、高温多湿を好む寄生虫や細菌の活動が盛んになり、しつこいかゆみを引き起こすノミやダニも活発化して、愛犬・愛猫を大いに悩ませることとなります。
 かゆみには多くの原因が関与します。かゆみのさまざまな要因を取り除くことを考え、環境の整備、食事管理、シャンプー、投薬などを動物病院の先生の指示のもとに取り入れてみましょう。

かゆみの原因を探る

かゆみの発現

 愛犬・愛猫が体をかきむしっている様子や、皮膚が赤くただれていたり、毛が抜けてきた姿は、見ていてとてもつらいものです。このような皮膚病を引き起こす原因として、第一にノミやダニなどの外部寄生虫の感染が考えられます。犬や猫は、かゆみのために皮膚を噛んだり、ひっかいたりしますが、それで傷ついた部位に今度は細菌が感染し、化膿してしまうこともあります。

 また、最近増えているかゆみの原因として、アトピーやアレルギーがあげられます。アトピーは体質が関与しています。
 またアレルギーは、そのもととなるアレルゲンに、ノミ、花粉やチリ、食物などがあり、これらが組み合わされ、積み重なることで症状が現れるといわれています(図)。

かゆみへの対処法

表 アレルギーの原因となる主な食物

 ノミやダニなどの寄生虫感染予防をきちんと行っていても、相変わらずかゆい、という現象はよくみられます。かゆみにはいろいろな原因が考えられますので、先生の診断に基づいて食事を変えてみたり、こまめにシャンプーを行い皮膚を清潔に保つように心がけたり、さらには薬で炎症を抑えるなど、さまざまな対策が必要になってきます。

 かゆみの原因の中でも食物アレルギーは、ノミなどの外部寄生虫によるアレルギー、アトピーに次いで多く、犬猫のアレルギーの10%~20%を占めています。オメガ-3脂肪酸など炎症の抑制をサポートする脂肪酸を多く含む食事はアレルギーによる皮膚の炎症によるかゆみの軽減に役立ちます。

 また、今まで食べたことのない蛋白質を用いたフードに変更したり、アレルギーの原因として認識されないほど小さい分子量になっている蛋白質(加水分解蛋白質)を用いたフードを与えることも原因の一つを取り除くよい方法です。

 アトピーなど体質的な要因がかかわるものでも、食事を変更することによって症状が軽減されることがあるという報告もされています。食事管理を含めてかゆみには多角的に取り組んでいきましょう。

チェックリスト
ひどいかゆみがあり、かきむしっていることがある
季節に関係なく、かゆがる
食事を変えたら、かゆがるようになった
一緒に飼っているほかの動物はかゆがらない
ウンチが柔らかくなった
ひとつでも思い当たることがあったら、早めに動物病院へ
食物アレルギーかな?

プリスクリプション・ダイエット
かゆみを伴う皮膚病の犬猫のためにオメガ-3脂肪酸を強化して、通常与えられる機会の少ない蛋白質を利用しています。 厳密な食物アレルギーの管理が必要な犬猫のために分子量の小さな蛋白質(加水分解蛋白質)を使用しています。
サイエンス・ダイエット
乾燥肌、フケ、かゆみなどが気になる愛犬・愛猫に。健康な皮膚・被毛の形成に役立つ必須脂肪酸(オメガ6、オメガ3)を増量し、エッグプロテイン、ビタミンE&Cを配合しています。
Hill's 日本ヒルズ・コルゲート株式会社
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