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今までちゃんとできていたトイレがある日突然うまくできなくなり、しかもその理由が何も思い当たらない場合は、病気が原因の可能性があります。いつもより回数が多い。排泄時に元気がなく妙な声を出す。姿勢がいつもと違うなど、いつもと違うサインは出ていませんか。もし、飼い主さんに思い当たらない場合でも、身体に何か変調があるかもしれません。まずは動物病院で相談しましょう。
また、もうすぐ1歳のメスといえば、初めてのシーズン(発情期)来たことも考えられます。一般的に発情の前にはオシッコの回数が増えます。そのため、トイレまで間に合わなくなっているのかもしれません。それなら犬の様子をよく観察し、頻繁にトイレに連れていってあげる必要があります。避妊手術をしていればこうした煩わしさはなくなり、子宮の病気や乳腺腫瘍の発生が減少するというメリットもあります。
一方オスの場合でも、去勢することでマーキングが減り、病気予防や性格が温和になる効果もあります。これを機会に避妊・去勢手術についても家族で考え、獣医師に相談してみてはいかがでしょうか。
犬は自分から「体調が悪い」と言うことができません。くれぐれも小さな変化も見逃さないであげてください。
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健康状態に問題がないのであれば、なんらかの環境の変化が原因だと考えられます。人間にとっては気にならないことでも、犬にとっては大きな変化である場合が多いのです。考えられる例がいくつかありますので、思い当たることがないか再チェックしてみましょう。
部屋の模様替えなどにともなって、犬のトイレの位置を変えていませんか。犬はトイレを認識していたのではなく、トイレの置いてあった場所を覚えていたのかもしれません。左から右へほんの少し動かしただけでもできなくなることがあります。どうしても動かす必要があるなら1日に10cmずつ移動するくらいのつもりで徐々に行ってください。
来客のときに限って失敗していませんか。お客さんといっしょに犬も遊びに来ていたら、さらに影響大です。興奮してのどが乾き、水をよく飲むのでトイレの回数が多くなりがち。来客前にトイレを済ませ、来客中はいつもより間隔を短く、2時間くらいごとにトイレを促してあげましょう。
また、2頭目の犬や猫などを飼い始めた場合も、それをきっかけに失敗するようになることがあります。トイレは共有にせず、1頭ずつ分けて用意しましょう。
たとえば子供が生まれた場合、家族の中の犬の順位が、生まれたばかりの赤ちゃんよりも下になるのは難しいものです。飼い主が赤ちゃんにかかりきりだと、犬は自分に関心を引き付けようとするため、これまでできていたことをしなくなることがあります。対処法としては、赤ちゃんのオムツを替えた後に「大人しく待てたね、えらいね」などと言ってごほうびのおやつを与えたり、授乳中にデンタルガムなどを与えたりします。こうするうちにお母さんが赤ちゃんをかまうときには自分にもいいことがある、と覚えられるようになります。
たまたまトイレを失敗したとき、大きな声で犬を叱ったことはありませんか。たとえ犬を叱らなくても、それが原因で家族が口論するのも同じことになりかねません。今までは怒られなかったのに、なぜオシッコをしたら怒られるのかわからず、犬が混乱してしまい、その結果、失敗を繰り返す場合があります。思い当たることがあれば、ただちにやめてください。
子供の進学やお父さんの勤務形態が変わったことなどで、それまでの暮らしの時間帯がずれていませんか。そんなケースでも犬は環境の変化を感じます。ただ、こればかりは家族に合わせて徐々に慣れてもらうしかありません。早朝にしていた散歩ができないなら深夜にトイレを済ませてから寝るなどし、あわてず様子を見て行きましょう。また散歩に連れていく人が変わっても同様の場合があります。