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猫と楽しく暮らすためのQ&A

猫と楽しく暮らすためのQ&A

ペピイのホームページ「www.peppynet.com」にある掲示板のコーナーには、猫の飼い主の方からの寄せられた疑問や悩み、質問が寄せられています。今回はそのなかから「新しく迎えた猫と仲良くするには」と「うちの猫、爪とぎしません」のふたつをご紹介します。
新しく迎えた猫と仲良くするには?

 こんにちは。3ヶ月の雑種(貰い受けました)を飼っています。まだ来て4日目でなつかないのですが、どうすれば良いのでしょうか?1日中、部屋の隅にいます。1人になるとご飯を食べてお手洗いに行ったり遊んだりしているようです。餌だけ食べている感じなのでなんとなく悲しいな、と思うときもしばしば…。

 かまい過ぎると余計にストレスがたまってしまうと聞きましたが、かまわなさすぎもダメなのでしょうか?どれぐらいかまってあげれば良いのか教えてください!

 あと、早くなついたりしてくれる方法ってありますか?

信頼関係を築くことを第一に

 3ヵ月の子猫となりますと、好奇心もありますが、同時に警戒心も出てきている年頃。慣れ親しんだ家庭環境、親、兄弟から離れて、全く見知らぬ環境に来たのですから、新しい環境に警戒しているのも当然です。警戒を解いてもらうためには、信頼関係を築く事が何よりです。

 では、どうやって信頼関係を築くのでしょうか?猫を飼う上での基本的なことをきちんと行えば、信頼関係は生まれてきます。

 ご飯やお水をしっかりあげること、トイレを常に清潔にしてあげること、そして、子猫にとって穏やかで安心できる空間・時間を確保してあげることです。

 猫は適度に狭く暖かい場所が好きな生き物です。部屋の隅にいることが多いのであれば、その場所を一時的にでも子猫の場所、プライベート空間として扱ってみては如何でしょうか?そこにふかふかのタオルや猫用のベッドなど置いてみるのも一つです。

 猫と仲良くなるだけでなく、子猫に自分の名前を覚えてもらうため、また名前を呼ばれるといい事がある、と知ってもらうために、名前を呼んでからご飯をあげるようにしてみるのも良いでしょう。

 子猫が環境や飼い主の方になれた頃であれば、手からご飯を少量あげてみるのもお勧めです。この時はいつものフードと違った種類のものを試すと、好奇心も手伝って早くに手から食べてくれるようにもなるかもしれません。

 子猫は一つの命です。おもちゃでもなく、人間の都合で振り回すものでもない伴侶となるべき生き物です。とても愛らしく、可愛らしく、抱きしめたくなるのは当然ですが、まずは、子猫が初めての環境に慣れてくれることを目標としましょう。

 環境に慣れてきてくれれば、そして基本的な生活が整ってくれば、子猫のもつ好奇心、愛情を求める心のほうが表面にでてきます。そうなれば、放っておいても子猫はあなたの傍にいつの間にかいることになるかもしれません。

※例え、愛情からとはいえ、子猫を無理に捕まえたり、触ったりしようとしてはかえって警戒心を募らせたり、怖がらせてしまうことにもなりかねませんので注意しましょう。

猫と仲良くなるコツ

 猫はひとりでいることが好きと思われがちですが、実際は寂しがりやで、同居人の傍にいることを結構好みます。が、自分の欲求も大切にし、自分の時間を必要とする生き物でもあります。

 このことから考えていくと、猫が遊んでほしい、かまってほしいという時に猫と遊んであげる事が猫と早く仲良くなるコツなのです。同居人から遊ぼう、とかまい始めるよりも子猫がかまってほしい、というサインを見逃さず、子猫がそのサインを出した時に、遊んであげることで、どんどん猫と仲良くなっていく事ができます。

 また、子猫が遊んでもらいたがる時間帯(寝起きの後や食後しばらくしてからの時間帯)に子猫から少し離れたところで、おもちゃを動かすと子猫は我慢しきれずに遊び始めるようになるかもしれません。この時、おもちゃは子猫の頭より小さめ(半分以下のもの)、あるいは子猫が口にくわえられる大きさのものを選ぶといいでしょう。

仲良くなってくれば、マッサージを始めたり、ブラッシングを始めたりと、あらたなスキンシップの道を探していくと、更に仲良くなる事も、子猫の体調管理もできるようになってきます。ぜひ、行ってみてくださいね。

うちの猫、爪とぎをしません

 はじめまして。私の今飼っている猫は爪がすごいながいんです。爪とぎもあるのですが、全然やってくれません。手をもってやっても、逃げて行ってしまいます。良い方法ありませんか?よろしくおねがいします。

無理強いはさせない

 猫にとって爪とぎは、古くなつた鞘を外し、新しくて尖った爪を出すという『爪のお手入れ』だけでなく、自分の縄張りを主張するためのマーキング、ストレス解消といった目的がありますので、おっとりした性格の猫やあまり活動的ではない猫ではあまり爪とぎをしないことがありますが、全然爪とぎをしない猫とは珍しいかもしれませんね。

 ただ、無理に爪とぎをさせる必要はありません。同じ生き物はいないのですから、これも個性と楽しんではいかがでしょうか?また、爪が長くなって困るのであれば、爪の手入れを飼い主の方がなされるか、あるいは動物病院などで切ってもらうようにすると良いでしょう。

※爪がとても長いと、長すぎて爪とぎしにくくなっていたり、肉球の間の毛が長くなっていて、滑ってしまうために嫌がっていたり、という可能性もあります。あるいは爪とぎの素材や置き場所が愛猫の好みではないのかもしれません…(好みの激しい子は激しいものですから)。

 一度爪や肉球の間の毛をお手入れをなさった後に、何種類かの爪とぎ器をご用意され、愛猫の通り道やリラックスしている場所の近くにおいてあげてみても良いかもしれませんね。