健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

犬と遊ぼう オスワリ

柿沼ペット病院 柿沼 綾子先生

 前回に引き続き、今回も愛犬との楽しい遊びをご紹介します。

今回は「オスワリ」を応用した遊びをご紹介します。これができると愛犬との生活が一段と楽しくなりますよ。ぜひ、試してみてください。

遊びながら、しつけもできます。しかし、あくまで基本は遊びです。犬に楽しさを伝えなければいけませんから、飼い主さんがリラックスして臨むことを忘れないで下さい。

楽しくオスワリの癖をつける

 まず、誰かに引き綱を持っていてもらうか、犬をどこかにつないでおいてください。そして、犬に近づいていき、犬が跳びついてきたらサッと腕組みをして、犬から目をそらします。黙ってそのままジッと立っていると何もいわなくても犬はオスワリをします。最初は少し手間取るかもしれませんが、すぐにできるようになります。

こうして犬がオスワリをしたらすぐに褒めてあげてください。そしてご褒美をあげます。友人や近所の人が家に遊びに来たら、その人も誘って一緒に遊んでもらいます。

何度もこれを繰り返していると、犬は誰かが近づいてくると自分で考えて跳びつく替わりにオスワリをするようになります。

 ここで注意して欲しいのは『遊びなのですから、口やかましいことは言いっこ無し』ということです。犬が跳びついているときに「ダメ」とか「オスワリ」とか堅苦しい命令を出してはいけません。犬がオスワリをした時にだけ口を開いて、たくさん犬を褒めてあげてください。

冷静さが勝負の分かれ目?椅子取りゲーム

 こうして、少ししつけのできた犬と人間が数組いたらゲームも楽しめます。

 参加する人の数より一つ少ない数の椅子を並べ、そのまわりを犬を連れた人が音楽に合わせてグルグルまわります。音楽が止まったら犬にオスワリをさせ、それから人が椅子に座りに行きます。犬がオスワリの姿勢を崩してしまったら、椅子に座っていた人は立ち上がり、もう一度犬にオスワリをさせに戻ります。全部の犬がオスワリをしている時、椅子に座れなかった人の組は抜けます。

 このとき、人間が焦って椅子に座ろうと走ったりすると、犬も興奮して立ち上がってしまいます。ゲームに勝つには素早さと冷静さが必要です。

アレンジも色々!3目並べにチャレンジ

 次はちょっと変わった遊びをご紹介します。まず、犬と人を2組のグループに分けます。この時、グループごとに同じ色のリボンを首に巻いておくと見分けやすいです。そして、地面に3目並べ(マルバツともいいますね)の大きな升目を書きます。犬を碁石の代わりにして、升目の中にオスワリをさせるのです。犬が立ち上がってしまったら、その犬は一度升目から出て、自分の組の最後につきます。同一グループの犬が一直線に3頭並んでオスワリできたらその組の勝ちです。

 これも犬のしつけのレベルに合わせてフセをさせたり、飼い主さんと距離を取るなどして、アレンジを加えて遊んでみてください。