健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

熱中症警戒警報発令中!

屋外の繋留

 直射日光のあたるような場所に、犬を繋いでおくことは絶対にやめましょう。
 屋外で飼われている場合、短いリードに繋いで、炎天下で身動きができない状態では、熱中症になってしまう危険があります。広く動けるようにと長いリードに繋いでも、逆にリードが絡まってしまい、動きが制限されてしまう場合もあります。屋外に繋留する場合には、日陰に逃げることができないと熱中症になってしまいます。場所も、コンクリートの上などでは、かなりの高温になっているので大変危険です。

予防と対策

室内に入れる
 せめて暑い時間帯だけでも玄関や空調が入る場所に入れてあげましょう。

日陰を作る
 どうしても屋外飼育する場合には、日陰になる涼しいところ、適度に風が流れて熱がこもらないところに繋留または小屋を置くようにします。ただし、直射日光が当たらなければそれでOK、ということでは決してありません。風通しが悪かったり、コンクリートの上など熱を持ちやすい所は日陰になっていても気温も上がりますし、時間が経てば日陰の位置も変わります。愛犬だけでのお留守番は要注意です。
 犬小屋に葦簀(よしず)などを立てかけてあげるのも効果的です。水をまいて地面を冷やしてあげるなどの工夫をしてあげましょう。お買い物の時など店の先に一時的に繋ぐ場合も同様に注意してください。


飲み水を欠かさない
 新鮮な水をいつでも飲めるようにしておき、脱水症状にならないようにしましょう。

散歩中、散歩の後

夏の強い日差しでアスファルトも熱く焼けて、地面に近いところは気温以上に暑くなります。 日中のアスファルトは熱く焼けており非常に高温です。また、人間よりも地面に近いところを歩く動物たちにとっては照り返しの熱もありずっと暑い思いをしています(地面に手を近づけてみればどれくらい熱いかがわかりますよ)。
 また、水分の補給をしないで散歩や運動を続けると、脱水症状により体温調節ができなくなってしまうこともあります。

予防と対策

散歩は早朝か温度の下がった夜に
 日中の時間帯は散歩に行かない。日差しが強く、気温の高い日中の散歩はやめておきましょう。日が暮れても、日中太陽にさらされていたアスファルトの道路はまだまだ熱をもっています。気をつけてくださいね。

水分は十分に補給して
 水筒・ペットボトルに冷たい水やスポーツドリンクなどを入れてもっていきましょう。ハァハァと暑がっている様子が見られたら、日陰を探してその場でちょっと一休み。休憩して水を飲ませてあげましょう。

長距離の散歩コースは選ばない
 なにかあっても、すぐに自宅へ戻ってこれるよう夏の時期は家の近くを中心にした散歩コースを。また、日陰のある、公園のような土、草のある場所を選び、ゆっくりとした散歩をしてあげましょう。

犬の体調(飼い主さんの体調も)をよく考慮して
 高齢や肥満の犬や猫、あるいは下痢などて体調を崩しているときなどは、より熱中症の危険が増します。
 「毎日の日課だから、排便・排尿に連れていかないと・・・」と、無理をして散歩に出ないようにしましょう。そんな時の為にも室内や庭でも排尿・排便ができるように普段から練習しておきましょう。


 また、バグ、シーズー、ポメラニアンなど短頭種と呼ばれる犬種は暑さに弱いと言われています。その理由は、マズル(口吻)が短い分、マズル内で空気が冷却されずに暑い空気が直接体内に入ってくるためという説があります。特に気をつけてあげてください。

※猫も犬と同様に熱中症になることがあります。ただ、犬と違って繋がれていないため自分で涼しい場所に移動できるため、比較的熱射病を回避しやすい、というだけです。車の中に放置するなどの不注意があれば猫も熱射病になります。