健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

飼い主さんが守るべきルールについて

 飼い主さんにとって必要なことは、ただ愛犬や愛猫を可愛がるだけでなく、他人や社会の迷惑にならないようルールを守り、最後まで責任と愛情を持って世話をすることです。

一般社会の中で、全ての人が動物好きであるとは限りません。犬や猫が苦手な方も当然いますので、そのための配慮も必要です。

 愛犬や愛猫たちと楽しい生活を送るためにも、社会的な責任とルールをここでもう一度確認して下さい。

Rule.1 散歩時の便は必ず持って帰る

 これは当然のことです。飼い主さん皆さんが必ず守って下さい。ビニール袋や、チリ紙、スコップ、便処理専用の器具など皆さんそれぞれで工夫して、散歩に出かける時はこれらを忘れずに持っていって下さい。これらのアイテムを収納できるバッグなどもあります。

 毎日、愛犬や愛猫の便を始未することで、状態もよくわかり、健康のチェックにもなります。

Rule.2 子供にも子犬、子猫への接し方を教え、家族みんなで育てましょう。

 新しく犬や猫を飼い始める理由の中には[子供の教育にプラスになる」というものも少なくありません。ペットと優しく接することによって、命の尊さを知るなどといった風に情操教育上良い、というのはよく言われることです。その際には、まず子供たちに、接し方やしつけの方法、世話の仕方を身を持って示してあげましょう。

子供たちに子犬・子猫は”おもちゃ”ではなく、”生き物”であるということをよく教え、家族みんなで大事に育てて下さい。

Rule.3 愛犬の登録・狂犬病の予防注射を忘れずに!

飼い主さんには、生後90日を過ぎた犬を各自治体へ登録申請をする義務があります。現在は終身登録制のため、初回の登録を済ませておけば、翌年以降、更新の必要はありません。ただし、飼い主さんの所在地変更や犬の死亡時には届け出が必要となります。狂犬病の予防注射は、毎年1回、集合注射会場か動物病院で受けて下さい。

Rule.4 犬だけでなく猫も外出時には必ずリードを付けてください。

外出するときは必ず!

 散歩の時だけでなく散歩以外にも、外出時には必ずリードを付けて下さい。首輪や胴輪などいろいろな種類のものがありますので、サイズの合うものを選び、リードでしっかり繋いで楽しい散歩に出かけましょう。

「うちの犬は放していても、しつけができているし、おとなしいから大丈夫」と思って、リードをつけずに散歩をされる方もおられますがリードをつけるということは、他の人や犬に対して、迷惑をかけないだけでなく、愛犬自身を交通事故などの危険から守ることにもなるのです。

このことは猫についても同様です。外出時には必ずリードを付けましょう。これで猫同士のケンカによるケガを防ぐこともできます。

※動物病院での診療のなかでも、猫同士のケンカによるケガの治療はたいへん多いものです。

Rule.5 迷子札を忘れずに。

オシャレなペンダントタイプ

愛犬や愛猫の名前や飼い主さんの連絡先がわかる迷子札(ネームプレート)をつけてあげましょう。

迷子になっても、無事に戻ってくる可能性が高くなりますし、万が一何かしらの事故にあったとしても、飼い主さんと素早く連絡をとることが可能になります。

市販されているペンダントタイプの迷子札を利用したり、首輪やリードに名前や電話番号を書き込んでおくのも良いでしょう。

Rule.6 子犬・小猫は育てる意志がないときは去勢・避妊手術を考える。

 まだ生まれて間もない、あどけないしぐさの子犬・子猫たちも、身体の成長に伴い、やがて性の成熟が訪れます。性の成熟は自然なものです。そして同時に発情・生殖行動といった性行動も、当然みられるようになります。しかし、飼い主さん自身が子犬・子猫は育てる意志がない、あるいは住宅や家庭、その他の事情などで育てることができないのであれば、その「自然な性行動」も飼い主さんがコントロールする必要があります。

 もし、あなたが子犬・子猫を望んでいないのであれば、去勢・避妊について考えてみて下さい。 「去勢・避妊手術はかわいそう」、「自然のままが一番」といった意見があることも事実です。しかし、完全に異性との接触を遮断することができたとしても、その自然な本能である発情や生殖、雌を追う雄の習性まで抑えることは難しいでしょう。むしろ、必要以上ににストレスを与えることにもなり兼ねません。

 また、去勢・避妊手術には望まぬ子犬・子猫を増やさないという目的以外にも、病気の予防や行動・性格面でプラスとなる効果もあります。

 望まれずに産まれる子犬・子猫は捨てられたり、安楽死させられたり、悲しい結果を産み出します。また、のら犬やのら猫を増やすことにもなり、このことは現実の間題として存在しています。去勢・避妊手術の方法や時期などは、動物病院で獣医師と十分に相談して下さい。去勢・避妊についての記事はこちらから