健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

高齢犬の行動異常について

ワンちゃんは何歳ですか?~高齢犬の行動異常について~

ともに年を重ねてきた愛犬は家族の大切な宝物です。でも、最近「あれ?」と思うような行動を見かけることはありませんか?
 ひょっとしたら加齢にともなう行動の異常かもしれません。まずは、あなたの愛犬の行動をチェックしてみましょう!

7歳を超えたら高齢犬!?
健康な高齢犬の脳

ダメージを受けた高齢犬の脳

犬は、私たち人間の約4倍(小型犬~中型犬)~7倍(大型犬)ものスピードで年をとっていきます。そのため、一般には7歳を超えたら″シニア″世代です。人間と同じように、犬も年をとるにつれ、内臓や関節、感覚器官などの機能が次第に低下していきます。また、動作が鈍くなったり、反応が遅くなったりしますが、そうした生理的変化とは別に、脳が年とともに変化していくことにより生じる行動の異常がみられることがあります。ただし、こうした行動異常は徐々に進行するために、初期のうちには気付かないことが多いものです。

脳は酸化のダメージを受けやすい

 細胞が老化すると、細胞内において、細胞や組織にダメージを与えるフリーラジカルの発生量が増加します。神経系組織はこのフリーラジカルによる攻撃に対して無防備で、とくに脳は酸化による損傷を受けやすいといわれています。
 年をとるにつれて生じる脳ヘのダメージ化は、すべての動物で起こる自然な現象ですが、その進行速度は動物によって異なります。

行動異常だと思ったら…

 脳の酸化による損傷にともなう行動の異常は、単なる「老化」と混同され見過ごされがちです。そのため、夜鳴きや徘徊、粗相などが深刻な問題になるまで、飼い主さんが獣医師に相談することもなく発見が遅れがちです。実際、7歳以上の犬の飼い主さんの約75%が、愛犬の行動異常の徴候を認めていますが獣医師に相談するのはその約1割しかありません。
 この徴候を初期の段階でみつけることができれば、これらの行動を軽減でき、またその進行を遅らせる可能性があるといわれています。左のチェックリストで1つでも思い当たることがあったら早めに動物病院ヘ相談してみましょう。
 動物病院では、高齢犬の行動異常の改善に役立つ特別療法食(ヒルズb/d)が用意されています。b/dには、脳にダメージを与えるフリーラジカル対策として抗酸化成分が含まれていますので、高齢犬の維持食として適しています。 具体的には、
(1)優れた抗酸化成分
 ビタミンE、ビタミンC、ベータ・カロテン、セレンの抗酸化成分は、フリーラジカルによる神経組織の損傷を防御し、神経系の機能を健康に維持します。とくにビタミンEの濃度を高くすると、酸化による損傷から細胞を守ります。
(2) オメガ3脂肪酸
 オメガ3脂肪酸であるEPA(エイコペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、神経組織に必要な成分です。神経細胞の細胞膜を活性化させ、神経系の機能の改善を助けます。
(3) リボ酸、カルニチン
 脳細胞の代謝を助け、組織のダメージを軽減します。アルファ・リボ酸はほうれん草や緑黄色野菜に含まれています。
(4) カロテノイド、フラボノイド
 フリーラジカルを消去する機能を持っています。トマト、ニンジン、ほうれん草、かんきつ類、ブドウなどに含まれています。

 ヒルズのプリスクリプシヨン・ダイエット(犬用)b/dは、これら抗酸化成分と各種栄養素が組み合わされた特別療法食です。行動異常のみられ始めた高齢犬にb/dを与えて約1カ月で行動の改善がみられたという報告があります。

 愛犬に健康で長生きして欲しいのはみんなの願いです。あなたの愛犬が高齢期に入っているのなら、定期検診と日ごろの状態を常に観察して、何か異常を感じたら早めに動物病院ヘご相談下さい。


チェックリスト
  見当識障害
□自分の家の近所で迷う。
□よく知っている場所でも迷う。
□親しい人や日常の生活パターンがわからなくなる。
□機敏さや警戒心が低下し、目的のない行動をする。
□壁や宙をじっとみつめる。
 
 
相互反応の変化
□家族を喜んで迎えなくなる。
□なでたり、抱き上げたりしても喜ばない。
□飼い主の関心を惹こうとしない。
□家族や他の犬と遊ぶ時間が減る。
□言葉で合図をしても応えない。
 
  睡眠あるいは行動の変化
□日中の睡眠時間が増え、夜間の睡眠時間が減少する。
□夜間に家の中を徘徊する。
口夜間に意味もなく吠える。
 
 
家庭でのしつけを忘れる
口散歩に行くよう要求しなくなる。
口「粗相」の回数が増える。
□排尿・排便のコントロ―ルができなくなる。
 

ひとつでも思い当たることがあったら、
早めに動物病院へご相談ください。